2023年03月07日
何気ない一作が大当たりして美術史の教科書に載るのは珍しいかも
・『嫌いとかではないけど、自分の人生に入る引き出しがない』人気ミュージシャンの曲が"刺さらない"人の秀逸な表現(Togetter)
→ この表現が微妙に覚えにくくて使っていないのだけど,言いたいことはよくわかる。音楽なら,一度聞いて良い曲だなと思っても,あるいはまあまあ好きだなと思っても,すでに似たような曲が脳内にあったり,特別趣味にあっているわけではなかったりして,聴き込んだり同じアーティストの別の曲を聞こうという気力までは起きない。一目惚れ的に次のアクションを起こすための気力が湧くほどには好きではない。流行の曲だとこうなりがちだから,Togetterの発端も音楽なのだろう。
→ 漫画やアニメやゲームなら,やはり流行の作品や,何か勧められたとして,その中にはちゃんと触れれば好きになる可能性があるなと自分でも思う作品が含まれる。でも即座に反応して触れるほど惹かれたわけではないし,じゃあ後で触れるかと言われると,それに近い作品がすでに心の中に存在していて,同じ枠にもう一つ入れるほどの時間的余裕が無い。それよりも他に触れなくてはいけないものがある。だから結局触れずに終わるか,非常に後になってから触れることになる。人生は有限なのだから,特別心の琴線に触れたものしか愛する余裕が無い。なるほど,いろいろな事情から「自分の人生に入る引き出しがない」となる。
→ とはいえ人間の感性は変わっていくものだから,数年ぶりにそれに触れてみると「ああ,前までの引き出しの形に合わなかったんだな」としっくり来ることもある。Togetter内にもある通りで,突然過去に流行したものにはまってしまったりすることもある。この喩えで言うなら,意外と変形が効いて,多くの人の引き出しの形にフィットしやすいものが古典として生き残っていくのだろう。
・100年以上猛暑日なし…関東の意外な避暑地 千葉・勝浦「夜は寒い」クーラーつけず長袖も(FNN)
→ 天国じゃん。海洋性気候は気温の日較差・年較差が小さくなるのは,地理・地学の基礎的な事項だからわかる。それにしたって極端で,他の房総半島の地域との違いがよくわからない。記事中の説明を読んでも,建物も山も低くて風が通り抜けやすいのは同じだろうと思うし,海水温が上昇しない理由は説明されていない。ググって出てきた別の新聞記事でも,隣の鴨川市との違いについて「観測地点が勝浦市よりも陸側にあるから」という説明で,観測地点同士で比べればそういう話になるんだろうけど……ということで本質的な説明ではなかった。不思議。
・焼却炉から金銀31キロ、3700万円に 新技術に相模原市長ご満悦(朝日新聞)
→ 都市鉱山は言われて久しいが,埋める前に拾えるならその方が楽かもしれない。約1億円分の金銀が回収されて市に3700万円の収入があったのなら結果は大成功と言える。何年分のゴミを燃やして金銀が31kgも溜まっていたのか,そこが知りたい気はする。どの程度こまめに回収すれば採算がとれるのか,もう企業は計算しているだろう。儲かるなら他の市町村でもやるべきだが,続報はあるのだろうか。
・19世紀のドイツ人画家による絵画『鬱陶しい紳士』のオッサンがまじで鬱陶しくて表現力に脱帽しちゃう件(Togetter)
→ この《鬱陶しい紳士(Der lastige Kavalier)》は美術史の本でたまに見かける印象。19世紀後半のドイツ人のアカデミー美術なんて西洋美術史からすると傍流で研究も盛んではないはずで,画家のベルトルト・ヴォルツェ(Berthold Woltze)もさして有名ではなく,他の絵を見ても普通に上手い19世紀アカデミーの画家という感じでしかない。それはWikipediaに8言語分しかページが無いところで十分察せられる。なぜか日本語版Wikipediaが一番詳しい(内容が正確かはわからない)。それでもこの作品がピンポイントで紹介されることが多いのは,それだけインパクトがあって鑑賞者の心に共感が残るのだろう。実際にこの作品,おっさんの鬱陶しさがわかりやすい。いるいる,こういう人。しかもよく見ると喪服で泣いている女性に話しかけて鬱陶しがられているから最悪である。亡くなったのは親か夫か。奥の老人の嫌そうな顔も良い。本作品はWikipediaの日本語・英語・ドイツ語版のいずれでも代表作っぽい扱われ方だったので,国際的にもヴォルツェの作品の中では本作が最も知名度が高いのだろう。ついでに言うとBerthold WoltzeでググるとサジェストにDer lastige Kavalierが出てきて笑った。英語やドイツ語でも同様に検索されているのではないか。
→ この表現が微妙に覚えにくくて使っていないのだけど,言いたいことはよくわかる。音楽なら,一度聞いて良い曲だなと思っても,あるいはまあまあ好きだなと思っても,すでに似たような曲が脳内にあったり,特別趣味にあっているわけではなかったりして,聴き込んだり同じアーティストの別の曲を聞こうという気力までは起きない。一目惚れ的に次のアクションを起こすための気力が湧くほどには好きではない。流行の曲だとこうなりがちだから,Togetterの発端も音楽なのだろう。
→ 漫画やアニメやゲームなら,やはり流行の作品や,何か勧められたとして,その中にはちゃんと触れれば好きになる可能性があるなと自分でも思う作品が含まれる。でも即座に反応して触れるほど惹かれたわけではないし,じゃあ後で触れるかと言われると,それに近い作品がすでに心の中に存在していて,同じ枠にもう一つ入れるほどの時間的余裕が無い。それよりも他に触れなくてはいけないものがある。だから結局触れずに終わるか,非常に後になってから触れることになる。人生は有限なのだから,特別心の琴線に触れたものしか愛する余裕が無い。なるほど,いろいろな事情から「自分の人生に入る引き出しがない」となる。
→ とはいえ人間の感性は変わっていくものだから,数年ぶりにそれに触れてみると「ああ,前までの引き出しの形に合わなかったんだな」としっくり来ることもある。Togetter内にもある通りで,突然過去に流行したものにはまってしまったりすることもある。この喩えで言うなら,意外と変形が効いて,多くの人の引き出しの形にフィットしやすいものが古典として生き残っていくのだろう。
・100年以上猛暑日なし…関東の意外な避暑地 千葉・勝浦「夜は寒い」クーラーつけず長袖も(FNN)
→ 天国じゃん。海洋性気候は気温の日較差・年較差が小さくなるのは,地理・地学の基礎的な事項だからわかる。それにしたって極端で,他の房総半島の地域との違いがよくわからない。記事中の説明を読んでも,建物も山も低くて風が通り抜けやすいのは同じだろうと思うし,海水温が上昇しない理由は説明されていない。ググって出てきた別の新聞記事でも,隣の鴨川市との違いについて「観測地点が勝浦市よりも陸側にあるから」という説明で,観測地点同士で比べればそういう話になるんだろうけど……ということで本質的な説明ではなかった。不思議。
・焼却炉から金銀31キロ、3700万円に 新技術に相模原市長ご満悦(朝日新聞)
→ 都市鉱山は言われて久しいが,埋める前に拾えるならその方が楽かもしれない。約1億円分の金銀が回収されて市に3700万円の収入があったのなら結果は大成功と言える。何年分のゴミを燃やして金銀が31kgも溜まっていたのか,そこが知りたい気はする。どの程度こまめに回収すれば採算がとれるのか,もう企業は計算しているだろう。儲かるなら他の市町村でもやるべきだが,続報はあるのだろうか。
・19世紀のドイツ人画家による絵画『鬱陶しい紳士』のオッサンがまじで鬱陶しくて表現力に脱帽しちゃう件(Togetter)
→ この《鬱陶しい紳士(Der lastige Kavalier)》は美術史の本でたまに見かける印象。19世紀後半のドイツ人のアカデミー美術なんて西洋美術史からすると傍流で研究も盛んではないはずで,画家のベルトルト・ヴォルツェ(Berthold Woltze)もさして有名ではなく,他の絵を見ても普通に上手い19世紀アカデミーの画家という感じでしかない。それはWikipediaに8言語分しかページが無いところで十分察せられる。なぜか日本語版Wikipediaが一番詳しい(内容が正確かはわからない)。それでもこの作品がピンポイントで紹介されることが多いのは,それだけインパクトがあって鑑賞者の心に共感が残るのだろう。実際にこの作品,おっさんの鬱陶しさがわかりやすい。いるいる,こういう人。しかもよく見ると喪服で泣いている女性に話しかけて鬱陶しがられているから最悪である。亡くなったのは親か夫か。奥の老人の嫌そうな顔も良い。本作品はWikipediaの日本語・英語・ドイツ語版のいずれでも代表作っぽい扱われ方だったので,国際的にもヴォルツェの作品の中では本作が最も知名度が高いのだろう。ついでに言うとBerthold WoltzeでググるとサジェストにDer lastige Kavalierが出てきて笑った。英語やドイツ語でも同様に検索されているのではないか。
Posted by dg_law at 12:00│Comments(0)