2023年08月08日

自分もYAMAPがなければ何度か遭難していると思う

・「私は10日遭難した きっかけは道標だった」(NHK)
・相次ぐ山岳遭難 「道標」で道を間違えるケースも 奈良(NHK奈良県のニュース)
・奈良・弥山 遭難事故の記録|小さな火、絶やさなかった10日間(YAMAP MAGAZINE)
→ 3記事合わせて読みたい。NHKの方に
>自己責任が原則の登山において、道標は遭難の言い訳にはならないと前置きしたうえで、今回の遭難はこの道標がきっかけになったと指摘します。
 とあるが,そうは言っても自治体の設置した看板の誘導ミスはさすがに例外だと思う。地方自治体によって程度に大きな差があるものの,けっこうな頻度で間違っていて,その都度YAMAPや山と高原地図と比較する羽目になるのは勘弁してほしい(私が今までで一番ひどいと思ったのは関八州見晴台)。自己責任の範囲を超えている。この遭難についても,地図をなくしていたり,スマホの地図アプリを入れていなかったりという過失はあるものの,道標の間違いが第一の原因と言っていい。だからこそ,他の自治体につながる道だからという理由で誤りがあると言いうるような道標を作り,責任逃れのコメントを出している五條市はひどい。無い方がマシな道標で,五條市に登山客を誘導するために人命を軽視していると言われても仕方がない。NHK奈良県のニュースの動画を見ると,YAMAPのデータによって他の登山者も散々この道標に迷わされていることがわかる。現在では正しい道も書き加えられているとのこと。
→ YAMAPの方の記事を読むとより詳細な状況が語られている。久々の登山で登山靴のソールが剥がれてしまったこと,迷ったら登るの鉄則に反して沢筋に下ってしまったことの二点が遭難を悪化させた原因だろう。一方でベテランなだけあって遭難時の対応は適切だった。食料が当初の予定が一泊二日だったにしては多かったこと,サバイバルシートを持っていたこと,焚き火を起こしたこと,飲み水を確保しやすいところに避難できたこと,コンパスを持っていっていたこと等は生還要因で,示唆に富む遭難記録である。


・東北の男性と結婚した外国人女性たちの経験。「不可視化」の理由と託された言葉の数々。#移住女性の声を聴く(ニッポン複雑紀行)
→ 全然知らない話だった。00年代まであったとのことなので,かなり最近の話である。記事の最初の方を読んだだけでも失敗するケースが多いように思われる政策だが,上手くいった事例もそれなりにあって「一概には言えない」らしく,私にも偏見があったかもしれない。上手くいったところはちゃんと嫁側に丁寧に説明をして,来てもらう側の家庭も両親含めて納得して……という感じなのだろうか。確かに困っている人の事例ばかりを喧伝されるのも上手くいっている人たちが困ってしまうし,それでは誰も幸せにならない。
→ 記事中にも「日本と出身国の経済的な差がどんどん縮まっていく時期でもありました。」とあって,これが10年代になると東北への結婚移住が減った東北大震災と並ぶ二つの理由として挙げられていた。私が00年代まで結婚移住が存在していたことに驚いた理由がまさにこれで,00年代だとまだ韓国や中国から日本が魅力的に見えていたのだろう。日本に住んでいると00年代と10年代にそんなに違いがあったかと思ってしまうが,その頃に経済成長が著しかった中国や韓国から見た際には相対的な地位の変化が大きいのかもしれない。


・「近代五種」 馬術を除外し障害物レース採用 IOCに変更提案へ(NHK)
→ SASUKEを長らく見ているので,近代五種にSASUKEを参考にした障害物レースが採用されるかもしれず,IOCから欧州版Ninja Warrior(SASUKEの海外版の名称)が調査を受けたという話はけっこう前から知っていた。それでも本当に採用されたのは驚いた。なお,SASUKEのYouTubeチャンネルがそのテスト大会を取材している。これを見るとSASUKEよりはやや易しいがよく似ていて,最後が「反り立つ壁」である。SASUKEよりはやや易しいせいか,フランス版Ninja Warriorの選手が爆速で優勝していて笑った。