2024年02月26日
月見酒・花見酒は何点か問題・雨流れはありか無しか問題
・SEP:芸術の定義(Lichtung)
→ 20世紀後半以降の芸術の定義論の非常に良い整理。私的な理解は家族的類似説の発展系と制度的定義で止まっていたので,他の説が新鮮で面白かった。歴史的定義は筋が良いが,家族的類似説的な否定説に弱い気はする。時代ごとに定義が違うのであれば普遍性が薄く,であれば複数の定義を持つということでよいのではないか,とか。
→ また,歴史的定義を議論の範疇に入れると,他の定義にも時間的な広がりを考慮する余地を与えることになり,いろいろと拡張してしまう感じも。制度的定義は「制度の外で生まれる芸術作品の存在を扱えない、また、いかなる制度もそれが芸術作品か否かの判断を間違いうる」が,これも制度は制度外の作品をそのうち吸収しうるものであるし,間違いもただされるか・ただされなければ芸術作品として定着しうるから,これも時間的な広がりを認めるなら別の定義に合流しそうな感じはする。
・花札における「菊に盃」とかいう壊れ性能KYクソカード(増田)
→ 花札(こいこい)は割りとやっていたのだけど,5点かつ雨流れ無しなら同意で,菊に盃が壊れ性能になってしまう。3点かつ雨流れ有りくらいでちょうどいいのではないか。
→ ついでに言えば,三光が5点は猪鹿蝶や青丹等と集める枚数が3枚だからまだいいとして,雨四光以上が7〜10点というのは安すぎる。しかも雨流れルールを採用していた場合は雨四光以上と月見酒・花見酒が並立しない。したがって,三光+月見酒・花見酒が最低必要枚数4枚なのに11点になるから,五光よりも高い点数になる。これは完全にルール上の不備であるが,だからと言って雨流れ無しにすると月見酒・花見酒が便利すぎる。したがって雨四光は12点,四光は15点,五光は20点と上方修正してやっと釣り合いがとれるように思われる。月見酒・花見酒を5点役にするなら更に上方修正した方がよい。菊に盃を最優先で取るのは花札の最重要テクニックだが,20点札の権威が形無しでゲーム設計とルールのミスマッチでもある。
→ なお,増田に書かれている「「こいこい」では7点以上の点数が倍になるというルール」は初めて知ったし私がやったことがある全ての場で適用されていなかったのだが,任天堂のゲーム説明にあるということは,割りとよくあるルールなのだろう。確かにこれがあると尚更菊に盃が凶悪性能である。花札,よくこれだけ点数の基礎ルールに不備があって成り立ってるな。あるいは成り立っていないからマイナー遊戯に転落しているとも言えるか。
・Googleマップで発見、なぜこんな場所に日本人の墓? 絶海の孤島の謎を調べてみた(東京新聞)
→ 4記事にまたがる大作記事。こういう数奇な運命を辿った個人の記録を追うのは面白いし,その時代の動きや背景も見えてくる。それにしても,ほぼコタツ記事(+図書館での調査のみ)でここまで判明する,現代のインターネットとデジタルアーカイブすごい。あと少しの調査で櫻井さんの人生が復元できそう。コタツ記事というアイデンティティは崩壊してしまうが,東京新聞さんに当たっては是非ともホノルルとミッドウェーに調査出張に活かせてあげてほしい。
→ 20世紀後半以降の芸術の定義論の非常に良い整理。私的な理解は家族的類似説の発展系と制度的定義で止まっていたので,他の説が新鮮で面白かった。歴史的定義は筋が良いが,家族的類似説的な否定説に弱い気はする。時代ごとに定義が違うのであれば普遍性が薄く,であれば複数の定義を持つということでよいのではないか,とか。
→ また,歴史的定義を議論の範疇に入れると,他の定義にも時間的な広がりを考慮する余地を与えることになり,いろいろと拡張してしまう感じも。制度的定義は「制度の外で生まれる芸術作品の存在を扱えない、また、いかなる制度もそれが芸術作品か否かの判断を間違いうる」が,これも制度は制度外の作品をそのうち吸収しうるものであるし,間違いもただされるか・ただされなければ芸術作品として定着しうるから,これも時間的な広がりを認めるなら別の定義に合流しそうな感じはする。
・花札における「菊に盃」とかいう壊れ性能KYクソカード(増田)
→ 花札(こいこい)は割りとやっていたのだけど,5点かつ雨流れ無しなら同意で,菊に盃が壊れ性能になってしまう。3点かつ雨流れ有りくらいでちょうどいいのではないか。
→ ついでに言えば,三光が5点は猪鹿蝶や青丹等と集める枚数が3枚だからまだいいとして,雨四光以上が7〜10点というのは安すぎる。しかも雨流れルールを採用していた場合は雨四光以上と月見酒・花見酒が並立しない。したがって,三光+月見酒・花見酒が最低必要枚数4枚なのに11点になるから,五光よりも高い点数になる。これは完全にルール上の不備であるが,だからと言って雨流れ無しにすると月見酒・花見酒が便利すぎる。したがって雨四光は12点,四光は15点,五光は20点と上方修正してやっと釣り合いがとれるように思われる。月見酒・花見酒を5点役にするなら更に上方修正した方がよい。菊に盃を最優先で取るのは花札の最重要テクニックだが,20点札の権威が形無しでゲーム設計とルールのミスマッチでもある。
→ なお,増田に書かれている「「こいこい」では7点以上の点数が倍になるというルール」は初めて知ったし私がやったことがある全ての場で適用されていなかったのだが,任天堂のゲーム説明にあるということは,割りとよくあるルールなのだろう。確かにこれがあると尚更菊に盃が凶悪性能である。花札,よくこれだけ点数の基礎ルールに不備があって成り立ってるな。あるいは成り立っていないからマイナー遊戯に転落しているとも言えるか。
・Googleマップで発見、なぜこんな場所に日本人の墓? 絶海の孤島の謎を調べてみた(東京新聞)
→ 4記事にまたがる大作記事。こういう数奇な運命を辿った個人の記録を追うのは面白いし,その時代の動きや背景も見えてくる。それにしても,ほぼコタツ記事(+図書館での調査のみ)でここまで判明する,現代のインターネットとデジタルアーカイブすごい。あと少しの調査で櫻井さんの人生が復元できそう。コタツ記事というアイデンティティは崩壊してしまうが,東京新聞さんに当たっては是非ともホノルルとミッドウェーに調査出張に活かせてあげてほしい。
Posted by dg_law at 12:00│Comments(4)
この記事へのコメント
モゲマスのコイコイは7点以上2倍ルールでしたね。個人的にはマイナールールだと思いますが。
Posted by ななしのよっしん at 2024年02月26日 22:08
そうなんですね。採用されている範囲が謎ですね……
Posted by DG-Law at 2024年02月28日 00:19
お初にお目にかかります。毎年世界史難問まとめを読ませていただいておりました。
櫻井さんの記事は熱意もさることながら文章力もあって読ませる記事ですね。
個人的には「有為の奥山を越えて『さ』に到達する」とか「まさに浅き夢だった」とかのウィットに知性を感じました。
櫻井さんの記事は熱意もさることながら文章力もあって読ませる記事ですね。
個人的には「有為の奥山を越えて『さ』に到達する」とか「まさに浅き夢だった」とかのウィットに知性を感じました。
Posted by てゆーか at 2024年02月29日 09:45
遅ればせながら,今年の世界史悪問・難問・奇問集を公開しました。お楽しみいただければ幸いです。
櫻井又五郎さんの記事は時間がかかってもいいので,真相が判明するまで続報が欲しいですね。楽しみにしている読者も多かろうと思います。
櫻井又五郎さんの記事は時間がかかってもいいので,真相が判明するまで続報が欲しいですね。楽しみにしている読者も多かろうと思います。
Posted by DG-Law at 2024年03月21日 01:11