2024年04月06日

『絶対に解けない受験世界史4』が出ます

出版社による告知記事はこちら。




すでにAmazon,honto等で発売中です。シリーズ存続のためにもご購入いただけると幸いです。

以下は3巻同様に,本書の紹介をFAQ形式で。

よくわかる! 『絶対に解けない受験世界史4 悪問・難問・奇問・出題ミス集』FAQ

Q.目的や内容は前巻までと同じなの?
A.全く同じです。大学入試における悪問や超難問,出題ミスを収録・解説した本です。本気で難しくて解けない問題から,日本語の崩壊した問題,単なる誤植,笑える問題,珍しい問題など,多岐にわたって収録しています。
1.入試問題作成の杜撰さを世の中に訴えること
2.出題ミスの事例を集めて,出題者へ提供すること
3.悪問を笑い飛ばして当時の受験生の無念を供養すること
4.世の中の世界史マニアに難問を提供すること
を主な目的としています。


Q.収録範囲は?
A.2021〜22年の全大学,2023年の早慶・国公立大です。2023年の国公立大まで入れたところで400ページをオーバーしてしまい,打ち止めにしました。2023年の私大その他や2024年の早慶・国公立は原稿を作成しているものの4巻には未収録です。5巻が出版されればそっちに入ります。


Q.対象読者は?
A.世界史が好きな人全般,歴史教育に関心が深い高校教員・予備校講師や大学教員,また作問の参考にしたい大学教員,出題ミスや難問の見分け方を学びたい受験生などです。1巻を出版する前はどちらかというと世界史が好きな人全般が読む本なのかなという思っていましたが,巻を重ねるごとに高校教員や大学教員からの関心が高まっている印象があります。また,受験生から「普通に早慶対策で役に立つ」という声もよく聞きます。本書が役に立ってしまうような出題がまだまだ多いという意味では残念な話ですが。


Q.本巻の収録範囲の印象は?
A.3巻と同じになりますが,日本語が崩壊している系統の悪問や,意味が二通りに解釈できるために解答が出せない系統の悪問,歴史の問題とは見なしがたい奇問は引き続き減っていて,もうほとんど見かけない印象です。一方で,選抜性が機能していない超難問や,作問者の知識不足に起因する出題ミスは減っていません。また,共通テストの傾向に引きずられているのか,受験生の思考力を試そうとしてかえって事故になってしまった問題も増えている気がします。


Q.今回はどんな問題が収録されてるの? 見どころは?
A.帯に入れた例題は以下のような様子です。東京都市大の『ジョジョ』の問題は,私の当初の印象よりも校正者たちや編集の濱崎さんからは圧倒的に不評で,考えが変わりました。実際にどういう問題だったのか,なぜ不評だったのかは本編をお読みいただければと思います。

・大半が設問と関係ない『ジョジョの奇妙な冒険』のリード文(東京都市大 2022年)※番外編
・引用文献を大幅改変、変換ミス、挙句の果てに著者名を誤植(名古屋大 2023年)
・中学生でも知ってる「勘合貿易開始時に足利義満は将軍」ミス(早稲田大 2023年)
・範囲外から出題して盛大に誤植するというクソダサ行為(慶應義塾大 2021年)
・大河ドラマに掛けて「麒麟」の絵画を出すも問題が崩壊(大阪大 2021年)
・センシティヴな問題で「歴史にif」を答えさせる(産業能率大  2021年)※番外編

その他ですと,以下のような問題が見どころかと思います。

・真面目に解くとタイムパラドックスが生じる論述問題(京都府立大 2023年)
・今時ナポレオン3世無能説が前提になっている論述問題(神戸市外大 2023年)
・スパルタの鉄銭を金属貨幣と見なすかどうかで正解が変わる問題(中央大 2022年)
・グラックス兄弟のファーストネームを問う問題(明治大 2022年)
・2課程前,10年以上前の教科書・用語集を参照している疑惑(法政大 2021年)

私的にはスパルタの鉄銭を金属貨幣と見なすかどうかで正解が変わる2022年の中央大・法学部の問題は,受験世界史の歴史に残る悪問だと思っています。詳細はぜひともお読みください。また,恒例の東京女子大や神戸学院大等の面白いと思った問題は番外編として多数収録しています。問題以外ではコラム4の「2021 年度大学入学共通テスト騒動の記録」とコラム5「新科目『歴史総合』が誕生するまで」はアーカイブとして長く読まれてほしいという願いを込めて書きました。


Q.今回の書き下ろしの割合は?
A.半分くらいが書き下ろしです。ブログ版を熟読された方でも楽しめると思います。


Q.Amazon等で表示される書影と,実際の表紙が違わない?
A.これに気づいた人は非常に鋭い。上智大の収録が無いのに表紙に「上智」と入っているのはおかしいだろうということで,「国立」に差し替えているのですが,通販サイトの書影では「上智」のままになっています。詳しいことは聞いていませんが,パブリブ側のちょっとした手違いとのことです。すみません。


Q.収録されている大学のバリエーションが減ってない?
A.パブリブの宣伝ページにも書かれていますが,一般入試で高校の履修科目からの出題をやめて,「総合問題」や「小論文」の出題に変えている大学が増えています。上智大・青山学院大が典型例で,早稲田大もこれに続こうとしています。その影響で世界史で受験できる入試日程が難関私大を中心に減少傾向です。一般入試の合格者枠を減らして推薦入試を増やすのは世の中の流れから言って仕方がないかなと思っていましたが,一般入試の総合問題化は予想していませんでした。4巻に上智大や青学の入試問題がほとんど載っていないのはこのような理由です。
 一応,私は世界史の内容が含まれていそうな総合問題は解いて確認しています(たとえば上智大の神学部や青学の国際政治経済学部)。何かまとまった成果になれば,ブログか5巻かで発表するかもしれません。


Q.間に日本史版とか現代文版とか挟めなかったの?
A.必死に執筆者募集中です。我こそはという方,私かパブリブにご連絡ください。自分で言うのもなんですが,社会的に意義がある出版だと思っていますし,日本語が崩壊している系統の悪問・出題ミスが減っただけでも世界史はやったかいがあると思って私は4巻までがんばっています。


Q.そもそも現行の大学入試制度自体が間違ってるんだから,その中で悪問を糾弾しても意味がないのでは?
A.序文で言及していますが,本書ではその点を問題としていません。あくまで現行の大学入試の世界史において,適正か否かを問題としています。


Q.難関大学は選抜性のために,意図的に難問を出しているのでは? それを批判してもしょうがないのでは?
A.いいえ。通常の受験勉強で触れる範囲からの出題だけで十分に選抜性があります。国公立大でも私大でも,本書にほとんど収録されることがない難関大学の入試日程はあるのです。旧帝大や早慶レベルだと範囲外からの出題は必要悪であるという言説は根拠がありません。加えて,本書が糾弾しているような難易度の問題は極めて少数の受験生しか解答できないため,入試問題の本旨である選抜性が機能していないものが多いです。選抜性を捨ててまで杜撰な,あるいは趣味に走った出題をすることを批判しています。
 また,本書が難問を糾弾している意図の一つには,難問は出題ミスや悪問を生みやすい傾向があるためです。受験生が通常の受験勉強で触れないようなマイナーな歴史事象は,作問者である大学教員も詳しくなく,非常にミスが起きやすいです。その実証例は本シリーズ4冊に多く収録されています。この点にも注目してお読みいただければ幸いです。


Q.1巻がずっと絶版なんだけど?
A.1巻と2巻以降で出版社が違い,1巻を出した社会評論社とは縁が切れているので,再販が極めて困難な状況です。また収録している入試問題がすでにかなり古くなっており,出版社を今のパブリブに変えて再販したとして,本当に売れるのか私も編集の濱崎さんも疑問視しています。電子書籍化もパブリブ側の都合で難しいです。電子書籍化以外の解決方法が無いかは協議中です。
 なお,2巻もパブリブの倉庫からはほぼ払底している状況です。パブリブ出版物ではあるものの,ほぼ1巻と同じ状況だと思ってもらってかまいません。


Q.今回も正誤表を作るの?
A.作ります。この記事に正誤表を作る&重版がかかった際に直す予定ですので,見つけたら教えていただけると幸いです。よろしくお願いします。

・pp.124,126 31番は「2つめ」,32番は「3つめ」。
・p.164 左欄1行目の「入試問題大正解」は「入試問題正解」の誤り。
・p.416 著者略歴の1行目「受験受験世界史研究家」はもちろん「受験世界史研究家」の誤り。


この記事へのコメント
ご苦労さまです。改めまして、『絶対に解けない受験世界史4』刊行おめでとうございます。まぁ、この企画の未来に沿ってみれば「出てしまった」と言ったほうがいいのですかねw

2022年の東京都市大学の例の問題は東進のデータベースで見れるということもあり、私も知っていましたが個人的見解では「ジョジョが好きなことはわかったw」程度でしたね。わざわざ主人公にまつわる系図まで作るという意欲もありましたからw 24年度はまだわかりませんが、23年度ではここで『名探偵コナン』内の出題でしたね。まだ読んでいないのですが、載っているのですかね?

歴史総合、これが導入された2022年に高校生になったうちのいとこ曰く、「ほぼ世界史だった」とのことでした。現状どのような感じなのでしょうかね。この科目で教育実習に行くので戦々恐々としてます。
Posted by 歴史科目の入試問題が好きな学生 at 2024年04月07日 21:18
ありがとうございます!
「出てしまった」という感じですね。作問が人為である以上,世の中から出題ミスがなくなることは無いでしょうが,出版間隔が長くなるに超したことはないですね。

2023年の東京都市大の『名探偵コナン』は,昨年の反省があったのか無かったのかは不明ですが,『ジョジョ』に比べれば随分とおとなしくなっていて,問題と無関係な部分が減っていました。なので〔番外編〕として収録するかどうか微妙なラインですね。2024年の問題は私も未入手です。東進かXamで確認することになると思います。

歴史総合は世界史:日本史が7:3,より厳密に言えば世界史:重なる部分:日本史が2:1:1くらいの印象です。しかも日本史部分は高校日本史というよりも中学の日本史の復習に近いのかなと思います。「ほぼ世界史だった」という感想もわかる感じです。
やや話がずれますが,歴史総合12冊のうち山川の橙色表紙のものは例外的に内容が異常に細かく,難関大学の餌になりそうで非常に怖いです。
Posted by DG-Law at 2024年04月08日 11:41
2022年の31番が(2つめ)32番が(3つめ)になってないのは意図的でしょうか。
Posted by 名無し at 2024年04月23日 21:21
すみません,単なる記入ミスです。解説にある通り,30番は後から挿入したものだったので,カウントがずれたのに気づかなかったようです。後で訂正表に入れておきます。ありがとうございます。
Posted by DG-Law at 2024年04月23日 23:01
細かいことですが、2021年74番は当てはまるものがない場合eかあるので消去法は使えないと思います。
Posted by 名無し at 2024年04月26日 23:41
確かにそうですね。この問題,結局コスイギンをピンポイントで知らないと正解しようがないです。
Posted by DG-Law at 2024年04月30日 23:00
164ページですが、「入試問題大正解」になってますよ。
Posted by ななし at 2024年05月11日 17:03
ご指摘ありがとうございます。確認しました。こういう誤字はショックです。
訂正表に載せておきます。
Posted by DG-Law at 2024年05月12日 11:19