2024年07月07日
登山記録28(韓国岳,開聞岳)
No.73 韓国岳(霧島連山)
〔標高〕1700m
〔標高差〕約510m(えびの高原から)
〔百名山認定〕百名山
〔ヤマノススメ〕ー
〔県のグレーディング〕ー
〔私的な難易度と感想〕2A+
霧島連山の主峰・最高峰。ただし,深田久弥は霧島連山の主峰は東端の高千穂峰としている。韓国岳は名前に反して朝鮮半島までは見渡せない。名前の由来が韓国ではないという説もある。霧島連山は非常に山域が広い上に,そこら中で火山の噴気が上がっていて通行止めになっている道が多いため,韓国岳と高千穂峰を縦走するのは不可能である。おとなしくばらばらに登った方がよい。
韓国岳はえびの高原の道の駅または大浪池から登るのが一般的で,私もえびの高原から登った。よく整備されていて登りやすい……というよりも火山ガスの噴気口がそこら中にあるので,登山道から少しでも離れると命に危険があるため,逆説的に登山道がしっかりしているということだと思われる。特にえびの高原から登り始めると硫黄山がすぐに見えるようになるが,名前の通りの山肌の色と音と噴煙の上がり方は尋常ではなく,外から来た観光客に九州の火山とはこういうものだという先制攻撃を見舞ってくれる。硫黄山を横目に高度を重ねていくと,緯度の低さ・標高の低さの割にすぐに森林限界が訪れて眺望が開け,大浪池の向こうに錦江湾に浮かぶ桜島が噴煙を上げている様子が見える。鹿児島はあちらこちらに火山がある。山頂には大きな火口があって圧倒される。また,山頂からはまだ大規模に噴煙を上げる新燃岳があり,これまた迫力があって良い。ついでに登ってきた道を振り返ると,霧島温泉郷から立ち上る湯気も見え,下山後の楽しみに胸を躍らせる。こうした火山の迫力ある風景,特に新燃岳と桜島への眺望の点で,私的に韓国岳はかなり気に入った山になった。これだけの岩がゴツゴツとした火山でありながら,よく整備されていて難易度がAの範囲に収まっている点も高く評価する(実際にこの時に登山初心者を連れて行ったがちゃんと登頂できていた)。高千穂峰には登りそびれているので,霧島連山はいつか再訪したい。
最後にどうでもいいことを書いておくと,私が韓国岳に登ったのは2022年12月初頭のことで,ちょうど東京を発つ日にサッカーワールドカップ2022カタール大会のグループリーグ最終戦,スペイン戦が行われていた。そう,三笘の1ミリのあの試合である。時差の関係で午前5時頃に試合があり,終わってすぐに羽田空港に向かった。日本のグループリーグ首位通過の熱狂冷めやらぬままに登ったのを覚えている。
No.74 開聞岳
〔標高〕924m
〔標高差〕約790m
〔百名山認定〕百名山
〔ヤマノススメ〕ー
〔県のグレーディング〕ー
〔私的な難易度と感想〕2A+
日中戦争に出征していた深田久弥が1946年に上海から復員した時,船から最初に見えた日本の風景が開聞岳だったそうだ。それは印象に残ったことだろう。実際に開聞岳が特別なのはその立地にあり,周囲を海に囲まれている。しかも単独峰で,極めて形が美しい。これは二度の噴火によるもので,噴火ごとに吹き出した溶岩の種類が違ったために整った形になったということが麓のビジターセンターで説明されていた。『日本三代実録』では最初の噴火後,二度目の噴火前に山容が記録されたため,現在とは似ても似つかない,巨大なお鉢状の山であったという記述になっている。
登山道はらせん状になっていて,開聞岳をぐるりとまわるように登っていく。樹林帯が長く続くが,植生が霧島連山と比べても明らかに異なり,亜熱帯じみているのが観察できて面白い。たまにある切れ目からははるか果てまで続く南シナ海を一望できる。山頂近くのみ少しだけ岩場があるが,難易度はトータルでA+に収まり,初心者を連れて行ってもさして問題がない。山頂は開けていて眺望があり,周囲の海や桜島の雄大な景色が楽しめる。
さて,下山後の楽しみといえば近傍の指宿温泉である。私が開聞岳に登ったのは韓国岳の翌日,つまり2022年12月初旬であるが,時を同じくして将棋の竜王戦第6局が指宿白水館で行われていたため(本局に勝って藤井竜王が防衛を決めた),指宿温泉の砂風呂があるホテルが満室,加えて公共浴場も改装中で砂風呂に入れないというまさかの展開に見舞われた。しかし,気分を切り替えて指宿元湯温泉(そう,指宿にも普通の温泉はある)に入ったところ,これが存外に良い温泉で満足できた。この指宿元湯温泉は浴槽がぬる湯とあつ湯に分かれていて,最初はぬる湯とあつ湯の温度があまり変わらなかったため,あつ湯に入った時に「あまり熱くないな」等と言ってしまったが最後,地元住民の若い衆のハートに火をつけてしまい,「そうですよね! こんなんじゃ満足できないですよね!」と言ってバルブをひねって加熱し始める展開。最終的に45度まで加熱し,御本人は満足げであったが,他の地元住民に「さすがに熱すぎる」と怒られが発生していた。私は42度くらいのところでしれっとぬる湯に逃げた。なお,藤井竜王はしっかり砂風呂を堪能していったようである。
〔標高〕1700m
〔標高差〕約510m(えびの高原から)
〔百名山認定〕百名山
〔ヤマノススメ〕ー
〔県のグレーディング〕ー
〔私的な難易度と感想〕2A+
霧島連山の主峰・最高峰。ただし,深田久弥は霧島連山の主峰は東端の高千穂峰としている。韓国岳は名前に反して朝鮮半島までは見渡せない。名前の由来が韓国ではないという説もある。霧島連山は非常に山域が広い上に,そこら中で火山の噴気が上がっていて通行止めになっている道が多いため,韓国岳と高千穂峰を縦走するのは不可能である。おとなしくばらばらに登った方がよい。
韓国岳はえびの高原の道の駅または大浪池から登るのが一般的で,私もえびの高原から登った。よく整備されていて登りやすい……というよりも火山ガスの噴気口がそこら中にあるので,登山道から少しでも離れると命に危険があるため,逆説的に登山道がしっかりしているということだと思われる。特にえびの高原から登り始めると硫黄山がすぐに見えるようになるが,名前の通りの山肌の色と音と噴煙の上がり方は尋常ではなく,外から来た観光客に九州の火山とはこういうものだという先制攻撃を見舞ってくれる。硫黄山を横目に高度を重ねていくと,緯度の低さ・標高の低さの割にすぐに森林限界が訪れて眺望が開け,大浪池の向こうに錦江湾に浮かぶ桜島が噴煙を上げている様子が見える。鹿児島はあちらこちらに火山がある。山頂には大きな火口があって圧倒される。また,山頂からはまだ大規模に噴煙を上げる新燃岳があり,これまた迫力があって良い。ついでに登ってきた道を振り返ると,霧島温泉郷から立ち上る湯気も見え,下山後の楽しみに胸を躍らせる。こうした火山の迫力ある風景,特に新燃岳と桜島への眺望の点で,私的に韓国岳はかなり気に入った山になった。これだけの岩がゴツゴツとした火山でありながら,よく整備されていて難易度がAの範囲に収まっている点も高く評価する(実際にこの時に登山初心者を連れて行ったがちゃんと登頂できていた)。高千穂峰には登りそびれているので,霧島連山はいつか再訪したい。
最後にどうでもいいことを書いておくと,私が韓国岳に登ったのは2022年12月初頭のことで,ちょうど東京を発つ日にサッカーワールドカップ2022カタール大会のグループリーグ最終戦,スペイン戦が行われていた。そう,三笘の1ミリのあの試合である。時差の関係で午前5時頃に試合があり,終わってすぐに羽田空港に向かった。日本のグループリーグ首位通過の熱狂冷めやらぬままに登ったのを覚えている。
九州は霧島山の最高峰、韓国まで見える気がしたけど気のせいだった韓国岳。さすが火の国、見渡す限り火口だらけ。登山道の近くにはジェットエンジンみたいな音を立てて噴煙を上げてるところもあるし(2枚め)、遠くには桜島もよく見えた(3枚目)。頂上からは燃えてる新燃岳がよく見える(4枚目)。 pic.twitter.com/8mZTkTq224
— しいかあ (@c_shiika) December 8, 2022
韓国岳(霧島山) / 稲田義智さんの活動データ | YAMAP / ヤマップ
No.74 開聞岳
〔標高〕924m
〔標高差〕約790m
〔百名山認定〕百名山
〔ヤマノススメ〕ー
〔県のグレーディング〕ー
〔私的な難易度と感想〕2A+
日中戦争に出征していた深田久弥が1946年に上海から復員した時,船から最初に見えた日本の風景が開聞岳だったそうだ。それは印象に残ったことだろう。実際に開聞岳が特別なのはその立地にあり,周囲を海に囲まれている。しかも単独峰で,極めて形が美しい。これは二度の噴火によるもので,噴火ごとに吹き出した溶岩の種類が違ったために整った形になったということが麓のビジターセンターで説明されていた。『日本三代実録』では最初の噴火後,二度目の噴火前に山容が記録されたため,現在とは似ても似つかない,巨大なお鉢状の山であったという記述になっている。
登山道はらせん状になっていて,開聞岳をぐるりとまわるように登っていく。樹林帯が長く続くが,植生が霧島連山と比べても明らかに異なり,亜熱帯じみているのが観察できて面白い。たまにある切れ目からははるか果てまで続く南シナ海を一望できる。山頂近くのみ少しだけ岩場があるが,難易度はトータルでA+に収まり,初心者を連れて行ってもさして問題がない。山頂は開けていて眺望があり,周囲の海や桜島の雄大な景色が楽しめる。
さて,下山後の楽しみといえば近傍の指宿温泉である。私が開聞岳に登ったのは韓国岳の翌日,つまり2022年12月初旬であるが,時を同じくして将棋の竜王戦第6局が指宿白水館で行われていたため(本局に勝って藤井竜王が防衛を決めた),指宿温泉の砂風呂があるホテルが満室,加えて公共浴場も改装中で砂風呂に入れないというまさかの展開に見舞われた。しかし,気分を切り替えて指宿元湯温泉(そう,指宿にも普通の温泉はある)に入ったところ,これが存外に良い温泉で満足できた。この指宿元湯温泉は浴槽がぬる湯とあつ湯に分かれていて,最初はぬる湯とあつ湯の温度があまり変わらなかったため,あつ湯に入った時に「あまり熱くないな」等と言ってしまったが最後,地元住民の若い衆のハートに火をつけてしまい,「そうですよね! こんなんじゃ満足できないですよね!」と言ってバルブをひねって加熱し始める展開。最終的に45度まで加熱し,御本人は満足げであったが,他の地元住民に「さすがに熱すぎる」と怒られが発生していた。私は42度くらいのところでしれっとぬる湯に逃げた。なお,藤井竜王はしっかり砂風呂を堪能していったようである。
開聞岳 / 稲田義智さんの開聞岳の活動データ | YAMAP / ヤマップ
Posted by dg_law at 07:00│Comments(0)