2024年12月22日

反省して長命寺も食べるようにしよう

・大山はなぜ「だいせん」? (NHK)
→ 元から神道にとって重要な山であったところ,神仏習合で仏教が入って修行の山となり,仏教用語に多い呉音で読まれるようになった(あるいは維持されて漢音に直らなかった)という説は説得力がある。大山に登った時に歴史は軽く調べたが,その実感にも合う。
→ 山をセンと読むのは山陰地方に多いという話は深田久弥も『日本百名山』の大山の章で書いていた。呉音であることよりもそっちのほうが気になるが,定説は無いようだ。記事中にある中では「説3「大山にあやかって、地元の山を“せん”と呼んだ」説」が一番説得力を感じた。説1は九州でも“せん”と読む山が多くないと矛盾が生じてしまうが,そういう話は無い。説2は日本中が山がちなのでなぜ山陰だけというところを説明しきれていない。
→ それはそれとして,大山は非常に良い山だったので,読者諸氏にも勧めたい。氷ノ山や蒜山も登りに行きたい。


・関東地方で桜餅を騙っている簀巻き野郎について(増田)
→ 落ちに笑った。文章が上手い。簡単に調べてみると確かにこの増田の言う通りらしく,知らなかった。こういうものは何でも西日本が発祥で歴史が古いというのがありがちなパターンなので,関東の方が古いというのは珍しく思える。私も道明寺の方が古そうという先入観を持っていたので反省しよう。
→ でもまあ道明寺餅は道明寺粉で作られていることに重点が置かれているので,道明寺粉の歴史は桜餅よりも古いから,関西側にはそこで勝っているということでバランス(?)をとってほしい。
→ 単純にお菓子の味だけで言えば,私は道明寺の方が好きだ。幼少期に育ったのが富山県と愛知県民なのでそちらの方が馴染み深いというのもあるが,根本的に道明寺粉が好きなので。それはそれとして,最近は東京でも道明寺が売っていて関東風(長命寺)があまり売っていないような……


・写真を撮るとき「ピースサイン」するの、なんでなん?(NHK)
→ 永久保存版の記事では。私もチャーチルのVサインからベトナム反戦あたりまでの経緯は知っていたが,その先は知らなかったので新鮮だった。井上順さんのコニカの広告,あまりにも良い笑顔で印象深い。井上順さんがアメリカでピースするように求められたことを考えると,1972年頃のアメリカでもすでに政治色がやや薄まっていそうである。そういう意味ではむしろアメリカで廃れてしまった方が不思議かもしれない。
→ なお,異説としては1972年の札幌五輪に出場したアメリカのフィギュアスケート選手ジャネット・リンの影響によるものという説もあり,ジャネット・リンが平和活動家であったので来日中によくピースサインをしていたためとされる。これはこれでそれっぽく,時期も同じなので両方あってアメリカの(政治色の薄い)流行と半ば誤解されて定着していったのかもしれない。


「ワイ、戦国武将・長宗我部元親(ちょうそかべもとちか)の末裔説」を本気で検証してみた。佐賀の『はじまりの名護屋城。』をきっかけに遠い先祖(?)へ思いを馳せる(電ファミニコゲーマー)
→ 非常に面白かった。多方面から伝わっている伝承がぴったり当てはまっていくので,実証史学としての確実性を横に置いておけば真実性を感じる。特に鐙という物が伝承しているのは素晴らしい。ここまでやったのであれば,関係する寺院の蔵をひっくり返して調べれば歴史家が採用するレベルの証拠になりうる一次史料が出てきそうなものではあるので,佐賀県かコーエーがもう少し継続してスポンサーになってみてほしい。