2025年12月31日
2025年の視聴アニメの感想
去年の。全般的にネタバレは回避していない。秋アニメを除くと非常に見所が多かった。
<冬>
『薬屋のひとりごと』2期
ねこクラゲ漫画版を追い抜いていったので驚いた。ギミックや伏線の張り方は1期ほどの爽快感はなかったが,まあ仕方がないか。原作を追っていないので,壬氏が正体を明かしたこの先どうなるのかはけっこう気になっていて,アニメの続きが来るなら嬉しい。あと,薬屋世界は明を基盤としつつ様々な王朝の要素を混ぜたファンタジー中華であるが,あっさり銃が出てきて明らしさが増した感じはした。1期まではもうちょっと唐っぽさも強かった印象。
『シャングリラ・フロンティア』2期(2024秋からの継続)
クオリティには全く文句がないと前置きした上で書くと,途中から「これどこまで進むんだ?」と不安になり,本当にとんでもないところでぶった切った。作品同様,アニメの進行も自由で豪快である。それでも視聴者がついてくるという自信の現れで,実際そうなのだろうが,アニメしか見ていない人には辛い状況ではあろう。それで原作または漫画版にうっすら誘導しているということなのだろうか。まあ早々に3期が来るのだろう。
『空色ユーティリティ』
ゆるふわゴルフアニメ。CGDCTとして求められているものが提供された。こういうのでいいんだよこういうので。ガチでやってもいいし楽しくやってもいい,ラウンドを友達と回ってもいいしソロで回ってもいいという趣味への接し方の自由を謳うところは『ゆるキャン△』と同じ美点があり,ゴルフウェアやキャディにも焦点を当てて,1話ごとのテーマの切り分けが上手く,多角的にゴルフの魅力を伝える作品に仕上がっていたと思う。
『花は咲く,修羅のごとく』
『ユーフォ』と同じ原作者なら見るかと見始めて完走したものの,求めているものとはちょっと違った感じ。花奈がエンジョイ勢からガチ勢に変身する過程がよくわからず,作品に入れなかった。割と唐突だったように思われ,それで説得されるの? と私の感情が迷子になってしまった。
<春>
『薬屋のひとりごと』2期(冬から継続)
前期に同じ。
『アポカリプスホテル』
2025年面白かったアニメ1位。ポストアポカリプスものにして,客が引き起こす事件で話が回り人情が描かれるホテルもの,しかも1話ごとに話の雰囲気が全く違うという大冒険で,よく最終話まで話がつながったものだ。毎週とんでもない展開に驚き,くだらないギャグにケタケタと笑って,最後には感動させられる感じになるという,エンターテイメントが詰まった作品だった。感動させようとする振りをして実際には笑わせにくるのが上手すぎる。しかも油断した頃に本当にポストアポカリプスであることを思い出させて本当に感動させる回を持ってくるのもすごい。細かいところでは,オープニング曲にaikoを持ってきて不協和音による不穏な雰囲気を漂わせ,視聴者を不安にさせたのもすばらしいフックだった。8話で突然ロボバトルが始まってジークアクスよりもガンダムしてたという偶然に恵まれたのも傑作の証かもしれない。神回ぞろいながら一つだけ取り上げるなら,最もカオス極まり登場人物と視聴者の感情が迷子になった9話を挙げる。故郷を失って新たな故郷を手に入れた元難民家族が,持ち込んだ風習と現地の風習を合体させた冠婚葬祭を経て土着を完成させた。それも滅亡した文明の風習を復活させてとなると,なおさら感慨深い。本作の難民家族の物語としての側面がよく出た回だったと言えよう。
『YAIBA』
2025年面白かったアニメ3位。私は『コナン』を読んでいないのに『YAIBA』は読んでいた不思議な青山剛昌の摂取の仕方をしているが,「令和に『YAIBA』は無理があるのでは」と正直思っていた。このアニメ制作者陣営に全力で謝りたい。美麗な作画と派手に盛られたバトルシーンに目が奪われがちだが,本作の最大の美点はストーリーラインの整理である。原作でちょっと無理があった展開やダレてしまった展開は,思い切って別の展開にしたりばっさり省略したりすることで自然でスムーズな展開に変わっており,しかもそれが原作の雰囲気を壊していない。これほど美しいストーリーラインのリメイクは見たことがない。このような改変は並大抵の原作読み込みでできるものではなく,これにかかわったスタッフたちの異常なまでの熱量を感じた。しかも,そうした欠点を補うための改変のみならず,時系列を入れ替えてまで撫子を早期に登場させてレギュラーメンバー入りさせるという,思いも寄らない改変があって,原作からのファンの度肝を抜いた。原作の彼女は短期で出番を終わらせるには惜しいキャラであったので,こうして再利用されるのなら大歓迎である。ほぼ負けヒロイン化も確定しているが……唯一,主人公の刃の行動の倫理観はちょっとアップデートしきれていない部分があるものの,これ以上は刃の性格が変わってしまうので限界だったのだろう。逆に言って欠点はそこくらいしか見当たらない,ほぼ完璧な良改変である。今後の期待が大きい。
『機動戦士ガンダムジークアクス』
2025年に面白かったアニメ4位。毎週お祭り騒ぎで見るアニメとして完璧だった。とにかく話題になって人が集まることで生まれるメリットというものはあり,そこで生まれる楽しさもまた作品の魅力だろう。先の見えない展開,既存の宇宙世紀作品とのつながりの考察で視聴者は右往左往し,無数の二次創作がインターネットにあふれた日々はかけがえがなく,これだけ皆でわいわい盛り上がったのは少なくとも同じガンダムの『水星の魔女』以来,ひょっとしたら『まどマギ』以来かもしれない。そんな巨大な物語を動かしていったのは,別の世界線のことなんか全く知らないのはもちろん,大人たちの陰謀なんてものは邪魔でしかないと言わんばかりに世界を駆け抜けた若者たちだった。この清涼感が無かったら本作はあまりにも暗かったのではないか。マチュに不殺を貫かせ,「ニュータイプを人殺しの道具としない未来」を描いて新しいガンダム作品像を提示した点も評価したい。最終的にいろいろぶん投げて終わった感じもあるが,Twitterで流れてきたとある方の「ララァの笑顔を見られただけで古参ガノタは満足した」というコメントに同意して本作の感想を締めたい。
『mono』
2025年面白かったアニメ5位。アニメ『ゆるキャン△』の1・2期が持っていた雰囲気がここに復活した。上手く言語化できないが,『ゆるキャン△』3期との違いはどこにあるのか。加えて,私はキャンプもカメラも趣味ではないのでそこに思い入れがないが,『ゆるキャン△』の裏話集として山梨(や近隣県の)観光に特化している『mono』の方が面白く読めていて,登場人物も『mono』の方が好みである(特に敷島桜子はぶっ刺さってしまった)。というわけでかき氷回の聖地巡礼をしたり,乗鞍岳に登ったりするくらいに気に入った作品になった。
『片田舎のおっさん,剣聖になる』
漫画版との比較は野暮,原作のアニメ化として見るならぼちぼちよくできていた……という評価でお茶を濁させてほしい。いやしかし,もうちょっと殺陣はなんとかできたでしょう。本作は原作のアニメ化であって漫画版のアニメ化ではないことや,漫画の方が殺陣は描きやすいという点を差し引いても流石に見劣りのする出来で,そこは素直に残念である。
『Summer Pockets』
アニメの出来がどうのではなく,あの「終わらない夏休み」感はノベルゲームという媒体ならではだったんだな,ということがわかったのが収穫。アニメであの雰囲気を出すのは非常に難しいのかもしれない。原作の感想に書いた通りで,サマポケのシナリオ本筋は正直鍵作品として手垢がついてしまっているネタが多く,そこまで強くない。一方で,終わらない夏休みを離島という閉じた環境で目一杯楽しむという雰囲気は十分に楽しめる作品で,言ってしまえば日常パートが肝であった。その日常パートをだらだらと流すことが許されないアニメ作品ではまあ,さっさと本筋に入るしかないが,それでは魅力半減である。案の定,ニコニコ動画のコメントでは各キャラの攻略シナリオにおいて散々「また鍵はこういうネタか」と茶化されていた。また,これは制作上のミスだと思うが,推奨攻略順通りではない鴎→紬→蒼→しろはの順番であったため,重要な情報が開示される蒼ルートが後回しにされた影響で話を上手く飲み込めない視聴者が多数いたようである。なぜこの順番にしたのか理解できない。さらに不幸なことに,今作のKEYの不思議世界パートはアニメでは描きにくかったので,最終回付近ほど評判がよろしくなく,私自身もこれだとわかりにくいだろうなと思ってしまった。せめて『reflection blue』で追加されたキャラのルートまで描くことにして,静久や美希のシナリオを足すなり卓球回を作るなりして日常パートを引き伸ばすべきだったのかもしれない。
<夏>
『YAIBA』(春からの継続)
『Summer Pockets』(春からの継続)
上に書いた通り。
『銀河特急 ミルキー☆サブウェイ』
2025年に面白かったアニメ2位。後追いで見始めたので,最初から追っておかなかったことを後悔した。毎話3分に面白さが詰まっていた。3分という制約のためかえって話の展開がスピーディーで,くだらない話をしていてストーリーが前に進んでいないようでいて実際にはちゃんと起承転結がつき,後の伏線も張られているという。話の展開の速さに合わせて登場人物たちの動きもよく,話も動きも詰め込めるなら詰め込んで情報量が多い方が楽しいということを体現したアニメであった。3分なので(しかもYouTubeにアップロードされているので)何度も視聴しやすく,視聴者も細かいところに気づきやすいというのも,話題にしてもらって口コミで広まる形の作品として適していたのだろう。それにしても本作が面白いことにすぐに気づいて広める側になったアーリーアダプターたちの嗅覚は鋭い。ちゃんとこういうのを見つけてくる人は偉い。
『瑠璃の宝石』
2025年に面白かったアニメ6位。今年最大のダークホース。CGDCTの王道を行く作品であるが,メインカップルが完全に師弟で,かつ師匠側が大学院生という設定はちょっと珍しいか。あれだけ楽しそうに鉱物学・地質学の紹介をしてくれればこちらも楽しい。アニオリ回も良かったし,YouTubeでやっていた補足番組も良かった。原作も売れただろうし(私も買った),鉱石掘りを趣味とする人も増えるのではないか。
『着せ恋』2期
安定の面白さ。演出が派手になりすぎたのでは,という世評もTwitterで見かけるが,個人的には特に気にならなかった。完結までアニメ化してほしい。
『よふかしのうた』2期
だらだらと流し見してしまったので,特に感想はない。
<秋>
なんと1本も完走していない。切ったものについて,切った理由を書いておく。
『SPY×FAMILY』3期
1期の感想に「個人的な感覚としてはちょっと割り切れないレベルでリアリティラインが混乱している印象を受けてしまい,世間的な人気に比べると楽しめていないかもしれない」と書いている苦手なところが2期で悪化し,改善の見込がなさそう(というよりも世間的には欠点と思われてなさそう)なのでnot for meな人気作の箱に入れた。原作も読んでいないが,メインストーリーがどういうオチになるのかは気になるので,原作が完結に近づいたらそこは気にするかもしれない。
『SI-VIS』
アニメ脚本の丸戸にありがちで,世界観の説明をすっ飛ばして妙に格好つけようとするが,地に足がついていないので滑っている。『Engage Kiss』の時でも全く同じで,こちらは世間的にもはっきりと欠点と考えられているポイントだろう。けっこう宣伝の熱の入ったIPだったと思われるので,状況を全然知らないのだが,商業的にもコケているなら今後がやや心配である。丸戸は欠点の解消に努力できる脚本家だと思うので,次のチャンスも与えてあげてほしいと思う。ただ,SFはやめてベッタベタな恋愛物の方が失敗しないと思うな……
<冬>
『薬屋のひとりごと』2期
ねこクラゲ漫画版を追い抜いていったので驚いた。ギミックや伏線の張り方は1期ほどの爽快感はなかったが,まあ仕方がないか。原作を追っていないので,壬氏が正体を明かしたこの先どうなるのかはけっこう気になっていて,アニメの続きが来るなら嬉しい。あと,薬屋世界は明を基盤としつつ様々な王朝の要素を混ぜたファンタジー中華であるが,あっさり銃が出てきて明らしさが増した感じはした。1期まではもうちょっと唐っぽさも強かった印象。
『シャングリラ・フロンティア』2期(2024秋からの継続)
クオリティには全く文句がないと前置きした上で書くと,途中から「これどこまで進むんだ?」と不安になり,本当にとんでもないところでぶった切った。作品同様,アニメの進行も自由で豪快である。それでも視聴者がついてくるという自信の現れで,実際そうなのだろうが,アニメしか見ていない人には辛い状況ではあろう。それで原作または漫画版にうっすら誘導しているということなのだろうか。まあ早々に3期が来るのだろう。
『空色ユーティリティ』
ゆるふわゴルフアニメ。CGDCTとして求められているものが提供された。こういうのでいいんだよこういうので。ガチでやってもいいし楽しくやってもいい,ラウンドを友達と回ってもいいしソロで回ってもいいという趣味への接し方の自由を謳うところは『ゆるキャン△』と同じ美点があり,ゴルフウェアやキャディにも焦点を当てて,1話ごとのテーマの切り分けが上手く,多角的にゴルフの魅力を伝える作品に仕上がっていたと思う。
『花は咲く,修羅のごとく』
『ユーフォ』と同じ原作者なら見るかと見始めて完走したものの,求めているものとはちょっと違った感じ。花奈がエンジョイ勢からガチ勢に変身する過程がよくわからず,作品に入れなかった。割と唐突だったように思われ,それで説得されるの? と私の感情が迷子になってしまった。
<春>
『薬屋のひとりごと』2期(冬から継続)
前期に同じ。
『アポカリプスホテル』
2025年面白かったアニメ1位。ポストアポカリプスものにして,客が引き起こす事件で話が回り人情が描かれるホテルもの,しかも1話ごとに話の雰囲気が全く違うという大冒険で,よく最終話まで話がつながったものだ。毎週とんでもない展開に驚き,くだらないギャグにケタケタと笑って,最後には感動させられる感じになるという,エンターテイメントが詰まった作品だった。感動させようとする振りをして実際には笑わせにくるのが上手すぎる。しかも油断した頃に本当にポストアポカリプスであることを思い出させて本当に感動させる回を持ってくるのもすごい。細かいところでは,オープニング曲にaikoを持ってきて不協和音による不穏な雰囲気を漂わせ,視聴者を不安にさせたのもすばらしいフックだった。8話で突然ロボバトルが始まってジークアクスよりもガンダムしてたという偶然に恵まれたのも傑作の証かもしれない。神回ぞろいながら一つだけ取り上げるなら,最もカオス極まり登場人物と視聴者の感情が迷子になった9話を挙げる。故郷を失って新たな故郷を手に入れた元難民家族が,持ち込んだ風習と現地の風習を合体させた冠婚葬祭を経て土着を完成させた。それも滅亡した文明の風習を復活させてとなると,なおさら感慨深い。本作の難民家族の物語としての側面がよく出た回だったと言えよう。
『YAIBA』
2025年面白かったアニメ3位。私は『コナン』を読んでいないのに『YAIBA』は読んでいた不思議な青山剛昌の摂取の仕方をしているが,「令和に『YAIBA』は無理があるのでは」と正直思っていた。このアニメ制作者陣営に全力で謝りたい。美麗な作画と派手に盛られたバトルシーンに目が奪われがちだが,本作の最大の美点はストーリーラインの整理である。原作でちょっと無理があった展開やダレてしまった展開は,思い切って別の展開にしたりばっさり省略したりすることで自然でスムーズな展開に変わっており,しかもそれが原作の雰囲気を壊していない。これほど美しいストーリーラインのリメイクは見たことがない。このような改変は並大抵の原作読み込みでできるものではなく,これにかかわったスタッフたちの異常なまでの熱量を感じた。しかも,そうした欠点を補うための改変のみならず,時系列を入れ替えてまで撫子を早期に登場させてレギュラーメンバー入りさせるという,思いも寄らない改変があって,原作からのファンの度肝を抜いた。原作の彼女は短期で出番を終わらせるには惜しいキャラであったので,こうして再利用されるのなら大歓迎である。
『機動戦士ガンダムジークアクス』
2025年に面白かったアニメ4位。毎週お祭り騒ぎで見るアニメとして完璧だった。とにかく話題になって人が集まることで生まれるメリットというものはあり,そこで生まれる楽しさもまた作品の魅力だろう。先の見えない展開,既存の宇宙世紀作品とのつながりの考察で視聴者は右往左往し,無数の二次創作がインターネットにあふれた日々はかけがえがなく,これだけ皆でわいわい盛り上がったのは少なくとも同じガンダムの『水星の魔女』以来,ひょっとしたら『まどマギ』以来かもしれない。そんな巨大な物語を動かしていったのは,別の世界線のことなんか全く知らないのはもちろん,大人たちの陰謀なんてものは邪魔でしかないと言わんばかりに世界を駆け抜けた若者たちだった。この清涼感が無かったら本作はあまりにも暗かったのではないか。マチュに不殺を貫かせ,「ニュータイプを人殺しの道具としない未来」を描いて新しいガンダム作品像を提示した点も評価したい。最終的にいろいろぶん投げて終わった感じもあるが,Twitterで流れてきたとある方の「ララァの笑顔を見られただけで古参ガノタは満足した」というコメントに同意して本作の感想を締めたい。
『mono』
2025年面白かったアニメ5位。アニメ『ゆるキャン△』の1・2期が持っていた雰囲気がここに復活した。上手く言語化できないが,『ゆるキャン△』3期との違いはどこにあるのか。加えて,私はキャンプもカメラも趣味ではないのでそこに思い入れがないが,『ゆるキャン△』の裏話集として山梨(や近隣県の)観光に特化している『mono』の方が面白く読めていて,登場人物も『mono』の方が好みである(特に敷島桜子はぶっ刺さってしまった)。というわけでかき氷回の聖地巡礼をしたり,乗鞍岳に登ったりするくらいに気に入った作品になった。
『片田舎のおっさん,剣聖になる』
漫画版との比較は野暮,原作のアニメ化として見るならぼちぼちよくできていた……という評価でお茶を濁させてほしい。いやしかし,もうちょっと殺陣はなんとかできたでしょう。本作は原作のアニメ化であって漫画版のアニメ化ではないことや,漫画の方が殺陣は描きやすいという点を差し引いても流石に見劣りのする出来で,そこは素直に残念である。
『Summer Pockets』
アニメの出来がどうのではなく,あの「終わらない夏休み」感はノベルゲームという媒体ならではだったんだな,ということがわかったのが収穫。アニメであの雰囲気を出すのは非常に難しいのかもしれない。原作の感想に書いた通りで,サマポケのシナリオ本筋は正直鍵作品として手垢がついてしまっているネタが多く,そこまで強くない。一方で,終わらない夏休みを離島という閉じた環境で目一杯楽しむという雰囲気は十分に楽しめる作品で,言ってしまえば日常パートが肝であった。その日常パートをだらだらと流すことが許されないアニメ作品ではまあ,さっさと本筋に入るしかないが,それでは魅力半減である。案の定,ニコニコ動画のコメントでは各キャラの攻略シナリオにおいて散々「また鍵はこういうネタか」と茶化されていた。また,これは制作上のミスだと思うが,推奨攻略順通りではない鴎→紬→蒼→しろはの順番であったため,重要な情報が開示される蒼ルートが後回しにされた影響で話を上手く飲み込めない視聴者が多数いたようである。なぜこの順番にしたのか理解できない。さらに不幸なことに,今作のKEYの不思議世界パートはアニメでは描きにくかったので,最終回付近ほど評判がよろしくなく,私自身もこれだとわかりにくいだろうなと思ってしまった。せめて『reflection blue』で追加されたキャラのルートまで描くことにして,静久や美希のシナリオを足すなり卓球回を作るなりして日常パートを引き伸ばすべきだったのかもしれない。
<夏>
『YAIBA』(春からの継続)
『Summer Pockets』(春からの継続)
上に書いた通り。
『銀河特急 ミルキー☆サブウェイ』
2025年に面白かったアニメ2位。後追いで見始めたので,最初から追っておかなかったことを後悔した。毎話3分に面白さが詰まっていた。3分という制約のためかえって話の展開がスピーディーで,くだらない話をしていてストーリーが前に進んでいないようでいて実際にはちゃんと起承転結がつき,後の伏線も張られているという。話の展開の速さに合わせて登場人物たちの動きもよく,話も動きも詰め込めるなら詰め込んで情報量が多い方が楽しいということを体現したアニメであった。3分なので(しかもYouTubeにアップロードされているので)何度も視聴しやすく,視聴者も細かいところに気づきやすいというのも,話題にしてもらって口コミで広まる形の作品として適していたのだろう。それにしても本作が面白いことにすぐに気づいて広める側になったアーリーアダプターたちの嗅覚は鋭い。ちゃんとこういうのを見つけてくる人は偉い。
『瑠璃の宝石』
2025年に面白かったアニメ6位。今年最大のダークホース。CGDCTの王道を行く作品であるが,メインカップルが完全に師弟で,かつ師匠側が大学院生という設定はちょっと珍しいか。あれだけ楽しそうに鉱物学・地質学の紹介をしてくれればこちらも楽しい。アニオリ回も良かったし,YouTubeでやっていた補足番組も良かった。原作も売れただろうし(私も買った),鉱石掘りを趣味とする人も増えるのではないか。
『着せ恋』2期
安定の面白さ。演出が派手になりすぎたのでは,という世評もTwitterで見かけるが,個人的には特に気にならなかった。完結までアニメ化してほしい。
『よふかしのうた』2期
だらだらと流し見してしまったので,特に感想はない。
<秋>
なんと1本も完走していない。切ったものについて,切った理由を書いておく。
『SPY×FAMILY』3期
1期の感想に「個人的な感覚としてはちょっと割り切れないレベルでリアリティラインが混乱している印象を受けてしまい,世間的な人気に比べると楽しめていないかもしれない」と書いている苦手なところが2期で悪化し,改善の見込がなさそう(というよりも世間的には欠点と思われてなさそう)なのでnot for meな人気作の箱に入れた。原作も読んでいないが,メインストーリーがどういうオチになるのかは気になるので,原作が完結に近づいたらそこは気にするかもしれない。
『SI-VIS』
アニメ脚本の丸戸にありがちで,世界観の説明をすっ飛ばして妙に格好つけようとするが,地に足がついていないので滑っている。『Engage Kiss』の時でも全く同じで,こちらは世間的にもはっきりと欠点と考えられているポイントだろう。けっこう宣伝の熱の入ったIPだったと思われるので,状況を全然知らないのだが,商業的にもコケているなら今後がやや心配である。丸戸は欠点の解消に努力できる脚本家だと思うので,次のチャンスも与えてあげてほしいと思う。ただ,SFはやめてベッタベタな恋愛物の方が失敗しないと思うな……
Posted by dg_law at 03:02│Comments(0)