2026年06月10日
このままいくと自分も末代だが,どうしたものか
・「推しを戒名に入れたい!」リアル住職に聞いてみたら、戒名が高い理由と本当の役割を教えてもらい、お寺さんとの“縁”の大切さに気づいた話【蝉丸Pインタビュー】(ニコニコニュースオリジナル)
→ やっぱり蝉丸Pは話が上手いな。するすると読めた。戒名の法則は(自分の血縁者が亡くなった際に間近で見たこともあり)なんとなく知っていたので知識の確認になってよかった。そしてシャリア・ブルに戒名がついてしまったw。
→ 良い戒名が金で買えるようになってしまったのは寺からの要求ではなく,明治中期〜昭和前期の庶民の富裕層が菩提寺とのつながりは切れているのに良い戒名を求めたからという話は,ここで蝉丸Pが語っているだけなので確証がないが,説得力はある。江戸時代にできた寺請制度に,明治時代に家父長制・「イエ」制度を乗せて,戦争で英霊という概念も生まれた結果,庶民には大分無理がある葬式と墓の管理が生まれてしまったという話も面白い。少子化が進めば当然無理に無理が重なっていく。平成・令和になってイエという観念もかなり薄まっていると思われ,葬式仏教もなくなっていくだろうか。最後に大金を積まずに良い戒名をつけてほしかったら普段から菩提寺とかかわりを持っておけ,そんなに濃くなくていいから,という話が出てくるが,現代だとそれも難しかろう。
・私立大学の入学金 入学辞退なら返還も検討を 文科省が求める(NHK)
→ キャンセル料あるいはキープ料として一定金額を徴収するのはわかるのだが,現行の私立の入学金は高すぎるから是正は必要だろう。とはいえ,レストランやホテルのキャンセル料と違って,大学側の事務的負担はそこまで重くないはずである。
→ これははてなブックマークだと文科省の指導を支持する意見が強かったが,Twitterでは意外とそうでもなく,普段はリベラルな意見寄りの大学人でも反対の声が見られたのでやや驚いた。その理由もまあわかるというか,確かに国が大学教育にお金を出さないのが根本的な原因であって,ここで大学と家庭の間で対立を起こすのは分割統治でしかない,と言われればそれはそうだ。しかしながら,根本的にキャンセル料としては高すぎるアコギな商売ではないかという倫理面で批判されているのだから,国の分割統治を責めたところで大して免罪されないだろう。同じように家庭に負担を分担してもらうにしても,もっと保護者なり本人なりが納得するやり方があるのではないか。もちろん抜け駆けを許さないように大学間で協定を作る必要はあり,こういうのは歯止めが効かないことが多いので,放っておけばおそらく元に戻っていくように思われる。
・前方後円墳の起源から見えてきたヤマト王権と朝鮮半島のつながり【新・古代史】(NHK出版デジタルマガジン)
→ 当該書は未読だが,この記事は面白かった。韓国南部から埴輪や前方後円墳が発見されているという。記事中にもある通り,高校日本史でもそう習う通り,前方後円墳は基本的にヤマト王権の広がりを示すものとして理解されている。また5〜6世紀頃の場合,文明の発展は朝鮮半島の方が進んでいたから,大概のものは半島から日本に伝わったと考えられている。その中で,韓国南部で発見されている前方後円墳はどうやら日本から半島に伝わったらしいことが推測されており,また「そのことが必ずしも倭国の勢力範囲の拡大を意味するわけではない」ようだ。確かに当時の九州北部と加羅や百済は密接な交流があったであろうから,様々な可能性があるだろう。今後の調査の進展に期待したい。
・「既に今川義元から、柔弱な公家かぶれというイメージが一掃されている」という話の補遺集/そこからイメージの変遷史について(- INVISIBLE Dojo. ーQUIET & COLORFUL PLACE- )
→ これは私の肌感覚にも合う受容史で,面白いテーマ。21世紀の日本人はなんだかんだで史実が広まるとそっちに寄せていく傾向はある気がする。『三国志演義』の奇抜すぎる部分は,正史『三国志』の記述を拾って是正して,日本独自の三国志を作っていっているのと同じ流れではないか。
→ この流れが続くなら,そのうち剣豪将軍ではない足利義輝とか,義理堅い松永久秀とかがドラマで描かれてもおかしくないだろう。
→ やっぱり蝉丸Pは話が上手いな。するすると読めた。戒名の法則は(自分の血縁者が亡くなった際に間近で見たこともあり)なんとなく知っていたので知識の確認になってよかった。そしてシャリア・ブルに戒名がついてしまったw。
→ 良い戒名が金で買えるようになってしまったのは寺からの要求ではなく,明治中期〜昭和前期の庶民の富裕層が菩提寺とのつながりは切れているのに良い戒名を求めたからという話は,ここで蝉丸Pが語っているだけなので確証がないが,説得力はある。江戸時代にできた寺請制度に,明治時代に家父長制・「イエ」制度を乗せて,戦争で英霊という概念も生まれた結果,庶民には大分無理がある葬式と墓の管理が生まれてしまったという話も面白い。少子化が進めば当然無理に無理が重なっていく。平成・令和になってイエという観念もかなり薄まっていると思われ,葬式仏教もなくなっていくだろうか。最後に大金を積まずに良い戒名をつけてほしかったら普段から菩提寺とかかわりを持っておけ,そんなに濃くなくていいから,という話が出てくるが,現代だとそれも難しかろう。
・私立大学の入学金 入学辞退なら返還も検討を 文科省が求める(NHK)
→ キャンセル料あるいはキープ料として一定金額を徴収するのはわかるのだが,現行の私立の入学金は高すぎるから是正は必要だろう。とはいえ,レストランやホテルのキャンセル料と違って,大学側の事務的負担はそこまで重くないはずである。
→ これははてなブックマークだと文科省の指導を支持する意見が強かったが,Twitterでは意外とそうでもなく,普段はリベラルな意見寄りの大学人でも反対の声が見られたのでやや驚いた。その理由もまあわかるというか,確かに国が大学教育にお金を出さないのが根本的な原因であって,ここで大学と家庭の間で対立を起こすのは分割統治でしかない,と言われればそれはそうだ。しかしながら,根本的にキャンセル料としては高すぎるアコギな商売ではないかという倫理面で批判されているのだから,国の分割統治を責めたところで大して免罪されないだろう。同じように家庭に負担を分担してもらうにしても,もっと保護者なり本人なりが納得するやり方があるのではないか。もちろん抜け駆けを許さないように大学間で協定を作る必要はあり,こういうのは歯止めが効かないことが多いので,放っておけばおそらく元に戻っていくように思われる。
・前方後円墳の起源から見えてきたヤマト王権と朝鮮半島のつながり【新・古代史】(NHK出版デジタルマガジン)
→ 当該書は未読だが,この記事は面白かった。韓国南部から埴輪や前方後円墳が発見されているという。記事中にもある通り,高校日本史でもそう習う通り,前方後円墳は基本的にヤマト王権の広がりを示すものとして理解されている。また5〜6世紀頃の場合,文明の発展は朝鮮半島の方が進んでいたから,大概のものは半島から日本に伝わったと考えられている。その中で,韓国南部で発見されている前方後円墳はどうやら日本から半島に伝わったらしいことが推測されており,また「そのことが必ずしも倭国の勢力範囲の拡大を意味するわけではない」ようだ。確かに当時の九州北部と加羅や百済は密接な交流があったであろうから,様々な可能性があるだろう。今後の調査の進展に期待したい。
・「既に今川義元から、柔弱な公家かぶれというイメージが一掃されている」という話の補遺集/そこからイメージの変遷史について(- INVISIBLE Dojo. ーQUIET & COLORFUL PLACE- )
→ これは私の肌感覚にも合う受容史で,面白いテーマ。21世紀の日本人はなんだかんだで史実が広まるとそっちに寄せていく傾向はある気がする。『三国志演義』の奇抜すぎる部分は,正史『三国志』の記述を拾って是正して,日本独自の三国志を作っていっているのと同じ流れではないか。
→ この流れが続くなら,そのうち剣豪将軍ではない足利義輝とか,義理堅い松永久秀とかがドラマで描かれてもおかしくないだろう。
Posted by dg_law at 12:00│Comments(3)
この記事へのコメント
>剣豪将軍ではない足利義輝とか,義理堅い松永久秀とか
すでに大河ドラマ「麒麟がくる」の足利義輝(演:向井理)は政争に翻弄される貴公子みたいな描き方でしたし、
今年の「豊臣兄弟」の松永久秀(演:竹中直人)も曲者という描き方は変わってませんが、
将軍暗殺は噂、東大寺大仏殿放火は敵方の三好三人衆の軍勢の仕業、旧主三好長慶への恩義は感じてる、などと旧来のステレオタイプの人物像から脱しつつある描写でしたよ
すでに大河ドラマ「麒麟がくる」の足利義輝(演:向井理)は政争に翻弄される貴公子みたいな描き方でしたし、
今年の「豊臣兄弟」の松永久秀(演:竹中直人)も曲者という描き方は変わってませんが、
将軍暗殺は噂、東大寺大仏殿放火は敵方の三好三人衆の軍勢の仕業、旧主三好長慶への恩義は感じてる、などと旧来のステレオタイプの人物像から脱しつつある描写でしたよ
Posted by N at 2026年06月11日 06:48
* 実際に今川義元がどの程度“公家かぶれ”で、それがどの程度他の大名から遊離していたのか分からないので何とも言えないのだが…
* 元ツイート群には、現代人の“公家かぶれ”に対するマイナスの感情が出すぎているように思う
* 「公家かぶれだけど乱世の英雄」「公家かぶれだけど柔弱ではなく、強い」は可能性としてはあり得るはず…
* 以前の時代劇制作者だってその辺は心得ていて、《徳川家康》の成田三樹夫、《武田信玄》の中村勘九郎は公家かぶれではあるが、柔弱・無能という扱いではなかった
(私の記憶があいまいだが、Wikipediaにもそれに近いことがかいてある)
* 《秀吉》の米倉斉加年はマジで無能だったけど
* 逆に現代に近い《風林火山》の谷原章介、《どうする家康》の野村萬斎も、武田や織田と比較したときに、あるていど趣味が違うようには描かれている(野村萬斎だぜ?)
* 北条早雲は“一介の素浪人”の方がよかったな…
* 元ツイート群には、現代人の“公家かぶれ”に対するマイナスの感情が出すぎているように思う
* 「公家かぶれだけど乱世の英雄」「公家かぶれだけど柔弱ではなく、強い」は可能性としてはあり得るはず…
* 以前の時代劇制作者だってその辺は心得ていて、《徳川家康》の成田三樹夫、《武田信玄》の中村勘九郎は公家かぶれではあるが、柔弱・無能という扱いではなかった
(私の記憶があいまいだが、Wikipediaにもそれに近いことがかいてある)
* 《秀吉》の米倉斉加年はマジで無能だったけど
* 逆に現代に近い《風林火山》の谷原章介、《どうする家康》の野村萬斎も、武田や織田と比較したときに、あるていど趣味が違うようには描かれている(野村萬斎だぜ?)
* 北条早雲は“一介の素浪人”の方がよかったな…
Posted by acsusk at 2026年06月11日 12:37
>Nさん
最近は戦国大河を見てなかったんですが,すでにけっこう新しいのですね! 良いことだと思います。情報ありがとうございます。
>acsuskさん
今川義元の大河ドラマごとの違いは脚本家及び制作陣の趣向によってけっこう違ったのかもしれませんね。
北条早雲はあまりにも伝承と史実が違うので,伝承の方で描かれるのはもう諦めた方が良いでしょうねw
この種の話で言うと,『真田丸』は主人公に真田信繁と名乗らせつつも,最終盤では真田幸村とも名乗らせることで,伝承混じりの物語展開になっても視聴者が許容できるようなメッセージとしたのは上手い処理だったなと思います。
最近は戦国大河を見てなかったんですが,すでにけっこう新しいのですね! 良いことだと思います。情報ありがとうございます。
>acsuskさん
今川義元の大河ドラマごとの違いは脚本家及び制作陣の趣向によってけっこう違ったのかもしれませんね。
北条早雲はあまりにも伝承と史実が違うので,伝承の方で描かれるのはもう諦めた方が良いでしょうねw
この種の話で言うと,『真田丸』は主人公に真田信繁と名乗らせつつも,最終盤では真田幸村とも名乗らせることで,伝承混じりの物語展開になっても視聴者が許容できるようなメッセージとしたのは上手い処理だったなと思います。
Posted by DG-Law at 2026年06月15日 02:35