『まほよ』も『ホワルバ2』もやらずに何をやっているのかといえば,twitterではさんざんつぶやいているが『Arsenal of Democracy』である。WW2のストラテジーゲームであるHoI2の大型MODを,公式が採用して改めて製品化したもの。HoI2からは完全に自立したので,HoI2がなくても動く。とは言っても,ゲームバランスと,インターフェースが大きく変更されているが,その他基礎的な部分はほとんどHoI2と共通。多くのMODもHoI2のものがほぼ流用できる。かく言う私の東方MODも少し手を加えればほぼそのまま流用できた。ここまでやったのはカナダを初プレーとしてベルギー,フランス,イギリス,東方MOD。以下,主にHoI2プレイ済み,AoD未プレイ向けの文章。まあwikiを読んでしまえば大体の変更点や雰囲気はわかるのだけれど,簡潔なここまでの感想を書いておく。
で,やっぱりおもしろい。しかし,このおもしろさはHoI2のものであって,AoD自体によるものは薄い。変更点の片方,インターフェースは進化しててやりやすくはなっているのだけれど,結局使っているものというと生産の上級スライダーくらいなもので,劇的な進化かと言われるとそうでもない。ただし,この生産の上級スライダーの使い勝手はすごい。これだけでもHoI2からAoDに乗り換える価値があるレベルである。というか,Vic2やEU3の財政スライダーにも実装して欲しい。
もう一方の変更点,ゲームバランスはHoI2のときのほうが良かったかも。ドイツが強化されすぎているのがまずい。ナチスドイツが独ソ戦に勝ってビターピースを起こすことが多く,フランスが真正面からマジノ線をぶち抜かれる始末で迂回も何もない。自分でもベルギーとフランスで一回ずつやったが,どっちも本土失陥した。中級者認定試験の雰囲気があるフランスでドイツ打倒は上級者向けに格上げではないか。ただしそのドイツも,占領地のICに関するペナルティが極限的にきつくなっており,フランス打破&ビターピースでもまだ基礎ICが250そこそこというのはなんともかわいそうになった。無論,中央計画経済全振りの最盛期でも実質ICでアメリカに勝ててない。
タイトルに反してアメリカ(のAI)はさして強化されておらず,ノルマンディー上陸はおろかイタリア上陸さえなかなかできていないことが多い。民主国家に対するペナルティが全体的にきつくなっており,せいぜいパルチザンが湧きづらいことぐらいしか残っていない。ただし,資金が非常に重要になっており,スパイ大作戦や核開発の強みなどからプレイヤーがやる分には英米や英連邦諸国で十分無双できると思う。フランスとベルギーとオランダ,てめーらはダメだ。資金力発揮する前に本土蹂躙されるからな。
で,結果的に一番割を食っているのが,フランスを除けば日本とソ連かなと。日本はHoI2だと日中戦争が太平総戦争開戦までに終わっている確率が8割方だったが,ここまで数回のプレーで一回も終わっていない。しかしAIのアメリカはなぜだか上陸作戦が非常に苦手なので,プレイヤーがかかわらないとちんたら太平洋戦争が続くという悲惨な状態になっている。ソ連は毎回ビターピースで負けているし,ノルマンディーにあわせて再開戦してなんとかドイツを倒しても,そこからアメリカとWW3をやる気力は絶無に近く,49年頃までににあっさり蹂躙される運命であった。
『IC(アイアンクロス)』も買った。こちらは技術ツリーや兵科などが非常に複雑多様になる追加パッチで,HoI2とAoDそれぞれにインストール可能。自立してゲームはできない,あくまで追加パッチである。個人的にはゲームバランスが変わりすぎて耐えられなかったので,アンインストールした。