2010年08月04日

ねこねこFD3 レビュー

あんまりFDのレビューは書かないつもりだったが,よく考えたら『明け瑠璃MC』の時点で書いていた。『キラ☆キラ カーテンコール』も書いていた。

よく考えたら性質上ねたばれでしか書けないのでいきなり格納。ついでに,おかえしディスク7のことも多少書いておく。点数はつけない。というかつけようがない。

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2010年08月01日

そらいろ レビュー

ねこねこソフト復活作。渾身の力作であった『Scarlett』で華々しく休止したことに比べると,随分こぢんまりとした復活作となった。おそらく急ごしらえな上に,HP上やスタッフルームで片岡とも本人が語っていたように「お手伝いを中心にして作れる範囲で作る」のが新生ねこねこソフトのコンセプトではあるため,今後もこのような作品が増えていくのではないだろうか。

日常路線の作品としては『White』『みずいろ』『ラムネ』に続く作品となる。というよりも本作は『ラムネ』の約20年後が舞台であり,ぽんこつ(つばめ)の母親はぽんこつ(七海)という大変わかりやすいつながりが明示されている。『ラムネ』の正史として,主人公は七海とくっついたらしい。背景CGもほぼ『ラムネ』と同じで,むしろ20年の歳月さえ感じさせない。その他,旅館の女将として多恵先輩が登場。ジャージ先輩は結局家業を継いだようだ。多恵先輩の姪っ子は主人公たちの先輩(バレー部キャプテン)として登場し,CVはもちろんまきいづみである。『ラムネ』要素を感じさせるものとしてはこんなもんで,鈴夏とひかりは出てこない。おそらく二人はあの町を離れているものと思われる。また,OPムービーもほぼ『ラムネ』と同じ構成となっている。

ただし,ヒロインの設定としては『ラムネ』よりも『みずいろ』に近く,というよりもほとんど酷似している。ぽんこつレベルは上がり,七海を超えて日和に近くなった。妹は再び家事万能になり,(ねたばれ注意)挙句「私嫌な子だね」とか言い出す始末,さすがにあのシーンはギャグにしか思えなかった。幼馴染は過去編の選択肢によりやかま・おとなの性格分岐が生じる。残念ながらお餅先輩とサテライトキャノンは存在しないが,中核3人はまるで同じ設定である。


作品の評価としては,私はねこねこソフトの日常路線最高傑作は『ラムネ』だと考えており,それに比べると本作品はやはり何段か落ちるという結論となった。本作の最大の特色と言えば独特の分岐システムである。過去編で分岐してメインヒロインが確定するところまでは通常のエロゲと一緒だが,現代編でさらに分岐しその時空のサブヒロインまで攻略可能になったという点にある。つまり,大概のエロゲではAというヒロインの個別シナリオに入ったらそこからBやCは攻略できないところを,できるようにしてしまったのが本作である。ヒロイン数は3人であるから,単純な3ルートではなく,3×3のルートが用意されていた。

このことは比較的革新的で,既存の枠組みを打破しうるおもしろい試みだと思われた。しかし,その有用性を本作は発揮しきったとはとても思えない。なぜなら本作は結局のところ3×3ではなく,個別ルートが9つあったに過ぎないからだ。せっかくメインヒロインが確定しているところでサブヒロインに浮気するのだから,三角関係展開にはならずとも本来のメインヒロインとは何かしらの絡みがあってしかるべきであり,メインヒロインではなくサブヒロインが選ばれるだけだけの強い動機や事件がシナリオに登場すべきであろう。が,そういったものはまるでなく,それが本来誰のルートであったのかを忘れさせるようにシナリオは進行する。ネタばれになるので具体的には後述するが,この画期的なシステムの意味があったシナリオは少なかった。

さてそうなるとこのシステムは,共通ルートが3倍になっただけでさしたる意味を持たない。いかにおもしろい共通ルートといえど3回もやれば飽きてくる。この点は弊害だと言えよう。個別ルートの出来は複数ライターの弊害から非常にマチマチで,片岡とものシナリオは出来が良い分逆に浮いて見えた。加えて言えば,『そらいろ』は『ラムネ』ほど夏という感じがしない。夏のモチーフの使い方が丁寧ではないと思う。たとえば,せっかく七海畑を引き継いでいるのだから,畑のCGは欲しかった(『ラムネ』にはあった)。文章でも,『AIR』ではやたらと往人さんがへたばっていたイメージがあるが,その意味で本作の主人公には季節感を感じさせない。まあクーラー引きこもりになるシナリオはあったが……個人的にはこういったところは積極的に減点対象としたい。


絵に関しては特にケチのつけどころがない。複数原画でも違和感がないねこねこソフト原画陣の統一性及びCG陣の努力はさすがである。いや,単純に秋乃武彦スクールというべきなのかもしれないが。特にあんころもちの幼女立ち絵の出来が異常,なぜこのまま攻略できない。音楽に関してはこのシナリオにもったいないくらい一級品で,特に主題歌「そらいろ」は,Elements Gardenと佐藤裕美の鉄板コンビの持つ破壊力を感じさせる。システムも不備はなく,この辺りはさすがに復活した老舗といったところか。「緊急回避」機能は今回も実装され,いつも通りの野望2009,じゃじゃ馬(超短いけど),X-fileが盛り込まれていた。あとはポートピアと片瀬健三郎があれば完璧だったがそこまでは望むまい。

点数としては70点未満65点以上。3×3がうまく機能していれば80点以上もありえただろう。思い入れの割には点数を与えられない・他人には勧められないゲームの典型。好きなことは好きなんだけど。

以下,ネタばれ。
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2010年05月26日

Kanon問題を締めた後に続いたもの。

twitter上でかわされたもの。
さらにその周辺の議論。

上のものに関しては、改めて見ても不毛な議論だなぁ……正直これを読者諸氏にお見せするのは心苦しい、という感じ。なんかどっぷり疲れました。私が締めたあとの数postもやっぱりループしてるのには気づいていただけないんだろうなぁ。これほどのディスコミュニケ−ションは相当久しぶりでした。読者諸氏には、議論の内容はある種どうでもいいので、私が最低限何かを守ろうとしていたことだけ読み取っていただければ、それで十分です。十分に嬉しい。

下に関しては、意外とおもしろいことになっているので、すっ飛ばしてここだけ読んでみてもいいかもしれない。

  
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2010年05月22日

Kanon問題追記の追記:というか締め

おとといツイッターでつぶやいたpostからのコピペ。

「今書いててはっと気付いたんですが、Kanon問題は、ひょっとして「正しい」という言葉のニュアンスが違うだけなんじゃないですかね?私の中では正しさは並立します。なので「唯一の正解が導けないのならば、残りの解は全て誤答である」といった考え方、さっきまで本当に理解できなかったんですよ。つまり決定的な解=正しい、が証明できなければ全て正しくない、という前提に立つのならば、「正しさは複数ある」の方向ではなく、「完璧な正解が無い以上、それ以外の推論は全て間違い」という方向に思考が進むのは、理解できます。承服はしかねますが。

一応、その上で改めて書きますが、私は決定論的解釈が「正しい」と思っています。作品としての完成度を考慮して。ただし、唯一解であるとは思っておりません。そして、遡及説が正しい可能性は認めます。私がそう解釈するのは苦しい、と個人的に思っているだけで、説そのものは否定しません。この態度表明、私は最初の記事の冒頭に書いたつもりだったんだけどなぁ。まあ、正しさが並立するかしないかなんて些細な問題だと思うんですよ。これで解決するなら、私は今日ブログを更新せずに済むんですが。」


さらに、昨日つぶやいたpost。

「そういえば、Kanon問題について昨日のpostからほとんど動きが見えないんですが、あれで終わりでいいんですかね。私が終結宣言すると、近衛文麿の某声明と同じになっちゃうので、なんとなく嫌なんですけど。終わりなら終わりでそれでもいいんですけど、昨日のつぶやきを元にしつつ、明日か明後日にでもブログ書きます。ふんぎりをつけるためだけに。なにかあるなら今のうちにお願いします。」


さて、おとといのpostからは約42時間、昨日のpostからでも16時間経過した。結局近衛文麿の某声明になってしまいそうなのだが、返事がなかったものは仕方が無い。少なくとも、今木さんと辺見さんは私をフォローしているので、これらを読んでくれているはずである。ここにさらに付け加えるとすれば、「どちらも正解」ではなく「どちらも別のKanon」という前提に立ったほうが、心情的に遡及説を支持しやすい、ということは直感的に理解できる。が、やはり本質的な差異は無いだろう。さらに言えば、辺見さんが「歴史修正主義者同様」と言ってしまったのも容易に理解できた。が、しかし比喩としては質が悪い。

少しだけ毒を吐くのならば、実は過去になされた議論とは、『Kanon』の作品論から一歩離れたものではなく、かくのごとく二歩以上離れたものではなかったか。もしこの疑念が正しいのであれば、この話題が定期的に出現する責任の所在は、もちろんよく読まずに入ってくる新規の決定論者の側にもあるが、遡及説側の反論にも問うことはできるだろう。今後があるのかどうかは知らないが、次からは「新規の決定論者側が、自説を唯一解だと思っているかどうか」を相手に尋ねてから、始めてみてはどうだろうか。そこで頷くようならそこから今までのごとく諭せばよいし、そうは思ってないようなら、論争する価値をあまり見出せない。この疑念が正しくなかったのであれば無用な疑いをかけたことについて先回って謝っておくが、しかしその場合、尚更10年も続いている理由がまったくの不可解になる。

締めとは書いたが、ツイッター上で聞かれれば答えられる範囲で答えることはしたいし、例のtogetterに追加しておいてくれれば、しばらくは張り付いて読んでおく。


また、私自身ではなく、ありがたいことにこの一連の流れをずっと追ってくれていた友人たちから入った指摘・意見も一応転載しておき、本当に終わりとしたい。これらに関しては、私に聞かれても反論できるとは限らない、あしからず。まあ、当人らに「どうなん?」とは聞きますけど。

>プレイヤーの勝手で一々過去を改変させられるほうが、キャラにとってはよほどかわいそうじゃね?傲慢じゃね?自分が選ばなかったからヒロインが死ぬ。 それは嫌だから過去ごと改編って。

驚いたことに、これに関しては個別に3人の口から出てきた。私はその観点については、まったく考えてなかった。だがまあ、個人的にはあまり興味が無い論点。


>Kanon以外の、もっとバッドエンドしかない作品に対してはどういう態度になるんだろう?あと、途中の過程で不幸なのは別にいいのかな。

あ、これは俺もけっこう気になるかも。仮にその通りなら、単純なハッピーエンド主義者ってことになるが、今までの論争を見ている限りそう単純なものでもないわけで、態度が今ひとつ不明瞭ではある。


>「明示されてなければ全ての解釈は誤り」及び「遡及説」をとった場合、推理小説を中心にかなりの小説・漫画は娯楽として成立しなくなるような気がするんだけど……たとえば、コナンの殺人犯半分くらい無罪扱いにできるんじゃね。

これは私DG-Law自身がコナンを読んでないし、あまり推理小説も読んでないのでなんとも言いかねる。というかこれ、ほとんど六軒島的な何かな議論ですよね。赤字で宣言されていない限りは死んだふり、だとか。その意味では、遡及説側の『ひぐらし』『うみねこ』評価は若干気にならなくもない。私は『ひぐらし』も『うみねこ』もそれなりに高評価している。『うみねこ』はEP6でぐっとおもしろくなった。


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2010年05月19日

Kanon問題の追記:訂正と反論

先に、反論を受けて自説に訂正を加えたい。

まず、何か誤解されているようで、これは一重に私が回りくどく書きすぎたせいだと思うのだが、別に私は遡及説を否定しているわけではない。「「みんな助かる」のはもちろんKanonとは別の物語ですが、「誰かが犠牲になる」のもまたKanonとは異なる別の物語です。」というのならば、それは合意できる。そもそも私は前回「2003〜05年に流行した時点でさえ「どちらとも解釈できるから後は好みの問題」という結論が出てしまっており」と冒頭の段落で書いているのだが……

微妙にツイッターでつぶやいてしまったが、今回の私の動機は、最初に八柾さんのブログでKanon問題なるものを知ったのが発端であった。それまではさっぱり知らなかったし、興味も無かったのである。しかし、八柾さんと短い討論をしているうちに興味がわいた。折りしも世間で微妙に話題になったのは、タイミングが偶然重なっただけである。いや、八柾さんがその話題に加わっていた以上、完全に無関係というわけではないのだけれど。

それで、じゃあなぜこのような自説を述べるに至ったかと言えば、上記のような状況であると掲げられているにもかかわらず、過去ログをさかのぼっていくと出てくるのは遡及説側の意見ばかりであり、それだけなら別にまだ問題とするところではないのだが、なぜか決定論をなきものにしようと持っていくような態度が見受けられたからである。議論の歴史上、なぜこれだけ決定論が弱い立場であったのかは、いまだに理解できないところである。いや、立場が弱いというと語弊があるかもしれないが。

そしてこの構図は、現在においても変わっていない。そりゃ、論争の片方がもう片方について「歴史修正主義者同様」「「直感的な正しさ」を保有した「偽の命題」」「潰し続ける」等と言ってしまっているのは、態度としてあんまりなのではないか。立場の弱い側としては、裏切られたも同然だ。「遡及説論者が内心では自説以外あり得ないと考えていて、結論ありきで議論に参加しているのではないか」、という疑念が私にわくのは当然であろう。そして過去ログの遡及説側の論拠を読んでも納得しなかった。ならば、「どちらも別のKanon」という風潮に是正するには、決定論側として論拠と議論のたたき台となるものを書かざるをえなかったのである。

なので、実のところ、そちらが「どちらも別のKanon」であることを確認し、「対歴史修正主義者」的態度について再考してくださるのであれば、私の提議の8割はそこで終了する。残りは細々とした議論でしかない。これを最初に書いておくべきだったので、訂正しておく。私が変にぼかしたせいで、無用な労力を使わせてしまったのならば申し訳ない。しかし、この要求は決して撤回するつもりはない。


次にこれこれを受けての訂正である。「多い」と濁したのは舞・真琴ルートを踏まえたものである。内実に差があるが、同じスーパーナチュラルとして括っても特に言及の必要は無いと考えていた。私にも過度に言いすぎたところがあった。若干熱くなっていたところは認めざるをえない。

その上で、以下のように私の立場を加筆しておく。スーパーナチュラルの種類が複数であることと、「あゆの奇跡」のルールが名雪・栞に適用されるということは、相互に矛盾するわけではない。そして、あゆの物のみ特定のルールを守ることで特別な、より高次の奇跡となったと言っていい。複数ライター制の弊害というのなら、それでもかまわない。しかし、スーパーナチュラルが複数存在するから奇跡にルールは必要ないと言われても、私はなんら納得できない。思えない理由については前回の第1・第3の論拠による。また、下のほうで若干の関連したことを書いておく。


以上のように2点訂正したところで、以下はここから気になったものだけピックアップして応答・反論したい。

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2010年05月17日

Kanon問題で決定論(過去確定的共有説)を主張する

ポータル記事として(後日設置)。

Kanon問題の追記:訂正と反論

Kanon問題追記の追記:というか締め
Kanon問題を締めた後に続いたもの。

以下が最初に行った問題提起の文章である。だが,その後の議論の展開から言って,それほど重要ではない。

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2010年03月11日

しろくまベルスターズ レビュー

いいんですよ、クリスマスイヴだから奇蹟の一つや二つくらい起きる。


PULLTOP藤原々々ラインのゲーム。そしてその系譜を見事に受け継いでいる。雰囲気の良さもキャラの良さも、そしてシナリオのテーマさえも。絵も音楽もクオリティが高く安定している。また、シナリオがちょっと中だるみするという受け継がなくていい欠点まで受け継いでいる。逆に主人公像は新しい。『かにしの』の本校編は根本的に違うので例外中の例外としても、その他を見渡してもちょっといないタイプのような気がする(一部ルートでは草津拓也化するが)。まっすぐだけどおバカすぎず賢すぎず、仕事(と酒)への情熱を持った青年。けっこう真っ当にかっこいい。

個人的な感想としては、シナリオの出来としてななみ>きらら>硯>りりか。ななみルートは09年エロゲー史に残してもいいくらい出来が良い。なぜ当時もっと騒がれなかったのだろうと思うくらい。PULLTOP信者の間でしか話題にならなかったせいで見えなかった、とかそういうことなのだろうか。キャラの好みとしては、硯に尽きる。ただの「人見知り系清純派」のキャラで終わらせず、なかなか起伏のあるキャラとして描けていたのが実に良かった。よだれかわいいよよだれ。その他、個別ルートに関してはネタバレなしには書けない部分が多いので、格納後に。

クリア後、ざっと他人のレビューを読んで思ったのは、確かにサンタ専門用語をあえて説明せずにシナリオを突っ切ったのは英断だったが、英断すぎて「わかんねーよ」「これって深く考えたら負けってことだよね」というレビューが非常に多かった。いやいや、ちゃんと設定されてるんですよ、あえて説明してないだけで)(元ネタ集(1)参照のこと)。これだけ反発を食らうなら、共通ルートで説明すべきだっただろうな、とはいろんなレビュー読み終わってから思った。


『かにしの』とほぼ同様の出来として、87点。世間的な評価はここからもう5点ほど低いようだが、前述の通り「サンタのシステムがわからなかったから深く読むことを放棄した結果」だとしたら、それは悲しいことである。なお、中だるみと書いたが眠くなるほどのものでもないので、そこはご安心願いたい。しかし、長いことは間違いなく、共通で4時間ほど、個別も1ルート5〜6時間は優にかかるので、じっくり読んでコンプしようとすると20時間は軽く越えるだろう。実は『うみねこ』EP6を除けば、85点を超える点数を付けたのは08年の夏にプレイした『ジャンゴ』『キラキラ』以来で1年7ヵ月振りということが発覚した。ここ2年はけっこう割と大当たりを引いてなかったということにさっき気付いた。

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2010年02月15日

うみねこのなく頃に EP6 Dawn of the golden witch レビュー

私がこのEPで最も不安だったのは、いい加減きちんとした解答が出るかどうかという一点であった。その解答というのは完全解ではなく、少なくともひぐらしのEP6にあたる罪滅し編くらいには真相が解明されないと、さすがにおもしろみが薄れてくる。そして実際にプレイしてみると、予想以上に今回でネタ晴らししてくれた。あと本気でわからないのは碑文とベアトの真の正体くらい?これはネタばらしすぎてEP7でやることがなくなり、EP7がつまらなくなるフラグかと思えたほど。しかしどうやらEP7は完全ネタ晴らしで、EP8がハッピーエンドという、ほぼひぐらしと同じ閉め方をするということらしい。しかし、それにしても推理スレとうみねこWikiはたいしたもんだ。けっこう当たっていて、事前にEP5分まで読んでおいてよかったと思う。

そういわけで、今までで一番おもしろかった。個人的には、EP6>EP3>EP1>>EP5>EP4>>>EP2、という感じ。最初ゼパルとフルフルが出てきたときはまた魔法側で新キャラかよと思ったし、中盤の魔法バトルはやっぱり多少だれたものの、終盤の怒涛の展開は見事。やはり竜騎士は、シナリオの精度とか整合性とかを度返しすれば、盛り上げ方におけるシナリオ展開とテキストのうまさは業界有数だと思う。まあそれもこれも全て、ちゃんとネタ晴らしをしてるから評価できることなんだけど。85点。

しかし、竜ちゃん開き直ってるなぁ。確かにこのオチはどうなの。ミステリー的には相当ずっこけたけど、エロ助で他の人も書いていた通り、このしてやられた感は『車輪』以来か、または『ネコっかわいがり!』以来の快挙。とりあえず、今からEP1〜5以前を未プレイの人は、あきらめずに、推理しながらたどり着いてほしい。EP4までじっくりとりかかれば、意外と見えてくるような気がする。少なくとも、うみねこWikiにはEP3の時点でかなり核心をついている意見がちらほらあった。まあ、それもまだ大正解とは限らなくて、EP7でひっくり返される可能性は残ってるけど、まず無いでしょう。ここから変にひっくり返したら、もう盤面がめちゃくちゃになって収拾つかなくなるだろうから、EP7はすごく素直な内容になってくると思うし、それで楽しめると思う。



以下、ネタバレ。  続きを読む
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2010年01月31日

うみねこの鳴く頃に EP5 End of the golden witch レビュー

評判が中途半端だったので不安だったが、その不安を吹き飛ばすようなおもしろさだった。というよりも、うみねこという作品はEP2が全くの無駄、EP3でようやくバトラがリング脇に来て、EP4でレフリーの説明が始まり、そしてようやく、EP5で殴り合いが始まった。むしろ、「本番」なしでよくも出題編全部済ませたと思うし、前から言っているが、EP4の内容をEP2でやってしまえば、EP5でEP3の内容が出来た。もっとはっきりと言ってしまえば、EP3でドラノールを出現させておけば、後ろがこんな詰め詰めの進行にならずに済んだし、同じ場所で似たような問題をぐるぐる回っているだけ、という状態は避けられたはずだ。

それに、EP5も手放しで褒められるわけではない。エリカの推論は随所で穴があり、しかもそれを誰も指摘しない。別にミステリーに詳しいわけでもない私に指摘されているようじゃダメだろう。問題編ならば後から補修するなりまだ開示していない真実があると思わせるなり、なんとでもなっただろうが、すでに解答編に入っている以上、これは致命的である。まあ、なんか竜騎士本人は「解答編というよりも展開編」とかよくわからないことを言っていたが。内容からすれば、むしろ"目明し"よりもよほど解答しているわけで、"展開編"という言葉自体がすでに言い訳じみている、とは糾弾のしすぎであろうか。

まあしかし、五作目にしてようやくまともな、言葉遊びの水準を抜けた議論の応酬が見れたし、それは『ひぐらし』ばりに熱くておもしろかった。今回、バトラがベアトの味方をしていたことについてもけっこう不評が出ているようだが、それはEP4の時点でベアトとバトラには浅からぬ縁があることは示されているので、別に不思議ではないだろう。むしろ、バトラ以外に魔女幻想が破壊されるくらいならベアトの味方をするというのは(バトラというキャラクターの思考からして)妥当な判断である。

エンジェも救ってベアトも救う、両方やらなくちゃいけないところがバトラの辛いところだな。覚悟はできてるか?俺はできてる。エリカ?性悪かわいいよ性悪。EP6でいなくなるとか聞いちゃったけどね!80点。


以下、ネタバレ。
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2009年10月30日

うみねこの鳴く頃に 推理というよりは整理

以下、『うみねこ』ネタバレOKな方、追ってないけど何かしら情報を仕入れておきたい方はどうぞ。

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うみねこの鳴く頃に EP4 Allience of the golden witch レビュー

今回も、まあおもしろかったと判じても良いだろう。EP3ほどの疾走感が無かったのは、前半の12年後の話をうだうだとやりすぎたせいだ。正直に言って、EP3で魔法の正体が完全に暴かれている以上、もう一度その話を蒸し返してもおもしろいところはない。あのパートで重要なことは、

・12年後の世界がどうなっているのかということの本格的な展開
・エンジェのスタンス
・ローザとマリアの本質的な関係

この程度であり、あの半分の容量でまとめることは可能であった。「話のつまらなさを竜騎士の文章で無理にテンション上げた感じ」というレビューがあったが、同感である。ついでにどうでも良いことを言うと、自分はけっこうローザに同情的である。体罰や玩具損壊については擁護しようがないものの……マリアの聞き分けの無さも異常な領域。また、再婚や会社の経営に関係があったとするなら、旅行による長期の不在はそうそう責められない。ローザ自身が男性に対し疑心暗鬼過ぎるところもあるが、それも右代宮の実家での教育や1986年の社会の視線というものを考えれば、妙に納得しうるところである。1986年というのが妙にリアルな年代設定で、シングルマザーに対する視線の厳しさは想像されうる。「男遊び」と言われても仕方がないことだろう。少なくとも、本当にマリアをほっぱらかして「男遊び」のために札幌まで蟹食いに行った、という解釈は、自分にはできない。EP2,3の奮闘も考慮に入れれば、尚更である。


後半、本格的に1986年の六軒島連続怪死事件に入ってからはEP3並の出来だったと言える。ただし、難易度に関してはEP1-3に比べて格段に下がる。というのも様々な説明がひどく懇切丁寧だったからで、よほどEP2の不評がこたえたのだろうか、と邪推したくなる。むしろ説明がくどすぎて減点せざるをえないくらい。バトラアホの子がすぎる。

EP4はさしずめ、前半は『ひぐらし』の暇つぶし、後半は祟殺し編だったと言う事もできるだろう。両方を無理やりやった挙句、エンジェをうまく立ち回らせようとした結果、おかしな詰め込み方をせざるを得なくなったのではないだろうか、と推測できる。EPを区切るべきだったのだろうが、『うみねこ』をEP8で終わらせようと考えた結果、もうEPが足りないことが判明したのではないだろうか。返す返すもEP2の無駄遣いが惜しまれる。

さて、これで宣言通り卒論提出完了までエロゲ・ギャルゲの類は封印する。というよりも、戦略SLGも含めてゲーム類は1月上旬までプレイしない。しかし、冬コミにはしっかり参加するので、年明け最初のゲームはEP5,6ということになるのではないだろうか。せいぜい、推理でもしながらそれを待つこととしよう。EP1には点をつけてEP2,3の記事ではつけてなかったが、出題編が終わったのでまとめてつけることにする。EP1が80点、EP2が60点、EP3が85点、EP4が75点で、出題編は75点前後としておく。『ひぐらし』には及ばないが、まあ追いかける価値はあるだろう。



続きにあった推理っぽいものは、後で自分で見直すことを考えて別記事に切り離した。読みたい方はそちらへ。  
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2009年10月23日

うみねこの鳴く頃に EP3 Banquet of the golden witch レビュー

なるほど、EP2から評価が回復するというものだ。しかし、それはEP3そのものがおもしろかったから、というわけではない。EP3にて、ようやくこのゲームの楽しみ方というものを提示してきたからだ。だが、それがこのタイミングで正解だったのかは疑問が残る。EP2のラストか、できればEP2の中盤がベストのタイミングだったのではないか。EP2があの出来じゃ、アンチを大幅に増やしただけだろう。

一度だけ、某友人(DiL)に、私は本格ミステリーは読まない、それはなぜか、ということについて話したことがあるが、まさにうみねこEP3はその点を突いたと言える。名作といわれて、中高の頃にいくつか読んだミステリ小説もあるが、何読んでも「いや……それは証拠の後出しってやつなんじゃ」「で、その証拠は信用できるのか?」「その推理はねーよ……詭弁じゃないの。しかも犯人納得すんの?ないわ」以外の結論が、自分の中では出なかった。つい最近まで"後期クイーン問題"なんて言葉は知らなかったんだが、これで溜飲が下がった。これだけでも、EP3をやった価値があった。

2chやミステリ好きからは、EP3以後に発覚してからさらに竜騎士叩きが激化していたようで、それは悪魔の証明の使い方だとか、竜騎士本人の詭弁の弄し方に由来するものであるが、くだらないことである。平たく言えば、私は本格ミステリーが後期クイーン問題を解決する日は、本質的に永久にありえないと思っている。少なくとも私は「作家は"後期クイーン問題"について意識していない、よって問題にならない」なんて逃げ道は認めないし、「探偵はメタ世界的に作者から正解や証拠を示されている」という抜け道は実質的に『うみねこ』の赤字システムと同レベルだし、「真相を論理によって到達するものと考えない」ってそりゃ別のジャンルだろう、もはや。


ただし、じゃあ竜騎士に全面賛同しているかというとそうではなくて、いまだに不信感がぬぐえないのも確かである。たとえば、『ひぐらし』は謎の奇病ことノドカキムシールは納得できた。komeも言っていたが現実にトキソプラズマなんて存在するわけで、謎の病原体なりに説明はされていたように思う。いや、あれも生物学上医学上十分にありえないんだけど。しかし、どうせ未知の奇病なんだから、「現代医学では解明不可能という設定」で押し切れなくも無い範囲だった。実際、祟殺し編あたりでこの結論にたどり着いてた人はけっこういた。

だが、羽生の存在とあの足音だけはいまだに全く納得していない。「羽生は非科学的存在だけど物理的に検知は可能」という設定だったら、ノドカキムシールと同様の扱いができた。しかし、彼女は完全にその存在が確認できない存在であった、にもかかわらずその「足音」は出題編において非常に大きな要素であった。あれは作品ぶち壊したなーと思う。(ついでに言えば、山狗(笑)と東京(笑)にも当然納得がいっていないが、これらは『ひぐらし』の推理パートとは直接関係がないという点で看過はできる。)

で、今回もどうやらノドカキムシール程度にとどまらず、「羽生」的存在が出現してしまう可能性は否定しきれておらず、「アンチミステリVSアンチファンタジーの予定でしたが引き分けでござるの巻」とか煙に巻いた終わり方をされることも想定されうるわけである。というか、EP3が終わった直後の最大の疑念がこれで、とりあえずベアトは存在しちゃってるだろうどうにも。今から詭弁重ねた程度で否定できるもんなの?詭弁重ねた程度、というのもすごい言葉だけど。EP2のレビューのほうに「もはや『うみねこ』には東京(笑)以上のオチは期待していない」と書いたのは、そういう理由である。


とりあえず、EP4までやったら一旦エロゲ打ち止めで。二度目の卒論(笑)を提出するまでは復帰しません。

  
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2009年10月19日

うみねこの鳴く頃に EP2 Turn of the golden witch レビュー

発売当時、大変評判の悪かったうみねこEP2だが、EP3で盛り返し、順調にEP5が発売され、ひぐらしほどの評判や盛り上がりにはならないものの、アニメ化してそこそこ話題にもなり、同人界隈でも二次創作をみかけるようになった。ゆえに、やるならこのタイミングしかないかなと思った次第。

評判の悪かった理由は大いに理解できた。「この連続殺人事件は人間による犯行か、それとも魔女による超常現象か」をテーマに掲げているのに、突然魔法バトルが始まるし、完全密室はどんどん出てくるし、おまけに魔女ベアトリーチェ本人がゲーム中に顕現するし。やりたい放題ってレベルじゃねーぞ。後追い組からしてみると、ぶっちゃけて言えば嘉音ブレード(笑)くらい風の噂で聞いてたので驚きもしなかったが、そりゃひぐらしのリベンジだと思って再び真っ当に推理してた人たちはぶちぎれるだろう。

ただし、「魔女の語る言葉のうち、赤字は真理」という、通称赤字システムに関しては評価できる。なぜなら前作『ひぐらし』から考えるに、登場人物が多分に嘘を言っていたり、ゲーム中での出来事が実は登場人物たちの妄想だったりということは、この『うみねこ』でも大いに行われているということは、『うみねこ』EP1をプレイした人間なら誰だって想像がつく。ましてや「No Nox.No Van dine」を宣言しているゲームなのだから、そこは真っ先に疑うべきポイントになってくるだろう。

そこでこの赤字システムである。たとえば、赤字で「この部屋は完全密室で隠し扉等は一切存在しない」と宣言してくれれば、我々プレイヤーは一々ゲーム中の言葉尻を疑うという七面倒な作業はしなくて済む。これは『ひぐらし』の不満点をうまく処理できた画期的なシステムといえるだろう。もっとも、この赤字システムもEP2ですでに自縄自縛になりつつあるところがあって、「妾の力をもってすればどのような密室も生み出せる」はアウトだろう。それは、超常現象が実在していることを証言しているに近いのでは……竜ちゃん及びベアト様には、もう少し慎重なシステムの運用を期待します。


まあ、うみねこが「東京」(笑)になるか、それ以下のオチになるかは、完結してみないとわからないと思う。まあ、当面は付き合ってみます。「東京」以上に納得できるオチはすでに期待してもないが。EP3のレビューも今やってるので、すぐに書けると思う。密度が濃くて短いのは、時間がない身にとってはありがたい。あと、なんだかんだ言って盛り上げ上手なのは認めざるを得ないところかな、と。
  
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2009年09月30日

GA2 永劫回帰の刻 レビュー

前作のレビューに「GWまでには終わっているだろう。」なんて書いた結果がこれだよ!

友達に返す事情で超音速で1ルートだけクリアしたので、実はあんまりストーリー覚えてないが、長い割にだれなかった点については褒められる。SLGパートもおもしろかった。今まではミッションがめんどくさいか単調かどちらかだったが、今回はちゃんと難易度的にも初見でクリアできなくはないが工夫は必要という程度になっていたので、これは飽きないのではないかと思う。でも、ジェノサイドボンバーとゼフィルスランページ、そしてフォトンダイバーがバランスブレイカーすぎて、嫁を誰にするかによって難易度が全く違うのではないかと思う。正直嫁のはずのリィちゃんは活躍しませんでした。

しかし、いかんせん共通ルートが長すぎる。しかも、これでも共通ルートには必要なものを全部詰め込んだ結果であって、「無限」が長い割に可も不可もないストーリーすぎたツケをここで全部払わされた。そりゃ個別をたった一章にでもしないと1ルートのボリュームとして厳しい領域になろう。それでも、11章中9章までは楽しめた。それだけ展開は熱かったし、風呂敷はこれ以上ないほど広げきった状態と言っても過言ではなかった。

だが、決定的な過ちはやはり最後の二章であろう。圧倒的な勢いに飲まれればむしろ幸せだったのだろうが、残念ながら私の頭はそこそこ固いもので、ひどい超展開の連続で、そりゃないよ水野良さん、と。やる気が減退したのと時間があまりにも無かったのでリリィさん1ルートだけやって返したが、伏線未回収率がエロゲでもちょっと無いレベル。しかもストーリー自体は未完結というわけではなく、しっかり完結しているという。

今までのGA6作品だと、フルコンプしてもおまけCGやEXモードはあってもグランドエンディングは無かったので、これひょっとして伏線未回収のまま終わるの?と思っていたら、今作に限ってなんとグランドエンディングがあるらしい。しかし、ぐぐってみたところ、そこでもほとんど伏線は未回収のまま放置のようで……もう二重三重におかしい。

だが、何よりもプレイが遅れたのは、6作品の最後の最後を飾る作品でこの作品だけ原画変えるという暴挙が、どうにも許しがたかったからだ。KANAN先生も、これでチェック通さないでくださいよ。

キャラ的に言えば、ノア株だけ急上昇した。この子こんなにかわいかったっけ?GA1の無印だとむしろきもかったはずなのに……いやー、これでGA6作品の締めかと思うと寂しい限りで。


以下、一応ネタバレ。  続きを読む
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2009年08月12日

キラ☆キラカーテンコール レビュー

このライターは瀬戸口の後釜としては必要最低限で、最も必要である仕事はした。かと言って高評価できるというわけではない。それはどういうことか。つまり、この作品は紛れもなく『キラ☆キラ』のファンディスクである。『キラ☆キラ』の雰囲気、本質的なところでの精神性、ロックに対する考え方や情熱は本編と何ら変わるところなく伝わってきたからだ。それが最も必要な仕事である。ある種象徴的だったのは、前島祐子がまぎれもなく女鹿之助だったということ。ああ、こんなやつだったよ確かに。(じゃあその本質って具体的には、という話は本編のほうのレビューで。

エロゲ業界においてライターの引継ぎや複数ライター制は全く珍しいことではないが、これが出来ていない作品が非常に多い。『リトバス』ですらそうであったし、『かにしの』のような例は極めて奇跡的であった。これはもちろんライターの功績だが、一応原案ということになっている瀬戸口本人や、bambooが相当気を使ったのかもしれない。なんにせよ、一本筋が通っていたのはいいことだ。むしろこれで本質が変わっていたら、じゃあロックってなんだったんだよって話にもなりかねないだけに、本作ではとりわけ致命傷になっていたかもしれない。

しかし、じゃあなぜこれが最低限の仕事かといえば、にもかかわらず文章で全くノれないからだ。肉体たるテキストが伴っていない。瀬戸口と比較するほうがかわいそう、という話ではあるが、エロゲ批評でするべきは相対的評価ではない。絶対的評価である、と考えるならば、これは不当な判断基準とは言えないだろう。ストーリーの起伏も薄かったが、この際それはどうでもよい。問題はあくまでテキストのテンポの悪さに絞りたい。

シナリオについて少し言うなら(この段落ややネタバレ注意)、第一部も第二部も短すぎた。第一部は、言うまでもなく結衣に関する描写が少なすぎたし、第二部だと、もっと村上が何故悩んだかは描けたはずだ(これに関してはまさに最低限は描いたという感じ)。ミルとの関係は最後までと言わずとももう少し先までは見たかったし、可能だったと思う。最後の最後もなぁ……『キラ☆キラ』を全員で歌うというのは、悪くはなかったけど安直なオチだったような。てっきりライブシーンがずらっと続いて終わるものだと。スタジェネの曲とか期待してた。ネタバレ終わり。

絵と音楽については文句なし。個人的なことを言うなら、誉田君の歌声はあまり好きじゃない。うーん、まあ70点弱。あ、ライブDVDは別評価ということで。あれを含めるといやがおうにも高評価せざるをえなくなるでしょう。
  
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2009年07月23日

さくらシュトラッセ レビュー

冒頭からいきなりルーデルさんが急降下して主人公が死ぬ新感覚恋愛ADV。いや、冒頭がそんなんなだけであって、内容は軽めの普通の恋愛ADVである。「ジエータイだし、撃ってこないと思う」とか口走るキャラも登場するが、断じて戦争物ではなく、壮絶な出オチでもバカゲーでもなく、至って普通のエロゲである。


本作のシナリオライター、NYAONの描くキャラは、独特である。私は本作以外では『もしらば』でしか知らないが、これは断言してもいいだろう。文章が独特であるのではない。描かれたキャラの内部での葛藤や論理展開が、他の人とは異なる。それゆえに、一癖も二癖もあるキャラが誕生し、しかもその癖は紋切り型の言葉で落とし込められないものであり、「こんなやついねーよ」と「いや、エロゲなら許容されるのか?」の境界線上をさまよっている。だからこそ、強烈な魅力と拒絶反応の両方をもたらすことになるのだ。

というわけで、本作は『もしらば』からは大きく離れて単純な萌えゲー、キャラゲーの体裁をとってはいるが、その独特の論理展開においては『もしらば』となんら変わることはない。単純な萌えゲーであってシナリオゲーではないのは確実だが、しかし前者には不必要なほどの癖を持ち、むしろシナリオゲーマー御用達なのではないかという感覚がする。とりわけ本作なら、マリーとかりんのキャラ付けとシナリオに対し、不快に感じたプレーヤーはさぞ多かったのではないだろうか。とりわけ、批評空間のレビューでは自分の予想よりも大きくかりんのキャラが叩かれていてた。その一方で、本作のシナリオは実にエロゲらしい甘さ、ラブラブいちゃいちゃ(死語)をも内包している。実に、不思議である。

くすくすの絵に関しては、本作の出来ならば現状のエロゲ界において最高に近い評価を与えてもいいだろう。少なくとも自分の中ではべっかんこう、こ〜ちゃに次ぐ(みやま零やカーネリアンはやや評価軸が違うので除外とするなら)。音楽は思った以上に良かった。OPの橋本みゆき、EDのWHITE-LIPSにしろ鉄板だが、BGMも非常に良かった。プログラムも軽いし、戯画システムと比較さえしなければ使いやすい部類に入る。


さて、やや冒頭のネタバレになるが、体験版部分である上に本作の重要部分であるのでこちらに書く。本作は過労で倒れた母親に代わり、実家のドイツ料理レストランを経営するためにシェフ見習いの主人公が帰郷するところから始まる。ところが、彼は故郷の海岸沿いを歩いていると自衛隊の戦闘機が墜落してきて生死をさまよう重傷を負う。その原因は魔法使いマリー・ルーデルが日本領空に不法侵入し自衛隊に追っかけまわされていたので、彼女が振り切るつもりで曲芸飛行した結果、自衛隊戦闘機が急降下に失敗して墜落したためである。

事故に気付いたマリーはとっさに主人公に治療の魔法を施すが完璧ではなく、責任を感じて主人公のレストランで働くようになる。元々主人公の技量が彼の母親に遠く及ばないためレストランから客足は遠のいていたが、マリーの料理が非常においしかったため評判は上々であった。自分の才能や努力の至らなさを悔やむ主人公だったが、ある日マリーの料理は「魔法」によるもので、だからこそ絶品の料理になっていたのだということを知ってしまい、激怒する。二度と厨房で魔法を使うな、と。結果的にマリーは厨房では魔法を決して使わないと約束し、その翌日から主人公とマリーの未熟なシェフ二人で、レストランは再開することになる。


なぜこのように長々と冒頭の展開を書いたかと言うと、私は、このマリーが魔法使って料理を作ってたのが発覚したときの、主人公の気持ちを理解しうるかどうか、で本作品の評価は大きく変わってくるのではないかと思うからだ。この設定はおもしろい。真剣に何かに打ち込んだことがあって、しかもそのことでリアルチートとしか思えない同僚や先輩がいて、強い敗北感や挫折を味わったことがある人は、何かしらの強い感情が生まれるのではないだろうか。

少なくとも私は主人公にかなり共感した。オチ自体は予想がついたが、マリーさんそりゃないよ、と。この主人公を器の小さい人物だと思ってはいけない。裏では理不尽な怒りや仕打ちをマリーにしてしまっていることを悔やんでいるし、基本的に素直に謝ったり改めたり出来る子である。しかし、人間には侵してはならない聖域というものも、やはりある。


他の特記事項として、二つほど。ルゥリィの破壊力がとてつもない。本作のヒロインの中では比較的まともな言動の持ち主(あれで?w)ということもあり、通常のエロゲのロリ枠と比べても随分とルゥリィに人気が集中しすぎているような気もするが、ともかくルゥリィはかわいい。攻略中、ブログのサブタイトルを「今日からここはルゥリィを愛でるブログになりました」に変えようか思ったけどとどまったくらい。なんだろうな、古参エロゲーマーにとっては、黒猫ででっかいリボンは遺伝子レベルで刻まれているんだろうか。抵抗は無意味だ。

もう一つ。自分はまったく知らない業界なので気にならなかったが、飲食業に従事している人間から見たら設定が崩壊しているらしい。言われてみれば、設定上けっこう大きいレストランなのに、従業員が3〜5名というのは……ラーメン屋やファーストフードだってもうちょっと人数が要るのでは? まあ、リアリティを犠牲にして物語としてのコンパクトさを取ったということか。無駄にキャラの数を増やしても煩雑になるだけだしね。専門家がエロゲに関してぶちぎれていた例で一番記憶に残ってるのは、『そして明日の世界より―』でボーリングの描写がおかしいってレビュー。これほどのレアケースは、多分あんまりない。

総合して、75点前後かなぁ。キャラに癖がなければ80点枠という、通常のエロゲとは逆パターンな欠点を持つ作品であった。


以下、ネタバレ。攻略順。
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2009年06月17日

祝福のカンパネラ 余談

以下は比較的本編とは関係の無い妄想。長くなりすぎたのでレビュー本体から分離。

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祝福のカンパネラ レビュー

さて、どう書いたものか。「甘かったです、ごちそうさま」が第一声としてふさわしいだろうか。

個人的に比較対象としたいのは『こいびとどうしですることぜんぶ』である。あっちはあっちで悪くなかったのだが、どうにもこうにも人間味に欠けた部分が気にかかって、あっちのレビューで評した人口甘味料がけっこう自分なりにうまい表現だったりした。じゃあ『カンパネラ』はどうだったかというと、わざとらしい部分がなかったかと言えばそういうわけではないものの、随分とごまかしている。これはかなり自然な、くどくない甘みに近い。

シナリオはザ・ご都合主義&王道。気にしたら負けである。しかし一つ注文をつけると、それならそれで妙な理屈はこねないで、こまけぇことはいいんだよ!にしてしまったほうがすっきりとした流れになったのではないだろうか。設定を複雑にするなと言っているわけではない。エール関連に関してはよくこれだけ練ったもんだと思う。別の、もっとシリアスなゲームに転用できそうだ。

しかし、それとオチの付け方というのは全く別物であって、ミネットやチェルシーのシナリオは「なんとかする」ための弁解が過ぎたかなーと。そのために随分とシナリオが間延びしており、これは眠いと言われても、言い訳できない。しかも所詮ご都合主義のための弁解に過ぎない文章であるため、読んでて大して楽しくないという。その分、ご都合主義には違いないにしても、アニエスやカリーナのシナリオはまだ多少はすっきりしていた。王道という面でも少し文句が出る。別に王道そのものは悪くないんだけども、表現がどうにも古臭いというか、もうちょっとひねられなかったのか。青臭すぎてちょっと笑ってしまった。一人ずつ集合とかどこのロマサガ3だよ。それをエロゲでやられても。

シナリオ面において最も重要なのは、レスターさんのキャラクター。レスターさんイケメンすぎ爆発しろ、の一言で済ませてしまってもなんら問題はないのだが、一応いろいろ言おうとしてみると、シェリーさんが「自分好みに育てた」という設定がけっこう言い訳としてうまく機能しているなぁと。くどいくらい「よく考えて行動しろ」と言われるわけだが、単純に繰り返しているわけではなくて、本当にレスターさんがしっかり考えてから行動しているように見える。その結果はまあご都合主義であるにせよ、レスターさんがしっかり考えてからの行動が、結果に結びついているのはよかった。もっとも、結びつけるための超展開もいくつかあって、若干本末転倒気味には見えたのだけれど。とりあえず、私はレスターさん大好きです。この主人公像は良い。

このように数々の文句はありつつも、文章は非常に丁寧に書かれたものだと思う。結果が全てと言いつつも、そういった努力が見える文章だから、そんなに叩く気が起きないんだよなぁ。レビュアーとしては良くないのかもしれないけど。


ビジュアル、音楽は文句なし。特に、立ち絵の破壊力がとんでもない。まさに外れがない。決めポーズ的な立ち絵は用意されていてしかるべきで、パースが崩れているものなんぞ一枚絵以上に論外なわけだが、本作の立ち絵は全弾勝負と言っても過言ではない。それもサブキャラやゴーレムに至るまで。こ〜ちゃはロリ得意で年上苦手と言っていて、確かにチェルシー、シェリー辺りはやや苦手そうに見える。だが、カリーナは悪くない。この辺りの年齢層が境界線ということか。まあ、ガーネットやミネットが一番しっかり描けている辺りやっぱり、ロリコン乙。

逆に不必要だったものは、あの3Dの戦闘。あれ自体が悪かったというよりも、全く盛り上がらない。ほのぼのしていること自体は悪くない。ゲームの雰囲気上、そうせざるをえない。しかしエフェクトの平凡さが最大の戦犯だろうか、シリアスシーンでもあの戦闘方法というのは緊張に欠ける上に単純なインパクトとしても大分弱い。あれだけは本当に必要なかった。


総じて、『はぴねす!』からの進化と停滞の両方を感じさせてくれる作品。進化という面では、オーガストの『はにはに』から『明け瑠璃』や、Navelの『シャッフル』から『リアリーリアリー』への進化を彷彿とさせる。が、『明け瑠璃』が一応シナリオゲーとしても成立しえたことや、『リアリーリアリー』がネタ方向に突っ切ってしまっているのに比べると、まだまだ中途半端さが否めず、まさにこの中途半端さが『はぴねす!』から抜け出せなかった、ういんどみるの弱点であり、ある種の人にはまだ凡百のエロゲ扱いされてしまう原因ではないだろうか。79点。プレイ時間はけっこうかかった。おまけまで含めて、30時間くらい?

さて、こうなると次の一手が楽しみだ。がんばれ、萌えゲーメーカー諸氏。シナリオゲーにはない、独特の味わいがあるというところを見せて欲しい。


以下、ネタバレぞーん。クリア順に。
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2009年04月19日

GA2 無限回廊の鍵 レビュー

GA2の二作目をクリアしたのでレビュー。『絶対領域』についてはこちら。すでに三作目が出て完結してるわけだが、そっちも友人から借りてあるので問題なく続いてプレイしていく予定。GWまでには終わっているだろう。今回も程よくおもしろかった。GAシリーズに関しては、ブロッコリーは本当によくがんばってると思う。とても木谷社長の「スターウォーズとサクラ大戦を足して二で割ったらおもしろくね?」という冗談からスタートした企画とは思えない。

ストーリーについてはあんなもんだろう。可も不可も無い。いつも通りのGA。矛盾は無いし超展開は無いけどツッコミどころはあるという。SLGはマップごとに戦闘条件を変えて工夫しようとしているところが見られ、努力は買いたい。ただ、すぐにカズヤ君(正確にはブレイブハート)が戦闘から外され、攻撃モードが使えなくなるのは閉口した。あれに関しては指揮の暇な時間をつぶせる有効な手段だったのに。加えて言えば、攻撃モードを封印されるととるべき戦略がGA1の時代に戻ってしまうだけなので、全く新しい感じがしない。貸してくれた友人に聞いたところ「『永劫回帰』はもっと攻撃モード封印されるよw」とのことなので、どうやら改善されなかったようだ。

まあしょっちゅう封印される理由はなんとなくわかっていて、攻撃モードが強すぎるからだろう。嫁+合体補正のかかったテンションMAXのアニスで高速艦を攻撃したら10秒で沈んだ。『絶対領域』ではこんなことなかったから、本作からこうなったのだろう。だったら攻撃モードの難易度を上げてしまえば解決したのではないだろうか。まあ三作目も出てしまった今となっては言っても栓の無いことだが。


以下、ネタばれ。
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2009年04月12日

戦え、世界とそして内面と。

雑記「サブヒロインは世界と闘争する」(HOTEL OF HILBERT)から、ちょうど自分でも書こうと思ってやめていた話題だったので、都合よく便乗。主に1のほうについて。2のほうもおもしろそうだけど、ちょっと書くのに時間が必要そうな話題なので、また今度書くかもしれない。もちろん、『かにしの』他のネタバレ有。


確かに、攻略化要望の出るサブヒロインとそうでないものというのは比較的はっきりと分かれるところである。そしてメーカーが勘違いして、後者のヒロインなのに追加しちゃって不評だったり、せっかく前者のヒロインだったのにシナリオに殺されたり、ということはしばしば見る光景である。前者の例として、該当記事で挙がっている『かにしの』の例に付け加えれば『With You』の乃絵美、『それ散る』のかぐら(完全版の話は忘れる)、『Fate/stay night』のイリヤ、あとは友達から『はるのあしおと』の教頭という声も上がった。全て納得できる話だ。自分だと、ちょっと前まで『明け瑠璃』のフィアッカ(notリース)と言っていたけど、MCでおおよそ納得したので撤回する。

『マブラヴ』もそういう声の大きかったゲームである。柏木にしろ月詠さんにしろサプリメント的な意味じゃなくてなんらかの方法で攻略したかった。かく言う私も、『マブラヴAF』に一番期待したのは霞が攻略できるかどうかだったし。ついでに言えば、いまでも築地×茜のシーンがなかったのはおかしいと思ってなくもない。

極端なのはういんどみるで、『はぴねす』は『りらっくす』で本当に全員攻略できたときは驚いた。準はまああってしかるべきとしても、義母実母かまわずというのはなかなか見られない光景。そのつながりでそういえば、最近自分と同時に『カンパネラ』をやり始めた某友人が「ガーネットにルートがないのはおかしい、修正しる」と叫んでいたがあれは純然たる声優補正である。いいもん、チェルシーは攻略可能だもん。まあ『はぴねす』の前例を見るに、ガーネットもFDで攻略できる可能性が高いわけだが。ゴーレムが攻略できるかどうかが分水嶺だな。


閑話休題。ルート要望があるというのは、もちろんその子と仲良くなった光景が見たいということもあるが、「その子の物語が見たい」という欲求でもある。多くのエロゲはヒロインのトラウマ救済ストーリーであるということは否めず、トラウマを使ってヒロインの内面を描写しているとも言える。今度はこっちの話とも微妙につながってきそうだが、トラウマ救済に引きずられすぎて、主人公は恋愛を楽しんでいるのか人助けがしたいのかという軸がぶれているエロゲも確かに多い。

いずれにせよ、ルート要望の強いサブヒロインというのは世界になんらかのトラウマを残してきているないし残している可能性があるということであり、「ヒロイン全員の救済」がある種の強迫観念になっているエロゲの主人公にとって、その世界は最初から欠陥があったということになる。「ヒロイン全員の救済」を達成できないのだから、これを欠陥と呼んでも差し支えなかろう。もちろん、そんなのは単なる強迫観念であって、実際には欠陥でもバグでもないわけだが。その意味で「○○が攻略できないのはバグに違いない」という比較的よく見る言い回しは言いえて妙である。サブヒロインが必要以上に、そしてメインヒロイン以上にかわいく見えるという現象は、この内面の秘匿という要素も大きい。だからこそ、いざ追加されてみるとそこまで深い内面もなく、がっかりだったりするのだけれど。

『かにしの』のサブヒロイン群というのは「解決されていない内面」として最も典型的である。リーダさんはあのみやびシナリオをもって「攻略完了」と見なすのかどうかは意見の分かれるところであるが、私としてはやはり、どこかで分離してリーダさん「だけ」を純然に攻略できるシナリオも欲しかった。三嶋さんもファンブックに「全力で攻略したくなるように描いた」ともあるように、あらゆる要素がメインヒロイン級である。本校系の分校の生徒というだけでも内面のトラウマは何かしら保証されているようなものなのに、みやびシナリオで彼女の実家は倒産する。ルートはいくらでも作れるだろう。奏や通販さんも、同様になんらかの描写されていない内面を残している。それに比べると、大銀杏やちとせ、のばらはそもそも内面云々以前の問題で描写が少なすぎるし、双子は解決済といえばそうであろう。上記の挙げた諸々のゲームにせよそれ以外にせよ、「そのサブヒロインは本当にメイン級なのか」ということを考えるのは、結構その世界を分析するのにも役立ったりしておもしろい。

  
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2009年04月09日

水夏を真冬にやった記憶がよみがえる

ずっと書こうと思って草稿段階で止まっていたものでもつぶしていこうかと。その一つとして、「季節を感じるエロゲー」について。とりあえずデータとして、批評空間のPOVを列挙。作品は上位三つ。

春ゲー → 東鳩2XRated、CLANNAD、さくらシュトラッセ
夏ゲー → AIR、車輪、こんにゃく
秋ゲー → 秋色恋華、秋桜の空に、もしらば
冬ゲー → Kanon、ゆのはな、G線


ぱっと見の数字でいきなり判断が付くとおり、夏冬に比べて春秋は投票数が少ない。加えて上位のゲームを見ていっても夏冬は納得できるが、春秋はそうでもない。たとえば夏は上記の三作品以下、『CROSS CHANNEL』『もしらば』『水夏』『_summer』『ひぐらし』『水月』『ラムネ』と続く。どれにも異存は全く無い。特に『AIR』と『ラムネ』の夏してる感は異常。そういえば『君のぞ』も夏だからこそいい。ひと夏の思い出だからこそ成り立つゲームだし、水月の誕生日を8/27に設定したのは演出として神がかってる。

冬でも四位から下は『ゆきうた』『SNOW』『DMF』『パルフェ』『天いな』『ぱてぃにゃん』『SWAN SONG』『俺つば』と、『DMF』『俺つば』は私が未プレイなものの、やはり異存のあるゲームがない。冬も何より『Kanon』と『ゆのはな』の存在感がとてつもない。有名どころだと『Fate/stay night』も冬だけど、言われてみれば確かに冬だったイメージが強いからすごい。

ここで春を見てみると1〜3位と4位の『DC』はまだ納得できるものの、5、6位の『それ散る』、『はぴねす』にはスタートが春というだけでゲーム内容が春かどうかには首をかしげるし、『はるのあしおと』に至っては季節が完全に冬である(あしおとなんだから……)。人がいかにタイトルだけで投票しているかよくわかる。そこから下は票数そのものが極端に少ない。

秋は、秋色恋華からいって一番秋を感じるのがOPムービーという作品だし、『もしらば』は夏じゃないのかと思ってみたら案の定「夏ゲー」でのPOV登録のほうが多い。これらに比べたら5、6位の『Canvas』のほうがまだしも秋だったイメージがある。個人的には秋といえば『ONE』か『月姫』か『月陽炎』なのだが、どれも順位が低い。いかに秋のイメージが人それぞれか想像がつく。こうして見ると、春に比べても「ザ・秋」と呼べるゲームが不在である。

なぜ春と秋は少ないかと言えば印象付けられるほど特別なイベントが無い、とりわけ学園物でなければかなり難易度が高くなる。春は桜、秋は紅葉のイメージを植えつければ勝ちなのだろうが、実際そうなっているゲームは上述の通り一握りである。特に秋の紅葉は厳しい。『月陽炎』はその点、中秋の名月とススキという印象の付け方でうまかったと思うのだが、案外と登録されてないようで寂しい。あの寂寥感はなかなかだと思う。『月姫』もやはり月の存在が大きいか。

『ONE』は鍵ゲーで秋に当たるのがこれしかないという半ばこじつけだけども。麻雀で季節牌を配布するとき「『Kanon』と『AIR』と『ONE』と『CLANNAD』、どれにする?」という聞き方をするのは俺らだけでいい。
  
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2009年03月04日

夜明け前より瑠璃色なMoonCradle レビュー

『明け瑠璃』ファンディスク。無印と塗り方変わった。というかFA塗り。べっかんこうの原画もかなりFAに近く、元の絵と比べると若干の違和感がある。個人的には明け瑠璃本編の頃が一番好きなのでやや複雑。あと、全体的に目が大きくなった?多くのキャラがロリっぽく見える。特に菜月さんは誰こいつ率が若干高かったような。不満といえば不満かも。

シナリオをいくつかやってみて思ったことは、やっぱり明け瑠璃は世界がしっかりしていて、世界に没入するだけでもう楽しい。キャラが全員立ってるんだよね、フィーナから仁さんまで。仁さんまでというか、仁さんとおやっさんのキャラの立ちっぷりは半端ないんだけど。個別シナリオは本編ED後という設定だが、開始時に「あなたの隣にいたのは○○ですか?」という聞き方をするのも感じ出てる。こういう細かいところで気配りができるのは良い。

その個別シナリオはPC版から攻略できるキャラに関しては一人一時間程度でHシーン1回。ただしメインヒロインであるフィーナは本作でもオオトリを務め、Hシーンも二回。麻衣は本編での「エロかわいすぎて死ぬ」というユーザーの声が届いたのか、短いシナリオに二回もHシーンが詰まっている。PS2版から攻略できるようになった二人と、MC追加キャラであるシンシアも二回ずつ。シンシアシナリオのみ三時間弱とやや長め。全員クリアするとヒロイン9人なので、Hシーンをすっとばせば10時間弱程度。

サブヒロインのカレンさんはシナリオが欲しかったところだが残念ながら実装されず。その分と言おうか、多くのシナリオで出番増量中でシリアスもギャグもいけるさらにおいしいキャラになった。ところで、前から思ってたがカレンさんの私服が相変わらずパジャマ、もしくはパチェに見える。ナイトキャップがとても欲しくなる衣装なんですが……。

個人的にはリースシナリオが大幅に補完されてて嬉し涙。シンシアシナリオも非常に出来がよく、さすがはオーガストだなと思わせられた。何よりシンシアシナリオでSF要素がが強くなり、これでこそオーガストのシナリオというのを味わうことができたので良かった。あと、おまけシナリオおもしろすぎる。榊原拓がギャグ方向に覚醒していたような。まるであごバリアのような進化だ。

ファンディスクなので点数をつけるのは難しいが、明け瑠璃PS2版とあわせて85点くらいあげてもいいんじゃないだろうか。ここで私は明け瑠璃を私的エロゲ殿堂入りさせることにしたい。


以下、クリア順にメモしたことを。
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2009年03月01日

ヨスガノソラ レビュー

なんだかんだで先にクリアしてしまったのでレビューを掲載。明け瑠璃MCは当分待って。鈴平&ハッシーという原画陣、穹(実妹)のためだけにプレイした。というよりも批評空間の穹はキモウトという評価が気になった。どちらかが欠けていても手に取らなかっただろう。


まず総評から。典型的な「ヘタレだけどもてる  ※ ただしイケメンに限る」を地で行くエロゲ。テキストが眠すぎる、というのがレビューの一行目に出てくる時点でいろいろ悟って欲しい。誤字も多い。合う→会うとか、写す→移すとか。一々「スイーツ」っていうのがすごく気になる。処々の言葉遣いに違和感がある。

日常パートは大事だけど、ライターはそれを冗長さと捉えてはいけない。男友達ポジションの、亮平のうざさは異常。留年しているという設定も妙に頷けてしまう。そういう意味ではリアルなのか。彼が妙にどたばたして、日常をワンパターンにしてしまっている。テキストの使いまわしも多い。しかも、一々未読判定にされるためフラストレーションが溜まる。『アオイシロ』でも思ったけど、テキスト使いまわすならそこの部分は既読スキップしてほしい。

シナリオは一見爽やかな一方でどこかドロドロしてて、田舎らしさは感じた。地縁と血縁にまつわるしがらみがテーマの核心にいて、特に穹シナリオは近親相姦にまじめに取り組んでいてけっこうえぐい。キモウトという評価も頷ける。ただし今ひとつ残酷に書ききれていない、投げっぱなし気味なところもあって、テキストが一方的に足を引っ張っているとも言いがたい。シナリオにも大分改善の余地がある。

Hシーン一人3〜5つはすばらしい。こう言ってはなんだが、画集という自覚はあるらしい。共通は短い。個別に入ってからは1ルート2〜3時間くらい。総合して12時間はかからないくらい。ただ、本当に中身がなかったのでけっこうボイススキップして読んでたから、きっちり読めば15時間くらいかかるかもしれない。

あと、サブヒロインでクラス委員長がいてこの子はけっこうかわいいのだが、この子は攻略できないからこそ光る典型的なキャラだと思う。地味すぎる。委員長がメインとして光るには、明け瑠璃PS2の翠シナリオレベルの補正が必要だ。


推奨攻略順は一応 ダメイド→お嬢→巫女→メガネ→妹 としておくが、共通ルートで眠気を感じたならメガネ→妹の二人だけでもいい。また、どうにもメガネが嫌いなら巫女→妹で。その場合、妹ルートの序盤ちょっとわかりづらい描写があるかも。自分はメガネを最初に攻略し、その後巫女→お嬢→メイドと進んで最後に妹に行ったためすごく失敗した。お嬢→巫女の順番は確実に守ること。

あまりこういう点数の付け方は好きじゃないが、穹シナリオとそれに付随する設定だけなら75点ほど。それ以外のシナリオは60点前後と言わざるを得ない。そこで平均して、画集としての点数を加点しても65点くらいしかあげられない。全部穹シナリオくらいのシナリオ&テキストレベルだったか、そうでなくとももっと田舎の閉鎖空間を売りにした個別ルートのテーマ設定をしておけば、かなりマシな評価ができたと思う。


以下ネタばれ。
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2009年02月24日

『ネコっかわいがり!』レビュー

ネタバレなしには何も書けないので最初から隔離。今からやる気のある人は絶対に読んじゃダメ。ネタバレ踏んでもいいやという人とクリアした人のみどうぞ。


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2009年02月03日

こいびとどうしですることぜんぶ レビュー

(最初に。忙しすぎて一日30分以下くらいしかプレーできず、クリアまで20日以上かかってるので、なんかもったいない作品の浪費をしてしまったような気も。明け瑠璃MCまでエロゲできないかもなぁ。できて一作か。)


エロゲ批評にある種の生きがいを感じている人種に対しては、コンセプトですでに勝ってる作品。そして予想以上のコンセプト達成状態に、クリア直後は良い意味であいた口がふさがらなかった。有名な話だが、開始3分で告白して5分でHシーンに突入する。

玖羽は「二次元でもこんな子いねぇよ!」ってくらい、いい子。だからだろうか、どことなく人間味がない。この作品はヒロインを気に入るかどうかが全て、としばしば言われるが、本当のところはこの人間味のなさにどれだけ耐性があるか、ではないかと思う。

だが、男のほうもいい子なので、この二人にはぜひとも幸せになっていただきたいと、自然に思える。そして実際そうなる。これはこの作品の美点だと思う。また、世の中には「こんなにラブラブな状態のまま持続するカップルなんてねーよ」と言う人もいそうだが、それに関してはすごく身近にそういうカップルがいると私が自信を持って答えることにしよう。あのカップルも8年目やぞ、おい……>関係者各位。あいつらいつまでラブラブやねん。


シナリオは全部ありえないほどこの二人にとって幸運に推移するが、それもゲームのコンセプトの一部かなとは思う。でも、自然甘味料じゃなくて人口甘味料的な甘さに感じてしまう、というのはやはり前述の玖羽の人間味の無さのせいか。ただ、人口甘味料っぷり自体は徹底していて、二人は一度もケンカしないし別れるという話になったことさえなくエンディングまで到達する。そこは褒めてもいいと思う。これでケンカしてたら「話が違うじゃないか」と言って投げていたかもしれない。

もう一つ、エロゲではよくあることだが玖羽が主人公に依存しすぎてて怖い。社会性低すぎて、よく今まで高校生やってこれたと思うレベル。これで成績優秀とか言われても。まあ、付き合うことで社会性の低さが解消されていくのがこのゲームのテーマの一つなので、ある程度仕方が無いのではある。『いちゃラブ大全』の感想のほうで述べた、「ちゃんと将来を考え、結婚まで到達し、周囲からも応援されるようなのは見ていて気持ちが良いいちゃラブ」を地で行く形で、二人が付き合う仲で玖羽が次第に第三者(=友達)を増やしていく。この流れはおもしろかった。

この周囲の人間も、ご都合主義の一部と言われればそれまでなものの、本当に良い人だらけだった。特にハワイ君。最終的にあんなにキャラが立つとは思わなかった。というよりも「(家族が)ハワイ好き」という設定は意外と新鮮だった。トドちゃんも世良さんもマジ良い人。互いの両親もマジ良い人。遠藤父はいいタイミングで出現しすぎ。

最後に、ネタバレにもならないと思うので言ってしまうが、前述の通り開始3分で付き合い始め、ほとんど回想なしにそのままいちゃいちゃし始めるので、付き合ってからがゲームの大半を占める。途中で同棲を始めて挙句結婚するわけだが、これだけ「同棲以後」を中心に描いたゲームは、自分の知る限り『とらハ2』以来じゃないかと思う。自分で気づいて笑ったのは「そうか、設定上18歳以上だから高2でも結婚できるんだwwwwww」ということ。ゲーム内ではどう見ても高校二年生だからなぁ。やられた。「子供が出来ても、中年になっても、おじいちゃんとおばあちゃんになっても……私たちは、恋人同士」けだし名言ですわ。いちゃラブじゃないけど、『とらハ1』の綺堂さくらエンド思い出した。

Hシーンは非常に多く、1ヒロインなのに33シーン。正直遠藤君絶倫すぎるw。使えるかどうかはミヤスリサが好きかどうかによるのでノーコメント。

点数は前述のようにコンセプトとその達成度だけで言えば100点なんだろうけど、テキストや音楽、ビジュアルのレベルはまるで70点前後でしかないのがどうしたもんか。これで玖羽に人間味を持たせることができたら完璧かなぁという期待も込めて、やはり高い点数は与えられない。


どうでもいいけど、「一緒に暮らしたい」のシーンでウリナリのショートコント思い出した。歳なんですね、わかります。
  
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2009年01月16日

さかあがりハリケーン レビュー

まるねこラインと言われつつ、ライターが木緒なちという若干の変化球的な本作。評価としても、どうしてもまるねこラインの過去作品、とりわけ『こんにゃく』とはどうしても比較されることが多い、というか、木緒さんががんばって似せている部分も多いので、どうにも比べざるをえない。

シナリオとしては至って普通の学園物。『パルフェ』の里伽子シナリオ以外くらいの水準と考えてくれればいい。共通ルートの学園祭開催まではちょっと強引なところもないわけではなくて、少し減点。特に、高校時代の三分の一くらいを高校の学園祭につぎ込んだ自分としては、物言いの付くところは多い。また、共通ルートの前半(OPムービーまで)が一番丸戸に似ている部分なので、丸戸嫌いだと逆に鼻に付くところがあるかもしれない(まあ木緒嫌いという人はいないと思うけど)。

日常会話のレベルは割と高く、比較的笑える。パロディネタが的確で適度なので、良いテンポを作り出す一環になっている。戯画作品からのパロディは当然として、「こいびとどうしですることすこしずつ」って、SiriusはVA系列じゃないかw、とか。エロゲ以外からのパロディも多いが、わかりやすいネタが多く困ることはないと思う。

そういえば、言われているほど主人公は空気ではない。かといって、ハリケーンと呼べるほど暴れているわけでもない。『こんにゃく』の航に比べるとインパクトは薄いし、『パルフェ』の仁ほどの男気も無い。どっちかといえば普通のエロゲの主人公だが、決してへたれてはないので合格。むしろ周りのヒロインがハリケーン、というのには同感。皆、キャラ立ってるよなぁ。はずれや空気が全くいない(あ、でもヤスは正直微妙だったかも)。エロゲ批評空間で見た「台風の真ん中は目だから無風」「台風は周囲ほど強風」というコメントは的を射ている。特にハルと涼は暴風、手が付けられません。また、見方によっては主人公が成長した結果無風化した、と言えなくもない。ネタバレになるので、以下は続きで。

ねこにゃんの原画レベルが『こんにゃく』から飛躍的に上昇していてよかった。立ち絵の破壊力がとんでもない。一人につき一つは狙ってる立ち絵がある。バリエーションも豊富。ゆかりルートラストの某シーンでは、一枚絵を使わず立ち絵で表現したところに思わず喝采の拍手。確かにあそこは、あの立ち絵じゃないとダメだ。ねこにゃんは『ショコラ』『パルフェ』の頃は正直不安になる絵も多かったけど、これなら安心できる。今なら胸を張ってねこにゃん最高と叫べる。本人曰く「アイマス曲聞いて4年間がんばった」というのも報われる。

Hシーンが一人二回ほどで比較的濃い。和姦好きなら使えると思う。システムはいつもの戯画システムで文句の付けようがない。本当に使いやすい。BGMはいつも通りのまるねこライン。目立ちはしないけど雰囲気は出てる。戯画システムの、切り替わるたびにBGM曲名が表示されるのはけっこう気に入ってる。OPEDともに名曲。意外とEDがいい、これはスルメ曲。

声優は知っての通り、むちゃくちゃ豪華で全員上手。もう水○かおりとミ○ゴスとチアキ○グと風音に田口宏子なんて、メンタンピン三色ドラ5くらいツボを突いている(私的にドラ5がミン○ス)。ただ、○橋さんの声がちょっと出しづらそうなのが気になった。もっと涼宮茜よりの雰囲気でもよかったと思う。○ンゴスはHシーンうまくなったな。


攻略は奈都希をトップバッターに。柚→ハルと涼→ゆかりは固定で、逆をやるとさっぱりわからない伏線ともったいないネタバレがある場合がある。どっちの二人を先にやるかは自由。自分は奈都希→柚→ハル→涼→ゆかり、の順番で攻略。特に難しい選択肢はなし。ただし、簡単すぎてバッドエンドの入口が見当たらないかも。共通ルートの話の都合上、シナリオ全体としては奈都希がメインヒロインということになるだろうか。しかしそこはまるねこラインらしいというか、もう一つの重大な伏線はやはり香奈子・里伽子の路線たる涼ではあるのだが。時間は共通ルートで5時間ほど、個別に入ってからは2時間はかからないくらい。


個別ルートの感想。珍しくネタバレはしてないので隠さない。

奈都希……はいはいツンデレツンデレ。金髪ツインテールの呪いともいう。業界で粗製濫造されている中、良質ではあったと思う。見飽きたって思えなかったから。個別ルート終盤のデレっぷりが危険。時期がもう少し早ければ、『いちゃラブ大全』に収録されていても全然おかしくなかった。○アキングはこういう演技もできるんだなぁ。

柚……『こんにゃく』の海巳と『FORTUNE ARTERIAL』の陽菜を足して二で割った子。いや、後者は単に田口宏子分かもしれないけど。なんていうか……何この、俺のドS成分がふつふつと湧き出てくる子は。ゆじゅでじゅかわいいよゆじゅでじゅ。最近では珍しい、食べ物でキャラ立てしてる子で、キーアイテムは食パン。シナリオはぶっちゃけ何も起きない。

ハル……『こんにゃく』の茜ポジション。しかし、まさかこの展開が来るとはwwwwwww、いや、ありだと思うよ個人的にはこういうのも。奈都希ルートを先にやっておくと、親世代の心境が理解できてなお良い。某シーンでは、私も吟次にもらい泣き漢泣きですよ。

涼……クールなんだけどお茶目。こういう子大好き。どうも、ミンゴス(あ、言っちゃった)が好きというよりも、好きなキャラのCVがミンゴスという気はする。結果、相乗効果で俺の嫁、と。まるねこラインで考えるなら、キャラが香奈子さんにだぶらないこともない。シナリオはオーソドックスな。クールな子っていうとこういうシナリオでしょう。

ゆかり……お姉ちゃん系幼馴染。S成分は中の人分か?wシナリオは涼が終わってれば大体想像がつくと思う。ネタバレなしではあんまり語るところはないかなぁ。


んで、以下はネタバレ。
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2008年12月21日

好きなエロゲ原画家四天王



ついこの間シナリオライターがあったと思ったら今度は原画家か。しかし、○○○○一位は正直意外だった。意外だったけど納得はできる。データをとった場所が葱板ということを考えると、すこぶる順当なランキングだったのではないかと、別の板でやるとまた全然違ってくるんだろう。

私的に四天王を定めると考えた場合、どこからが原画家でどこからが単なるイラストレーターか区別はつきにくい。動画に挙がってるのだと、こつえーは確実に違うわけで、そういう集合意識があったから、彼の腕の割にランクが低かったんじゃないだろうかと思う。よって、あくまで自己判断で。

しかし、好きなと言われると意外と難しいな。たとえばchoco chipとかは好きだけど、アトリエかぐやはほぼ未プレイ。ミヤスリサも好きだけど同人でしか知らない。やったことあると言っても、一作しかやってないというのが非常に多い。たとえば『そして明日の世界より』しか知らないけど植田亮はすごいうまいと思う。『キラ☆キラ』しか知らないけど片倉真二も好き。カワギシケイタロウも『燐月』しかやってない。くすくすも『もしらば』のみ。☆画野朗も実は『水月』のみ。大槍さんも一作だけ。やはり「好きな四天王」と言われたら、複数作品はやっていたい。こういうとき自分の雑食が恨めしい。

あと、どの作品の絵で判断すればいいかというのも割と難しい。みやま御大の絵は大好きだけど、『プリブラ』のを評価しろと言われても……正直困る。NiΘも好きだが、機神飛翔以前の絵はちょっと。藤原々々も『ゆのはな』以降ならば好き。有葉は同人の人という感じがする。甘露樹はうまいとは思うがみつみ美里に近似でき、同様のことがあんころもちと秋乃武彦にも言える。ただ、コットンソフトの最近の作品を見ると少し画風が変わってきたようだ。

ここまでで大分絞ったわけだが、ここまでで脳内で残った人たちはほとんど差が無い。ここからはもう適当な理由をつけて切っていくしかない。笛は一般CGなら神だと思うけど、Hシーンが全くエロくない。中央東口も、かっこいいとかかわいいには強いけどあんましエロくはないかなー。秋乃武彦はうまいんだけど特徴に欠ける。こ〜ちゃは『はぴねす』が思いのほかエロかったので高評価してるけど、どちらかと言えば今後に期待。と、無理やりな理由をつける最終選考を潜り抜けた、マイ・フェイバリット・エロゲンガーはこの人たちだ!

・カーネリアン(『顔のない月』『きると』『桃華月譚』)
・べっかんこう(『はにはに』『明け瑠璃』『FORTUNE ARTERIAL』)
・鈴平ひろ(『シャッフル』『チックタック』『リアリーリアリー』)
・上田メタヲ(『ゴア』『蟲愛』『銃刀』)

あんだけ悩んだ挙句、メタヲさん以外は超有名っすね!ミーハーですいません。むしろその下四人のほうがマニア受けな結果な気がする(笛、中央東口、秋乃武彦、こ〜ちゃ)。
  
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2008年12月03日

好きなエロゲライター四天王

ちょうど友人とメッセでエロゲライターの話をしていたところなのでタイムリーに。(ネタ元:三毛猫艦橋さん

私の好きなエロゲライターから四人選ぶとするなら、丸戸、瀬戸口、だーまえまでは即決まって、あと一人はやや空席気味に。(カッコ内は一番好きな作品)

・丸戸史明(『この青空に約束を』)
・瀬戸口廉也(『キラ☆キラ』
・麻枝准(『CLANNAD』)
・和泉万夜(『EXTRAVAGANZA』)

選考理由として。丸戸は台詞回しが抜群にうまい。豆知識が必要なわけでも頭を使わせるわけでも無いのにウィットがすごくきいている。ただし、シナリオに起伏が薄く、個別ルートに入ってからのシナリオがおもしろいかと言われれば疑問。戯画の作品群でも『ダメ恋』でもそうだったが、メインヒロイン以外のルートがやけに短かったり単調だったりする傾向はある。しかし、パルフェの里佳子ルートに代表される、他のヒロインのシナリオを犠牲にしてまで張ったメインヒロインのシナリオのインパクトは爆発的で、そこが丸戸の真骨頂なんだろう。

瀬戸なんとかさんの場合、シナリオもテキストも一貫しておもしろいが、特徴的な文体ではある。理不尽とその解決という点ではだーまえに近いが、向こうは奇跡でこちらは人間の尊厳である(というか実質解決してない)。欠点としては、やや間延びすることがある。『SWAN SONG』の中盤や『キラ☆キラ』の第二部はもう少し締まったんじゃないかと思わなくもない。惜しむらくは早々に引退されてしまったことだ。

だーまえの場合、ギャグが秀逸すぎる。『MOON.』は少し別としても、『ONE』から一貫しておもしろい。本格的に覚醒しているのは『CLANNAD』と『リトバス(EX)』。丸戸さんもそうだが、エロゲであることを踏まえたテキストを作ってくるような気がする。音楽や演出とばしっとあっていて爽快に感じる。シナリオ作りは常に理不尽とその解決としての奇跡で、ワンパターンであるがこれはこれですでに一つの型である(羊肉うまうまさんにトラバしていただいたように、リトバスの記事で少し詳しく書いた)。

和泉さんは、まあメタヲとどちらがどの程度案を出し合ってるのか知らないが、Hシーンパターンの豊富さと陵辱描写に関しては文句をつける人がいないだろうw。毎回吐き気と腹筋を押さえるのが大変である(やりすぎてギャグに見えることしばし)。また、意外と王道の燃え展開を作るのが非常にうまく、そのための伏線作りが巧みである。『マイブラ』も『蟲愛』も分岐が激しい割に、メインはド王道であった(シナリオ全体の構成もうまいのであろう)。現在はヘルプのライターをやっているようだが、この人には企画から携わってもらったほうがいいものができる気がする。


和泉さんと迷ったのは、まず虚淵。彼の作品はほぼ全部やっていると思うが、実は『Phantom』と『沙耶』と『ジャンゴ』以外は自分の中での評価はあまり高くないので、私的には少し当たり外れがある。『沙耶』と『ジャンゴ』を見ている限り、虚淵は短編のほうが得意なのではないかと思う。仮に瀬戸口をエロゲライターではないとして外すなら虚淵を入れる。

健速も嫌いではないが、ED付近の投げっぱなしと毎回主人公があまりにも同じという点が引っかかる(詳しくは『そして明日の世界より』のレビューで書いているようなこと)。丸谷さんも割りと好きなライターだが、いかんせん『ゆのはな』と『かにしの』の分校しか知らない。あの妙な薀蓄語りはツボに来るし、それを抜いても日常会話がおもしろい。ただ、シナリオの起伏は丸戸よりもさらに薄く、気づくと眠い。


とか言う話を友達とメッセでしてたら、「なんかメジャーなの入ってなくね?てかロミオは?」的なことを言われた。三毛招きさんのだって入ってないわけだがw、一応弁解しておくと他のメジャーなライターさんだって嫌いじゃない。奈須きのこは設定構築と燃え展開はうまいと思うし(彼はすでに完成されたあの型月世界の設定で派生させた物語だけで一生食っていけるだろう)、ヤマグチノボルはゼロ魔しか知らないのでうかつなことは言えないが、ゼロ魔であれだけ書けるんだからエロゲのほうも書けるんだろうという気はする。星空めておはけっこうやったんだが『Forest』以外、イマイチおもしろいと思えたのが無い。

ただ、その友達の言う通り、ロミオとるーすぼーいは苦手である。ロミオ作品で一番好きなのが『神樹の館』でどうでもいいのが『クロスチャンネル』、という世間と魔逆の評価をしている辺りでいろいろ察していただきたい(『最イマ』は未プレイだがやる気はある)。るーすぼーいは『A・プロフィール』はまだしも『車輪』がもう明確にあわなかったからダメだろう。『G線』も含めて、設定でもう引く。他の有名ライターだと、トノイケが『水月』だけ、王雀孫は『それ散る』だけ、朱門優は『いつ空』だけ、タカヒロは『つよきす』だけしか知らないから何ともいえない。

そういえば、こういうトークで鬼畜人タムーや吉宗綱紀の名前が挙がるのを見たことが無い気がするのだが、ageのライター陣は確かに集団戦という感じがしすぎて、名前を挙げにくい。

  
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2008年11月30日

いつか、届く、あの空に。 レビュー

賛否両論激しいゲームだが、私は「賛」の側の人間ということになりそうだ。OPまでが体験版ゾーンだった、とのことだが、これは君のぞオマージュか。しかしだったら、「天体観測シネマNVL」などとごまかさずに、最初から伝奇的作品ですよということを明示する気概は欲しかったかもしれない。体験版をやらなかった結果、本気でだまされたユーザーもいただろうに。しかし、OP直前の流れは本当に君のぞの一章終了間際を彷彿とさせ、すごい勢いで引き込まれた。あの演出は、何度出会っても鳥肌が立つ。

欠点はといえば、どこかのレビューで「情報管理と説明不足は別の概念」という言葉を読んだが、全く持ってその通りである。このシナリオライターは完全にその区別がついていなかったようで、情報を秘匿しまくった結果、せっかく丁寧に張ってきた伏線を回収がすごくわかりにくい。ふたみルートはいいのだが、此芽、傘ルートは説明不足の極致である。しばしば「主人公の理解力が早すぎてついていけない」というプレイヤーもいたようだが、それもうなづける話である(個人的には問題なく、むしろあの話のテンポの早さは心地よかったのではあるが)。

そのせいか、設定が矛盾してるのか公開されてない何かがあるのか、それとも単に大半のユーザーが気づいていない設定が存在しているのか、さっぱり判断がつかない点が多い。ゲーム内で一度説明されたことがあとから「あの設定はあのキャラの誤解で真相は別でしたorわざと嘘の説明してました」というのが発覚するというパターンが、これまた非常に多いので余計に混乱する。そして、公式発表がまた当てにならない。レビュー・考察サイトはそこそこ数があるが、皆困惑しているようである。

他の点では、Hシーンが一回しかなく、薄いうえに無理な場面設定だなと思った。せっかく萌木原御大の美麗なCGが売りのゲームなのにもったいない。設定上仕方が無いとは言え、メメが攻略できないのは惜しい。のんやみどのはしょうがないとしても、メメぐらいは、という気がしないでもない。

点数は75点強。全ルートがOP前かふたみルートくらいのクオリティなら90点も夢ではなかった、非常に惜しい作品である。

これで今積んでいるものは全部終わったし、金も冬コミに向けてとっておかないといけないし、就活で少しばかり忙しいので、当分エロゲはできないかと思う。まあ年内に復帰してたら「さすがDGさんっすねwwwww」とか褒め称えてくれればいいじゃない。


以下、ネタばれ。  続きを読む
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2008年11月20日

これは懐古しても許される

これは明確に覚えがある。一番印象に残っているのは、ねこねこソフトの『朱』がCD-ROM版とDVD版、両方発売されたこと、だ。確か当初はDVD版のみの予定であったが、販路が確保できずCD-ROM版も結局同日発売になった。あれはエロゲ業界全体でもかなり先駆けた行為であったため、当時広く話題になった。2003年の夏のことだったと記憶している。

DVD化というのは要するにエロゲの大容量化と鶏と卵の理論で進んだものであったが、その移行期というのはインストールにCD-ROMを複数枚使う時代であった。今でも少し古いエロゲをやると、「Disc2を入れてください」とはインストール中によく出てくるフレーズである。2004年発売のFate/stay nightもその移行期的な時期だったが、「CLANNADはDVD一枚なのに、なんでCD-ROM三枚もインストールに使わねばならんのだ」と思った。今調べたら、DVD版が出たのは2006年のことだったようだ。

そして、上記のサイトのグラフを見ればわかる通り、この移行期が長かった。03年から始まって、05年に終わりを迎えつつあったというのは自分の体感を思い出してもそうである。最近やったエロゲだと、『らくえん』も『クロハ』もCD-ROM二枚だったが、らくえんが04年、クロハが03年発売である。曲芸商法の始まりである、DC無印でも確かそんな話があった。というよりも、団長からしてみれば「これは別バージョンを発売するチャンス」という、さぞ輝かしい商売の種に見えたことだろう。画期的だったのは、「とらハ1・2・3DVD」である。古典的名作を(バグ無し・追加パッチ無しで)一度にできたのは僥倖であった。

CD-ROM版のとどめはやはり『マブラヴ』である。オルタまで含めてCD-ROM五枚という当初の計画は、ユーザーにケンカを売っているとしか思えない(結局無印までで三枚だったんだっけ?)。もう一つ覚えがあるのは『V.G.NEO』のCD四枚組。あれは狂気の沙汰である。いかに16倍速のドライブであってもインストールに一時間かかるとは思ってもみなかった。その上ゲームを起動した瞬間、追加パッチを当てないと起動しなかった日にはROMを叩き割ってやろうかと思った。今思い返せば、あれもいい思い出である。

  
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2008年11月10日

らくえん レビュー

浪人生でヲタクな主人公が、ひょんなことからエロゲ制作会社に入り原画家としてデビューすることになってしまった、という話。あらすじでわかるとおり、ヘビーなエロゲーマー御用達で、「重症を自認するなら、必ずやれ」としばしば言われている作品。そして、プレイしてみてその理由はよくわかった。確かにこれは、エロゲと業界に対する知識と愛が無ければ、おもしろくないゲームだろう。エロゲを他人に勧めるときの心境はまさに「堕落する準備はOK?」。ええ、何人も堕落させた覚えが僕にもあります。

シナリオは、日常パートとエロゲ制作時に関しては非常におもしろかった。ヲタネタをふんだんに使ったテンポのいい会話は読んでて気持ちいい。エロゲ制作の話も、「あーリアルやわー」と苦笑しながら読める。ただ、キャラの個別の話は若干作り込みが甘い。可憐はあんなに話を広げる必要が無かったし、紗絵はもう少し何とかできたんじゃないかと思う。

しばしば原画があわないと切られる本作だが、私的には問題なかった。ただ、今の売れ線の絵でないのは確かで、作中の主人公の絵がこの原画の絵と重ね合わせていると、壮大な自虐ギャグに見えなくも無い。音楽と演出はかなり凝ってて好感が持てる、特に演出面は技術的に難しいことをやっているわけでもなく、どちらかといえば単純なタイポグラフィと音声の有効活用に過ぎないのだが、これが効果的にきく。『Forest』に近い演出のように思われる。

このゲームで一番文句を言いたいのはシステム面。既読判定はいい加減だし、Hシーン回想も無い。何より、一回セーブデータがぶっ壊れてインストールし直させられたためにそこでかなり気力が萎えた(ちなみにtxtlogの故障だったので再インスコは全くの無意味であった)。しっかりしろよパスタソース。


まあ日常パートを楽しむだけでも十分元のとれるゲーム。80点。



以下、クリア順。
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2008年10月08日

借金姉妹 レビュー

これって悲恋モノじゃないか?


大金を借金している姉妹を手に入れて調教するゲーム。だが、調教要素をばっさり抜けば間違いなく純愛モノになる要素がちりばめられており、それを実現させた『借金姉妹2』が発売されたのもうなづける(それも1は低価格路線なのに2はフルプライス)。特に、某ルートをとりまく雰囲気は非常に物悲しく、調教モノらしい達成感とはかけ離れている。しかし、この雰囲気こそが本作の味噌であろう。

その最大の理由は主人公である。典型的な偽悪者であり、キャラクターとしてFFTのディリータ辺りにはよく似ている気がする。その出自、環境ゆえに自分にも他人にも冷徹だが、その実ものすごく愛に飢えている。表面上で既に大人な部分と非常に幼い部分が見え隠れしている。こういう系統のエロゲの主人公で、これだけ内面の設定が練ってあるのは珍しい。

ヒロイン二人が単純な設定ながらもかなり可愛いので、「エロゲ」としてはかなり使える部類。陵辱目当てなら完全な肩透かしを食らうほど和姦多めで、比較的ぬるい内容といえる。主人公が「身体破壊や改造は趣味じゃない」「自分も相手もイクのが理想」という割と真っ当な思考の持ち主で、調教も相手の感度を引き出すことに終始している。鞭も蝋燭も三角木馬も出てこない。ただし、CGの使いまわしが多いのと、終盤はかなりマニアックな責め方をするため、どの程度使えるかは個人差があると思われる。かく言う自分も、全く趣味にあわず閉口したものも多かった。

『燐月』といい、Selenはこういう妙に味のあるゲームを作ってくれるから割と好きである。ただ、『真・燐月』が思いのほかつまらなかったので、実はSelenは純愛モノ作れないんじゃないか疑惑が自分の中にあり、『借金姉妹2』をプレイするかどうかはかなり躊躇している(しかも品薄でなかなか中古の値段が下がってこない)。

あとは、システムがかなり使いづらいのが気になった。ウィンドウサイズの変更のために一々ゲーム終了させなければいけないなんて不便すぎる。バックログも短い。CG鑑賞、音楽鑑賞モードが無い。この辺は改善して欲しい。総合して、70点前後。


以下、ネタばれ。
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2008年10月02日

キラークイーン レビュー

ルールが複雑なバトルロワイヤル、と説明するのが一番簡単だろうが、その結果むしろ人狼のほうが、ゲームシステムとしては近いような気がする。大量の二次創作が作れそうな設定であるし、それこそ、もう少しルールを整えれば第二の人狼として話題になる要素さえ秘めていると思う。

とは言いつつも本作そのものは単なるADVで選択肢無し。単に読み進めるだけでクリアできる。第一章と第二章があり、持っているPDAと首輪の番号、基本ルール等に変更は無い。単に最初の六時間で起きる出来事が違うのみである。ルールは第一章序盤に説明されるので、熟読しておくことをお勧めする。ただし、ゲーム開始前にあらかじめHPで読み込んでおき、自分なりに解釈してからゲームを開始してもおもしろいと思う。(キラークイーンの公式HP

こういったゲームにしては珍しく、一章のほうが出来が良いという評判だったが、やはりその通りだった。二章はあまりにも種が割れている以上に、展開が読みやすすぎて興ざめであった。CVで展開が読めた、と言ったら言い過ぎかもしれないが、まあ正直そんなところである。健速が基礎設定も考えたのかどうかは知らないが、そうだとしたなら彼はこういうのもちゃんと書けるのかと驚いた。主人公だけは相変わらず自己犠牲の塊で「健速乙」だったが。

なお、攻略可能なのは一章が咲実、二章が優希であり、他のヒロインにはほとんど触れられない。PS2版では麗佳が攻略できるらしいが、シナリオの評判があまり良ろしくない。惜しいことだ。正直、麗佳が一番かわいいと思うのだが。CGがかなりスプラッタなので、苦手な人は回避されたし。けっこう簡単に人がばったばったと死んでいく。

プレイ時間は一章が5時間くらい、二章が3時間くらいで、おまけ含めて8時間くらい。同人1800円でこれだけ楽しめれば、費用対効果は十分すぎるくらいおもしろかった。ただ、月姫、ひぐらしの領域に達するには今ひとつ物足りないのも確か。特にCGは枚数が足りない上に時折別人に見えるから閉口した。


以下、ネタばれ。
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2008年09月24日

秋色恋華/謳華 レビュー

最近なんの変哲もない学園物に飽きてきたわけだが、本作はそのとどめを見事に刺してくれたかもしれない。せっかくキャラ設定が、プロテニスプレーヤー、妹兼駆け出しアイドル、超金持ち、超貧乏と多彩なのに、シナリオが死ぬほど平凡な学園もので、ちっともおもしろくないし萌えもしない。

主人公は典型的なエロゲの主人公。なぜそろいもそろってエロゲの主人公はゲーセンに行きたがるのか疑問である。あと、04年のゲームということで久しぶりに前髪の無い主人公を見た。主人公の友達はかなり外し気味。軟派系リア充志望の子で、まったくおもしろくなく、シナリオ全体としては彼が一番の致命傷だったかも。けっこう共通長めで、全員とかなり仲良くなるところまであって、仲良くなってからはかなり適当感が漂う。共通部分はまだおもしろかった。

数少ない褒めるべき点は、やはり主題歌とOPムービー。これは紛れもなく神。あと、システムはすごく使いやすい。『明日君』でもそう思ったが、これは戯画と並んでエロゲ界で最も使いやすい部類。キャラとしては、葵と真由はよくできてた。基本的に妹(葵)ゲー。他は作りこみが足りない。翼がなぜ世間的にあんなに人気があるのかが謎。いや、確かにかわいいのではあるが。

ファンディスクである謳華のほうは、ボリュームの少なさに驚いた。秋箱で買ったから(中古で4k)損をした気分にはならなかったが、フルプライスだったらブチギレて許されるレベル。


共通ルートでやたら遊園地に行かされるが、そんなに背景CGがもったいなかったんだろうか。あれがシナリオの起伏を減らす原因の一つだったと思う。遊園地の元ネタは富士急ハイランドだが、そこまで一時間で着くということは、舞台は東京じゃなくてもっと神奈川、静岡寄りのどこかではないだろうか。少なくとも小田急線沿いの武蔵野のどこか。しかし、修学旅行のハワイ行きの飛行機は羽田から飛んでいると仮定すると、あまり空港まで時間がかかっている描写も無いので、やはり神奈川県のどこかか。

修学旅行先がハワイというのも豪勢な話で、私立高校なら珍しくはないが、その設定が生かされることは無かった。キャラの水着姿を無理に見せる必要もないし、どうしても見せたかったなら温水プールなりなんなりでよかったんじゃないか。結局、タイトルとOPムービー以外に「秋」という要素を見出せなかった。確かに、秋は夏や冬に比べて演出が難しいのはわかるが、わざわざ修学旅行でハワイに行かないでも、文化祭なり体育大会なりの行事はあるし、背景の木々を黄色か赤色に染めるくらいの工夫はあってもよかった。それにしても季節感の無いゲームだった。

別に最初からシナリオそのものには期待してなかったけど、キャラ萌えさせてくれるくらいの文章は欲しかった。『明日君』にはそれが出来ていたから、進化したということだろうか。しかし、『秋色』を褒める紫信者にさえ駄作と言われる『プリミティブリンク』や『春色桜瀬』は、一体どういう出来なんだろう……

以下、一応のネタばれ各ルート。クリア順。
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2008年09月05日

リトバス エクスタシー レビュー

このゲームのメインヒロインはドルジ(CV:Lia)。間違いない。


既存ルートについては去年書いたレビューのほうへ。でも、既存ルートは二回目のはずなのに腹筋が崩壊するのはなんでだろう……恭介の名言集めと人形劇と、何より漫画のタイトルシリーズはやっぱり耐えられなかった。あれやばいよ。だーまえ未来に生きてるよ。

追加部分に関して。共通ルートでも、細かいところで日常会話(という名のギャグパート)が増えてて好感触だった。ただ、既読スキップがきかないので仕方なくコントロールキーを使っていたから、気づかないうちに新規の日常会話をすっ飛ばしている可能性はある。音声も細かく増えていた。小毬ちゃん、お願いだから野球練習中に十万石饅頭の宣伝するのやめてくれないかな……そのたびに空振りするんだ。

クドルートは終盤かなり変わっていたが、やはり苦情が多かったのだろうか。それともライターが自分から消化不良を感じて加筆修正したのか。ロシア語に日本語訳がつくようになったのも良い配慮で、大分読みやすくなった。まあそれでもやっぱり超展開すぎてついていけないんですが。

あと気になったのは、Na-gaはちゃんとエロ描けているのに、いたるは新規CGのパースが酷かったことだ。あれで『Rewrite』描くんすか……マジ買う気失せたわ。

点数としては前回から大幅に加点してもいいかも。でも90点には満たない。


以下、ネタばれ。
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2008年08月28日

そして明日の世界より− レビュー

これでおおよそ2007年の名作と呼ばれるものはプレイし終わったわけだが(しいて言えば後はインガノックくらい)、とりわけ熱い11月戦線の三作では、キラ☆キラ>ダメ恋>明日世界という結果に終わった。要するに、良作ではあるのだが前二者と比べると、疑問符の多い作品ではあった。好きな人は好きなんだろうなーというような。「いつもの健速乙だった」と言えば通じるレベルのエロゲーマーなら、回避しても別にそしられることはないと思う。健速を全く知らない人なら、まだやる価値はある。


ゲームの内容を要約するとして、ストーリーの大筋を説明するなら「あと三ヶ月で世界が滅びることになった中で、主人公周辺の人間関係が動いていくゲーム」ということになるだろう。わかる人にはわかるだろう言い方をするなら、『この青空に約束を』と『かにしの(本校側)』を足して二で割ったような雰囲気のするゲーム。

主人公はいつもの健速乙。すごく良い奴。自己犠牲の精神の塊。空気はかなり読める子。でも孤独には覿面に弱く、しかもそれを自覚していない。そして、恋心には極めて愚鈍。正直イラっと来たことも多かった。数ある健速の主人公の中でもヘタレと言ってもいい部類だったかもしれない。

シナリオもいつもの健速乙。個別ルートのラストは投げっぱなしジャーマンスープレックス。主人公の心に結論が付けば、そこがラスト。「物語」自体の結末なんてどうでもいい。見方によってはすごく尻切れトンボである。この辺は好き嫌いの別れるところだが、健速信者……いや、健速自身な皆様なら気にすることはないですよね。正直健速のゲームはどこで終わるかわからないハラハラ感がある。今回も青葉ルートは「マジここでおわんの!?」とひとりごちてしまった。

シナリオ全体を通して。すごく綺麗なお話。綺麗過ぎてあざとく見えるので、合わない人はたくさんいると思う。『この青空に約束を』や『AIR』があわなかったら回避推奨。また、健速のゲームらしくルートごとに設定された命題をゆっくりゆっくりほぐしていくことで話が進むので、テンポは正直悪い。冒頭で眠くなったら地雷判定して投げてくれてもかまわない。あとはもちろん、健速嫌いは当然回避するべき。これらにはじかれないなら、プレイしてみる価値はある。

ヴォーカル曲は豪華にも七曲。どれも良曲ではあるのだが、神かと言えばそうでもなく印象は薄い。良くも悪くも『Amazing Grace』に尽きるんじゃないか。個人的にこういう古い名曲を使いまわすのは好きで、うまいやり方だと思う。他の例だと、『きると』のグリーンスリーヴスは神アレンジだったと思う。いまでもあれはよく聞いている。

絵は植田亮。この業界に何人かいる不遇絵師の一人だったが、ようやく一発当てた感じ。最初見たときは夕陽以外髪長すぎで違和感があったが、慣れれば気にならない。思ったよりHシーンがエロく実用に耐えうるものだったので、大きな加点要素。あと、背景も自分でデザインしてるってマジですか。確かに立ち絵との一体感がすごいとは思った。

お勧め攻略順は、青葉→朝陽→夕陽→御波→ノーマル。意外だがノーマルエンドは話の出来がすごく良い上に、アフターと話がつながるので最後に。御波は他の三人と少し立場が違うのと、アフターに少しつながる話をするので、ラス前。朝陽と夕陽はどっちが先でもいいが、ルートとしてのテーマは同じなので連続でやるべき。重要度から言って、パッケージヒロインの夕陽を後回しにしてみた。そうすると、余った青葉が無難に先頭。

あとはこんな夏真っ盛りにやったせいで、セミの音が現実なのかゲーム内なのかわからなかったことくらいか。点数は80点つけようかどうしようか、というライン。仮にHシーンが手抜きだったら75点前後で悩んでいたと思う。『キラークイーン』は今積んでるんだが、その点数によって今後健速をデフォ買いするかどうかが決まる。これが『明日世界』レベルなら、外すことを考えなければならない。


以下、ネタばれ。クリアした人か、最初からやる気はないけどシナリオの概要は知りたい人だけどうぞ。

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2008年08月10日

Clover Heart's レビュー

中○生相当の恋愛劇。登場人物は全体的に幼く行動も拙い。しかし、最終的にはそれなりの行動をとってくれるようになるので、成長物語であると言える。ただ、開始時点の幼さがもはや不自然なレベルで、「そんな風になる前に周囲の大人が止めるだろ常識的に考えて」という常識が全く通用しないストーリーを展開しやがるので、正直放棄したくなった回数が無数にある。クリアしてみると成長物語ということもあって物語全体で考えると悪くはなかったのだが、序盤の心象の悪さがどうにもぬぐいきれない。

同じ中○生相当の恋愛劇だと『彼女たちの流儀』があるが、あっちは背伸びした感じと不器用さのバランスがとれていて、その背伸び感がまさに「流儀」という語感にぴしゃりとはまっていた。が、『クロハ』の登場人物たちはやはり「幼い」とか「拙い」という言葉でしか形容することができない。ヲタ的な中二病ではなく、本当の中学生的なものを見てニヤニヤできる人にはいいが、フラストレーションが溜まる人には苦痛でしかない。

点数、といわれると少し困ってしまう。ストーリー的な素点だけだと60点くらいになってしまうが(そのくらい不満だらけ)、発売が2003年であるということは加味せねばなるまい。当然『カノギ』より前であり、調べてみると当時としては十分革新的な設定でかなり話題になっていたらしいという点。加えて、2003年としてはかなり演出が凝っているという点。これもまだ演出という要素に重点を置いていたのがage等少数のメーカーしかなかったということを考えれば賞賛できる。加えて、Hシーンはちゃんと使えるものが多かったというのも大きい。最終的には70点はあげられると思う。

ついでにうだうだと。『そらのいろ、みずのいろ』みたいに逆のカップリングでシナリオがあったら、もうちょっとおもしろかったかもしれない。というか、逆のほうが案外とお似合いなカップルかもしれない。あと、制作スタッフが『月陽炎』と同じというのを知って、いろいろ納得した。超展開の展開の仕方が全く同じ。ただ、登場人物の精神年齢が高い分、『月陽炎』のほうが好きである。最後に、主題歌は間違いなく神。


以下、ネタばれ。  続きを読む
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2008年08月08日

前髪の長い男たち

昨日のパラノイアでも少し出てきたことだが、言われてみるとエロゲの主人公の顔出しが普通になってきたような気がする。主人公に感情移入して読む場合に、明確な主人公のグラフィックがあるのは不都合だという理由で顔はあいまいにごまかす、というのが通例だったような気がする。しかし、逆にそれは主人公も物語の登場人物の一人として扱う場合に不自然が生じる。そして、主人公を特別視しない物語のエロゲが増えてきたことによって、主人公の顔を隠すかどうかは使い分けが進むようになった、と考えるのが自然であると思う。

鍵ゲーは多くがアニメ化されていて、その過程で顔がついてしまっているので微妙だが、基本的に『ONE』『Kanon』『CLANNAD』は「顔なし」で、『MOON.』『AIR』『智代アフター』『リトバス』は「顔付き」主人公である。そうして見るとわかりやすい。(以降鍵ゲーネタばれ注意)前者三つは、プレイヤーに主人公の追体験をさせるものであるのに対して、後者四つは確かにプレイヤーの位置が俯瞰的である。『AIR』なんて最後はプレイヤーがになってるし、『智代』は、実は智代の追想だったことが最後に明かされる。『MOON.』はそもそも主人公が女の子であるという特殊な事情もある。

ageの作品群もおもしろい。『君のぞ』では孝之の顔が無い。しかもそのことに関して、ファンブックで思いっきり笑いのネタにしていた(たとえば、主要キャラの好みの男性のタイプに「前髪の長い男性」と書いてある)。逆に『マブラヴ』では、はっきりと武の顔を描いているだけでなくCVまでつけてしまった。確かに、『君のぞ』は孝之の物語だけど、『マブラヴ』は世界の物語である。

『かにしの』は主人公の顔が出てこないが、うまいなと思った。分校と本校であれだけ性格が違うのに顔が同一だったらさすがにとまどう。似たような例で、『はにはに』の主人公も顔が出てこなかった。顔をあえて見せないのには、そういう使い方もある。抜きゲーだと顔出し率が一気に下がるが、elfの有名なおじさんたちはかなり有効な使い方をしてると思う。

エロゲ以外でもこの話は使える。しばしば言われるのはドラクエの主人公は顔がクローズアップされないけど(出てこないわけじゃない)、FFの主人公は特徴的である、という主張。ドラクエは明らかにプレイヤーを主人公に投影させてるけど、FFは物語主導である。ドラクエはそれをかなり意識的にやってると思う。7が一番顕著で、そりゃまあ物語の主題がグノーシスだったわけで。他のスクエニの作品だと、サガシリーズは主人公が特徴的で、主人公が複数いて選択できるものも多い。同じ開発二部でも、聖剣シリーズは主人公が割と無個性だったかな。

  
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2008年07月30日

キラ☆キラ レビュー

大変クソッタレ楽しませていただきましたファック!(お決まり)


クリアすると誰もが「俺ロックバンド始めるよ」とか言い始める作品。自分の友達の友達(=赤の他人)では実害も出てるらしい。恐ろしい影響力だ。実際、気持ちはわかる。この作品は本当におもしろい。

瀬戸口氏のシナリオということでどうしても『SWAN SONG』との比較になってしまうが、シナリオについてはネタばれで後述したい。一言で済ませるなら、相変わらず人間のダークな部分を描くのが得意だなと。単純に総評するなら、ありきたりだけれどキャラの感情の動きがリアルで、本当に生き生きと動いている。これって脚本で一番大事なことなんじゃないかな。

主人公の鹿之助は言う。「俺はシド・ヴィシャスは嫌いだ」と。ゲーム内で鹿之助が少しだけその理由を語るのだが、彼のこの発言の真意はけっこうゲームの根幹にかかわっているんじゃないかと思った。(身内ネタで恐縮だが、ついこの間、偶然henriとDiLと、「ta-kiをロッカーで例えるならシド・ヴィシャスじゃないか」ということを話したところだったので、妙なシンクロ。まあta-kiは人生自体がパンクだよね)


milktubの音楽も光まくってた。『キラ☆キラ』名曲すぎでもうすでに10回以上へヴィーループで聞いている。シンバルの音が耳について頭痛がしてきたけど自重しない。この間俺と音楽の方向性について語り合った人たちならわかってくれると思うけど、こういうの大好きなんだよね。





とりあえず、音楽好きなエロゲーマーはもちろん、「いや俺バンドとか興味ないし」とか言ってるツンデレなビッチさんもやればいいんじゃないかなファッキン。あ、ルートによっては超絶鬱展開なので(age作品級)苦手な人は注意してね。点数としては85点強かな。

以下、ニコニコで第二文芸部弾いてみた選手権巡回しながら書いたネタばれゾーン。うだうだ語ってますが、基本的に「とりあえず語尾にファックってつけろこのくそビッチども」とか言えるようになればそれでもう正解な作品かもしれない。オールクリアしてない人は絶対読んじゃダメ。そうそう、ライブツアーしてるのでご当地ネタが大量に出てくるけど、それもネタばれになりそうだから格納。

(21時頃追記)
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2008年07月20日

続・殺戮のジャンゴ レビュー

やっぱり虚淵は天才だった。もう大好き。


マカロニウェスタン。それってなんぞ?という人も多いでしょうが、要するにB級西部劇です。よくわかんねぇけど暴力かっけー!を突きつめた大人のためのファンタジー。むしろファンタジーのためのB級であって、本格派であってはいけない。じゃあこのジャンゴもファンタジーなのかというとそんな単純なことを虚淵がするわけなく、むしろマカロニウェスタンの「B級っぽさ」を全面に押し出した作りになっていて、そこを楽しむのが正解だと思う。

個人的には『Phantom』を超えて、『沙耶』に次ぐニトロの傑作になったんですが、世間の評価はそこまででもないようで。批評空間の点数を見ていても、べた褒めなのにつけてる点数は80点以下という人が多く、やっぱ短いのが原因で満点自体が低いのかなとか思ったらそれも違うみたいだ。意外と否定的意見の中でも多いのが、「女主人公」と「主人公含めて登場ヒロイン皆ビッチ」という理由。自分がエロゲ業界で唯一理解できないもの「処女信仰」にこんなところでぶつかるとは思いもよりませんでしたよ。

あと、詳しくはネタばれなので後述するが、上記に書いた「B級っぽさ」の再現を理解できていない人が多く(高得点な人の中にも)、「ここってなんでこんな安っぽいの?」とか「意味不明にださいシーン多くね?」とかそんなレビューがちらほら散見されたのは悲しいことこの上ない。ジョイまっくすが「予約率だけ見ると過去最低」と嘆いていたそうだが、それも仕方が無いのかなと。いや、新品じゃなくて中古で入手しておいてなんですが。これは予約して買うべき品だったと後悔。プレイ時間たったの7時間程度だけど、時間千円以上楽しめるよ間違いなく。何度も言うようだが、こういう作品があるから、エロゲは止められないのよね。

あー、何かに似てるんだよなーと悩んでいたが、『ブラックラグーン』だ。スィートウォーターにレヴィがいても何の違和感も無いわ。ニトロが『ブラクラ』の小説版をコミケで売るというのを聞いて気がついた。


以下、ネタばれ込みでぐだぐだ何か書いておく。やる気がある人は必ずクリア後に。  続きを読む
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2008年07月19日

月光のカルネヴァーレ レビュー

ニトロプラス復活ののろしと言われている作品。イタリア・マフィアもので、主要な舞台はフィレンツェ(ゲーム内ではベルモントと改称)とヴェネツィアである。決して詳しくなくてもシナリオは理解可能だが、サンタ・マリア・デル・フィオーレやポンテ・ヴェッキオ、サンタ・クローチェ付近がしばしば背景として出てくるので、知っているとニヤリとできるかもしれない。ヴェネツィアだと聖マルコ広場。ついでに言えばカッキアーノはぐぐればわかるとおり、トスカーナの小都市でワインの名産地である。ただまあ思うに、北イタリアが拠点のオルマ・ロッサの根拠地がトスカーナというのはいささか無理があるんじゃないかと。ロンバルディアか、せめてエミーリア・ロマーニャにしておくべきだった。

マフィアものとしてみるならよく描けていると思う。組織に戻るだの戻らないだのの話や、世代交代の話はいかにもマフィアものっぽくておもしろい。一方で、異種族能力バトルものとしてはいささか陳腐なシナリオ展開だったかもしれない。というか、割と致命的な欠点としてピウスにラスボスとしての威厳が全く無い。ついでに言えばブラッディナイオ(CV若本規夫)にも無い。大概のシナリオであっさり死にやがるのでもうどうしようもない。下手に話を広げずに、どのシナリオでもマフィアの抗争だけに焦点を当てれば、もう少しなんとかなったんじゃないだろうか。

一番気になったのは殺陣の下手さ。全部ワンパターンだから飽きる。『BLEACH』のガイドラインが適用できそうなレベル、と言えばそのつまらなさがご理解いただけるのではないだろうか。人によってはそれも少年漫画っぽくていいのかもしれないが、個人的には「わかったからさっさと覚醒して逆転しろよ」としか思えず、戦闘続きの中盤は大変眠かった。日常風景のテキストレベルは高いのに、ニトロのライターらしからぬことである。

他に思ったところをいくつか。NiΘは機神咆哮のときと比べて随分絵が上達したと思った。『続・殺戮のジャンゴ』に至ってはまったく文句の無い出来に仕上がっている。BGMは若干ワンパターンだったかもしれない。シナリオが非常に長いので(コンプまでに20時間くらいかかった)、途中で聞き飽きた曲がいくつか。

イタリア語をうまく使っていたのも好印象。こういう作品だと外国語を使いすぎると衒学的になり、しかも不勉強だとしばしば間違っていることが多いのだが、こういう無駄なところにこだわるのがいかにもニトロらしい。フィレンツェをベルモント(良き山)と改称するセンスからしてもう心の琴線触れまくり。

あと、おもしろい試みとして買いたいのは、宣伝用ホームページの作り。ゲームの進行をベルモントで発行されている新聞という形で紹介しつつ、実はシナリオの補完にもなっている。ゲーム内では基本的に元マフィアの主人公目線で話が進むため、裏側の動きしか見えなくなっているのだが、ここで公式ホームページの、ゲーム内時間が同じタイミングの新聞を読むことで表側の動きを知ることができる。ゲームと宣伝を連動させるというのは珍しいやり方なんじゃないかな。


そういうわけで、素材は優秀なのにシナリオとテキストでの料理を失敗した感じである。70点強をつけておく。よって、これをもってニトロの復活とするのは難しいと思う。批評空間のレビューで誰かが言ってたけど、確かにヴェドゴニアによく似ている。いや、ヴェドゴニアのほうがおもしろかったけど。モーラかわいいよモーラ。



以下、一応ネタばれ。
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2008年07月16日

明日の君と逢うために レビュー

超が3つくらい付くベタなエロゲ。ベタだと思った点を列挙していくと、こうなる。


・各ヒロインとの出会い方がベタ。初日で全部出会う。話のリアリティとか完全に無視(悪い意味ではなく)。
・主人公の性格がベタ。鈍感で皮肉屋で奥手。意味不明にもてる。石を投げたらぶつかるくらいの量産型。
・ヒロインの配置がテンプレ。後輩1、同学年2、先輩1、年増1、他校の同学年1。
・元気系ロリっ子、ツンデレ、巨乳おっとり、クーデレ、天然幼馴染、ダメな大人。全部どっかで見たことある!ふしぎじゃない!
・物語の鍵を握るキャラの声優が北都南。ちなみに不思議系ロリっ子。
・シナリオの流れももちろんテンプレ。友達発恋人行き。Hシーンを3つほど挟んで、何か問題が起こって少しだけ疎遠になって、雨降って地固まる。
・友人が良い奴。フカヒレ路線というよりは、スバルの路線かな。
・その友人と一箇所だけ三角関係。どれか1ルートはそれでシナリオが消化されると言っても過言ではない。
・一人、現代医療では解明されていない謎の奇病(笑)で死ぬ。
・攻略できない子に限ってかわいい。もちろん元気系ギャグ要員。
・演劇部が出てくるのもデフォ。
・シナリオの大半が巻き込まれ系なのもデフォ。
・メインヒロインの影が薄いのもデフォ。
・ちょっとだけファンタジー。というかぶっちゃけ『ONE』と『水月』だよねこれ。え、違う?


…………etc。あまりにもな展開に何回か吹いた。一番吹いたのはCV:北都南が出てきたところかな。またおまえか。

「たまには死ぬほどベタなエロゲがやりたいぜー!!!」という諸氏にはお勧めしておく。あと、どのくらいベタなのか気になった諸氏にもお勧めしておくが、1ルートで飽きる気もする。ギャグがまあまあおもしろいので、気合が足りてればコンプも可能だと思う。というか俺はがんばってコンプした。プレイ時間は割と長め。1周目は7時間くらい。2周目以降は3時間半ずつ。全部で25時間くらいだと思う。

逆にベタじゃないところはというと、とりあえず、OPのムービーと曲は神。新海&天門レベルの神。あと、スクリプト担当は褒められるべき。立ち絵動きすぎ。ただ、こっちはminoriほどすごくない。まあminoriのは紙芝居というよりももはやアニメの域なので、比べるのは間違っているかもしれない。イベントCGの枚数もけっこう多かったと思う。

欠点はあまりにもベタすぎてシリアスパートが「はいはいワロスワロス」としか言えなくなってしまい正直眠かったこと。くらいかな。欠点の少ないゲームではあると思う。

あとはくだらないツッコミを入れると、「進学校」の描写がけっこう良く出来てたかな。主人公たちの通ってる学校が進学校という設定はよくあるけど、どれもこれも描写が下手で。しかも、それをごまかすために主人公をさぼりがちという設定にするから余計に不自然になる。多分、ライターが通ったことがないんだろう。だったら無理に進学校にする必要ないのに。『明日君』は細かいところで正しい。英語のテストが問題文まで英語とか、夏休みは成績不良の補習にひっかからずとも、どうせ補講でつぶれるとか。うちの学校との共通点に限れば、意外と体育会系なところとかマラソンが名物だとか校舎が木造だとか校庭と中庭がやたら広いだとか。


以下、あまりやる気の無いネタばれ分。やった人かやる気はないけどシナリオは知りたい人だけどうぞ。
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2008年06月13日

分岐するからこその意義がある

心に残ったエロゲのバッドエンド。偶然別の記事で話題になってるけど他意はない。まあ『アカイイト』のバッドエンドは間違いなく傑作の物が何個かあるよね。以下、適度にネタばれ。



月並だけど、多くの人の記憶に残っているだろうバッドエンドと言えば、『AIR』のよーい、どん。あの清涼さはすばらしかった。いまだに覚えてるんだからすげぇ『雫』のトースターは非常に懐かしい。同じく懐かしい系統だと、『水夏』の三章バッドはスレでも挙がってる通り、きっつい。三章といえば『銀色』の三章バッドはえらく見るのが難しかった覚えが。なんで当時のゲームの三章って話自体が重いん?

『君のぞ』のエンドも印象深いの多い。妊娠エンドは怖すぎる。茜ルートの遙妊娠エンドは特にいろいろ痛々しくて記憶に残ってるなぁ。遙の服を着た茜のCGがほんとにもう。水月妊娠エンドもなぁ。孝之の自業自得に近いのではあるけれども、あれは途中から水月自体が怖いし。マナマナルートはルート自体がバッドエンド、かな。『螺旋回廊1・2』もいろいろ酷かった。ポリバケツというか赤鼻のトナカイさんは言うまでもなく。犬エンドやありますよねぇ?、最後の最後の「夏の終わり」等、心に残ったのは多い。ageはえぐいの作らせたらほんとうまい。

スレ中盤で上がってる『とらハ1』のバッドエンドはマジ壮絶。あそこだけゲーム違う。あと『とらハ3』のおまけ。都築の野郎はときどき本性(?)出しやがるから困る。いや、困らない。「壁に咲く薔薇」の話はするな。あと、スレに挙がってるところで共感したのは、『マイブラ』の第三の勝利者。あれは怖ぇ。『スクイズ』の話があまり出てないのは、ありきたりすぎてみんな敬遠したか、編集した人がごっそり削ったか。


スレに挙がってないところだと、『Phantom』のトゥルー以外はかなりたくさん分岐しておもしろかった。特にクラウディアルートは味のあるエンドが多い。さくっと殺されたり復讐したり。『神樹の館』のバッドは館モノの典型的すぎて逆に記憶に残ってるかも。人形に戻った後は割と呆然とした。

『顔月』もエンディングの数多かった(そういえば『顔月』も分岐図採用してたゲームだよね)。トゥルー以外だと、主人公が蛇神の能力を身に着けて、正真正銘館の主となって鈴菜と愛欲の日々を過ごしましたとさ、エンドは記憶に残っている。ああいうエンドは好きだ。(まあこの場合は水菜が救われないんだが)

『蟲愛』(これも分岐図使ってるけど、システムが独特すぎてちょっと違うか)も印象深いエンディングが多い。強烈なのはやはり「蟲を産む人生」、「砕かれた幸せ」、「人と蟲の狭間で」。グロすぎ。大好き。トゥルールートだけじゃなくて、アゲハ編、西館編も徹底的におもしろいというのが、このゲームのすごいところの一つだと思う。本当に容赦が無い。いろんな意味で。味のあるバッドエンドが好きなら是非に。
  
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2008年06月11日

『アオイシロ』レビュー

前にも書いたとおり、評価に困る作品であった。あまりにも褒めるべき部分と批判するべき部分に乖離が激しすぎる。以下、ネタばれ。あと、どうしてもとっぽいさんのレビューを意識して文章を書かざるを得なかったので、先に向こうを読んでおくことを勧める。


ナミーは俺の娘だと思ってましたが、訂正します。ナミーはコハクさんの嫁でいいです。なぜコハナミのSSが無いんだ。いや、コハオサもナミオサも好きですが。  続きを読む
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2008年03月09日

要は心情移入の問題

エロゲのエロは必要かという話。今までこの話題と言えば「泣けるシナリオを読んでるんだから汚らわしいエロは必要ない」というお決まりの(鍵っ子的な)論理展開ばかりだったが、この全く別の角度からの主張はおもしろい。二次元か三次元かは問わないならば、AVにエロ本、エロ漫画にエロアニメとジャンルは何でもあるわけで、それらの値段と比べるとエロゲの値段(=8800円)は圧倒的に値段が高い。

じゃあエロゲのエロって何なの?というと、特徴的なのは二点。まずは音と絵と文章のあわせ技だということ。これは他のどのジャンルにもない。そして、特にいわゆる萌えゲーならば、Hシーンまでに長ったらしいシナリオが挿入されていること。この長いシナリオをこなすことでそのキャラに親近感がわく、だからこそHシーンも「使える」。この二点に意味を見出せないのならば、確かにエロゲのコストパフォーマンスは悪い。だったらいらないじゃない?という主張は大いに納得できる。


もう一つ。「特に重厚で緊迫感に満ちた物語が、佳境に入ったときにエロシーンなんぞに突入したらもー」というのも同感なときがままにある。『こなかな』とか『もしらば』とか、なんでそこでエロシーン入れちゃったかなー、と何度も思った。この手の必要の無いエロで一番印象にあるのは『二重影』。むしろあのゲーム、女性要らないだろ。攻略可能キャラは北条君だけで(ry

逆に(昨日も書いたけど)『CLANNAD』をやったときには違和感がありまくりで困った。本来ならここにあったんだろうけど削ったんだろうなー、という予測が簡単に立ってどうにもやりきれない。加えて、渚ルートはシナリオ的に必要だった気がする。それに比べると『リトバス』はまだその違和感が少なかったけど(あるにはあった)、こっちが18禁化するとは予想外だ。

あと『ToHEART2 XRATED』。18禁の全年齢化はシナリオがスカスカになった感じは否めないが大概のゲームで違和感が無いのに対し、逆は違和感全開なんだなぁというのを如実に示してくれたゲーム。ささらでさえ、何かおかしかった。『リトバス』もこうなりそうで怖い。

エロゲ批評空間のどっかのレビューで読んだが、やはりエロゲとギャルゲではゲームの目的が違うんだろう。一般的なエロゲにおいてはHシーンは終着点であって、実用ってよりは様式美として必要なのかもしれない。ギャルゲは仲良くなるところが終着点なんだから、Hシーンを無理に入れると行きすぎになる。その辺『明け瑠璃』はうまかったかも。PS2版の追加2ルートはちゃんと「ギャルゲ」をやってたから。これで逆移植なんかしたら興ざめだねぇ。買うけど。

  
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2008年03月07日

『SWAN SONG』レビュー

隠れた名作と名高かったのでプレイした。確かにこれは神作品。設定は「大地震によって世界が崩壊した直後の群像劇」でシナリオも予想通りの方向へ進んでいくのだが、各登場人物の心理描写が非常に巧みで、やってることのレベルがそんじょそこらのエロゲとか小説のものじゃない。瀬戸口氏の文章が当然主軸ではあるのだが、美麗なビジュアルやBGM、演出が最大限それを生かしている。特に一人称視点の切り替えや文章表示の工夫、効果音など、エロゲじゃないと出せない良さもふんだんに盛り込んでいたのもすばらしい。

「極限状態だからこそ人間心理の本性がわかる」という理論は、この作品にとっては言い訳であって、多分瀬戸口氏ならどんな舞台設定でも料理できてしまうんだろうなと思う。『キラ☆キラ』に興味がわいたので入手しようかな。いずれにせよ、「群像劇」という言葉がこれほどまでに似合うエロゲは、現時点でこの作品以外存在しないだろう。絡み合う思惑が本当におもしろい。しいて中心人物を挙げるのならば、主人公の尼子司ではなくて、佐々木柚香かクワガタだろう。

これだけだとあまりにも短いので、レビューではない雑感を。「予想通りの方向へ進むシナリオ」と書いたが、悪い方向へ悪い方向へ進んでいくので、ある程度予想を立てながらプレイするとおもしろいかもしれない。序盤は当たらないかもしれないが、中盤以降はおもしろいように的中する。某シーンのムンクの《叫び》調の背景があるが、あれは作者がよくあの絵の真意を理解しているなと一人でほくそえんだ。ああいう使い方は非常に良い。

昔某友人(複数)が「時々混雑する街中でマシンガン乱射したくなる」と言っていたことがあったが、そういう人はやっちゃダメな作品かもしれない。多分、発狂する。逆に、鬱に弱い人、心臓の弱い人もやっちゃダメだ。精神的な意味で正視に耐えないシーンがゴロゴロ出てくるので。グロは無いんだけどね……


以下、ネタばれ。この作品について語るところは多い。

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2008年03月02日

『こなたよりかなたまで』レビュー

75点。いろんなところで惜しい、85点になれる器はあった作品。

長所は言うまでもなく主人公の設定に尽きる。「末期癌、余命三ヶ月」の主人公はさすがに初めてだった。性格は言い古されているが健速らしい主人公、要は『かにしの』の本校側とほぼ同じ。エロゲの主人公らしからぬ鋭さを持っている上に優しい人間ではあるが、愛されなれておらず芯の部分ではどことなく気弱である。この性格だからこそ、余命三ヶ月という設定が生きたように思う。

ヒロインが皆キャラが立っててかわいいのも好印象。それぞれ主人公に接することでちゃんと化学反応が起きる事情を抱えつつも、このまま別のエロゲに出演しても十分通用する普通さも持ち合わせているのは、実は結構すごいことだと思う。話が重くなりがちだけど、重くなりすぎたらこのゲームのテーマが破綻するわけで、実はギリギリのバランスですよ、これ。

短所は圧倒的なシナリオの短さ。大したネタばれにはならないから言ってしまうと、ほぼ全てのシナリオにおいて主人公が死ぬところまで描写されない。そのことは演出の一端というか実は要というか、「描かないこと」がこのゲームのテーマである気がするので、それでいいと思う。しかし、それを盾にしてるのかしてないのか、1ルート2時間、全ルートあわせて8時間かからないのはあまりにも。長かればいいってもんじゃないのは過去の幾多の短編名作によって証明されてはいるが、それはスピード感やテーマの簡潔さによって短さが逆に生きるからであって、本作品は短くあるべき作品ではなかった。

確かに、ゲームの掲げたテーマ自体はこの短時間で追いきっているかもしれないが、テーマの処理とは日常パートの積み重ねがあるからこそ「重く」なる。『ひぐらし』の部活パート然り、鍵ゲーのギャグ然り。このゲームのプレイ時間が圧倒的に短いのが、この部分がほとんど無いからだ。これが実に、実にもったいない。加えて言えば、Hシーンへの入りがどのルートでも絶妙に空気を読めてない。あれならいっそ必要ない。

ここら辺の物足りなさ(『かにしの』を書けた健速なら書けるだろう)と、ついでに今プレイすると若干重く感じるシステム面を改善してリメイクすれば相当な名作になると思うんだが、そんな根性が今のF&Cにあるとはとても思えないのでこのまま普通の良作として記録されるのだろう。ああもったいない。『水月』と並んでF&Cの最後っぺだったってことだ。


お気に入りのキャラは九重さん。次点でクリス。ここら辺はやった人(でnixを見てる人)なら納得してくれると思う。
  
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2008年02月20日

『さよならを教えて』レビュー

これは意見が分かれるだろうな……自分は意外かもしれないが、かなり否定派。


エロゲによらず小説、物語を読みなれてるとすぐに落ちがわかってしまう。もっと若い頃、たとえばこのゲームが出た当時にでもやれば感銘を受けたんだろうが、今やっても使い古しの話にしか見えない。というか、昔あったよねこんな映画。もしくは、こんなことバタイユかフーコーかドゥルーズ辺りから適当に引っ張ってきた思想のようなものを盛り込んでみたという軽ささえ感じる。

シナリオは無いに等しい。シナリオが無いこと自体がテーマを表現するために必要な手法の一つとはいえ、あまりにも電波すぎてついていけない。意図的に前後のつながりをつぶした文章が流れるため、よほどゲームの中に入り込んでいないと眠くなる。音楽とCGは(2001年ということを考えれば)非常に良質だが、睡眠導入への抵抗にはならない。

全部で10時間はまずかからないという短さ。にもかかわらず共通部分が多く、既読スキップで流している時間が長かった印象。しかも選択肢ごとに既読スキップが止まる上に既読スキップには一々右クリックをする必要があるため大変めんどくさい。しかも選択肢がやたらめったら多く、それでいて選択肢一つ一つは大して重要な分岐の要因にはなっていないのでますます腹立たしい。

選択肢中にセーブすることができないことにはあまり不満は無いのだが、そもそもセーブする必要を感じないほど短かった。何よりいらいらしたのはバックログ未実装。そもそも読みづらい文章なのに読み返せないとは、他人に読ませる気があるのか。2001年ならば既にそんなの当たり前になりつつあったのだから、時代のせいにはできまい。選択肢セーブ不可はゲームデザイン上の一貫としても、バックログは許しがたい。


これが昔話題になった作品だ、という歴史的意義以外でプレイする意味は感じない。そもそもその昔でも、これが話題になって『終ノ空』はそこまで人気でもない理由がわからない。同時期の同ネタならあっちのほうが綺麗に描けていると思うのだが。もうちょっと新しい作品なら、『CROSS CHANNEL』という最高峰だってある。現在の評価は過大である、もしくは懐古である、と思う。  
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2008年02月18日

『EXTRAVAGANZA』レビュー

Black Cycの最高傑作。昨日からブログさぼってまで一気にクリアした甲斐があったというものだ。今まではこのブランドといえば『マイブラ』を勧めていたが、これからは『蟲愛』を勧めることにする。

『蟲愛』はその異名のごとく、蟲とその母体となった女性のストーリーである。テーマが親子愛だということはプレイ前から聞いていたが、正直半分くらいネタだろと思っていたら直球だった。考えてみれば『マイブラ』であれだけ直球を放り投げたメンバーが冗談で親子愛なんて語るはずがない。終わってみた今となっては蟲君があまりにもいとおしい。人気投票で1位になるのも全く疑念の余地が無い。(ちなみに、人間に限れば似たような理由で綾佳が一番好き。)

まあそれはそれとして、グロすぎる。このゲームに比べれば、『沙耶の唄』も『マブラヴオルタネイティヴ』も一般ゲームの範疇だろうし、『School Days』だって『螺旋回廊』だって、同会社の『ゴア』や『マイブラ』でさえもかわいく見える。CGも格別にグロいが、文章と声がそれを最高に引き立てている。加えてとある登場人物が自分のエロゲ史上最低の下衆で、彼がいないとこのゲームのHシーンは成立しないなという感じではある。下劣極まりないシーンの数々をぜひ堪能していただきたい。全く使用には向かないが。グロ以前に、大概のHシーンは陵辱に至る経緯が酷すぎて萎えるだろうとは思うし。しかし、唯一の人間同士の和姦がCG無し5クリックで終了とは徹底している。

コンプには攻略サイトを使って25時間、使わなければその倍はかかると思われる。その圧倒的なヴォリュームを使った壮絶な女の一代記。圧倒的なヴォリュームによる親子愛の物語と激烈なグロ。その両輪が綺麗に回ってこのゲームは成立している。グロと触手に耐性があるならば、ぜひやってほしいゲームである。

そういえば、『沙耶の唄』は純愛のストーリーだろうか。匂坂郁紀は外見が人間っぽく見えたからこそ沙耶に惹かれていった。あの作品は果たして外見に惹かれていったものを純愛と呼べるのかどうかという疑問を提起している。『蟲愛』はそれに対して「親子愛」ならばそれを乗り越えられる、という究極の回答で切り返したように思うのだが、いかがだろう。「ナウシカのエロゲ版」という表現も、それなりに正しいように思うし、「『クラナド』、『家族計画』と並んで家族愛三部作」という評価もそれなりに的を射ていると思う。それなりに、としか言えないのは客層があまりにも違うから。


以下、ネタばれ。  続きを読む
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2008年02月09日

『世界で一番NGな恋』レビュー

主人公29歳無職バツイチで、メインヒロインが中学生ってそりゃダメだろ……常識的に考えて……とだれもが突っ込む設定。しかし丸戸には里伽子とさえちゃんというそれぞれ別方向で究極のダメな女を描いたという前例があるので何の心配もしてなかったが、良い意味で予想通りだったか。

ただ、灰汁の強さは際立っていた気がする。HERMITの丸戸作品を初めてやったのは自分もそうなのだが、「ああ、やっぱり丸戸節だなぁ」と思う一方で、あまりのテイストの違いに驚きを隠せなかったのも確かだ。「戯画での丸戸作品を期待すると肩透かし」という、世の丸戸信者が喧伝していた話は真実であった。それでも、個人的にはぜひこの作品をやる前に『パルフェ』『こんにゃく』には触れておいてほしいと思う。というよりも、『ダメ恋』をいきなりやると、きっついかも。

ちなみに、私はこの主人公がかなり嫌いなタイプである。すぐに謝る奴というのは結果的に事大主義者になりがちで、実際に彼は作中で何度もそのせいで大変な目に遭っている。特に、自分に能力があるのにもかかわらず、必要以上に卑屈になるのは最も許せないタイプの人間かもしれない。それでもこの主人公が許せるのは、それでいてハーレムを形成させるだけの、母性本能をくすぐるダメさ以外のものを持ち合わせていることと、ちゃんと作中で彼の卑屈さが直りつつある描写がなされていることだ。これは29歳の彼の、遅すぎた成長物語なのかもしれない。


あー、あと愛知県ネタ多すぎて地元民大勝利。風来坊の手羽先をくわえ、蓬莱泉「空」を飲みながらプレイすればいいと思うよ。愛知県民には本作品をプレイする義務があるわ。


以下、ネタばれ。

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Posted by dg_law at 12:00Comments(0)TrackBack(0)